最近の研究によると、「お釈迦さまは毒キノコで亡くなったのではないか。」という説が有力となっているそうです。
人間臭い(もちろん人間ですが)逸話に耳を傾けながらも、仏教が広まったこともうなずけるような・・・。
神も仏も無関係を装う私ではありますが、その教えを守ってキノコ狩りの季節だけは肝に銘じているところです。
先日、図書館で手に取った『お釈迦さま以外はみんなバカ』ということからキリストは?ムハンマドは?シェイクスピアは?ジョン・ロックは?芥川龍之介は?
それなら、春日八郎さんの「死んだ筈だよお富さん 生きていたとはお釈迦さまでも 知らぬ仏のお富さん」などと歌で返そうかと思うくらいです。
ただし、カンダタのように「蜘蛛の糸」を待ち続けているのは事実です。
そこをぐっとこらえて、ページをめくると「めくるめく世界」が広がりました。
さて、今夜の一人読書会は、粋な恋の文句に酔いしれますか。
それとも、我々を育む地球に「ごめんなさい」を唱えましょうか。
語ることができない1本とともに。
カルヴァドス【ブルイユ VR】
★★★★★★★一人読書会★★★★★★★
ジョン・レノンとオノ・ヨーコが出会ったのは1966年。あるギャラリーでヨーコが個展を開こうとしていたその前日。
ギャラリーを歩いていたジョンは、あるものに目をとめた。
それは、真っ白なキャンバスに釘と金づちが添えてあり、そこに「釘を打て」と書いてある、そういうタイトルの「美術作品」だった。
偶然、そこにヨーコもいた。「釘を打っていい?」とジョンが言うと、ヨーコは、まだ展覧会前日だったので「5シリング払うならいいわ」と答えた。
するとジョンは「では、あなたに想像の5シリングを払うから、想像の釘を打つね」と答えた。
なんて素敵!そこから、ジョンとヨーコの交際が始まったといわれている。
ヨーコの初期の「名作」に『グレープフルーツ・ジュース』という作品集がある。
たとえば、
「地下水の流れる音を聴きなさい。」
「地球が回る音を聴きなさい。」
「盗みなさい。水に映った月を、バケツで。盗み続けなさい。水の上に月が見えなくなるまで。」
それから半世紀、その続編が誕生した。タイトルは『どんぐり』。頁を開くと、そこには、懐かしい、オノ・ヨーコの世界があった。
「地球は友だちのようなもの いじめたり無視したりしてきた。 許しを請う。 地球に どれほど大切に思っているかを伝える。 地球に どれほど美しいかを伝える。 地球に 愛していると伝える。」
説明はいりませんよね。
(高橋源一郎『お釈迦さま以外はみんなバカ』)