雑記帳No154で紹介したように、『ヴァンゼー会議』の首謀者ハイドリヒは、ヒトラーから「鉄の心臓を持つ男」と言われたほどで、側近の中でも冷酷無比の最たる人物でもありました。

   映画『ナチス第三の男』では、ナチス高官の中で唯一暗殺される過程が克明に描かれています。暗殺を実行したイギリスの特殊部隊10名、協力したチェコ市民のその後の運命も気になるA級作品となりました。

   そこで今回は、ナチスNO2のゲーリング、ハンス・フランク、シュペーアに次ぐハイドリヒの略歴を載せました。

   また、本日知った8月公開予定の映画『アウシュヴィッツの生還者』、何としてでも鑑賞したいと思いは逸ります。

   そして、まだ出会えぬ映画『ヒトラーのための虐殺会議』、ここでもハイドリヒの残忍な姿を監視したいと思います。

   さらに、映画『白バラの祈り』は、ぜひとも観たい1本です。

   何故なら、ナチス最高の裁判官であり、死の裁判官と恐れられたローラント・フライスラーがヒロインのゾフィーを裁こうとするからです。

   彼の高圧的で冷血な判決の数々にヒトラーも恐れるほどだったそうで、「不法な見せしめ裁判で、数千人に死刑判決を下した。」(『世界史の窓』)と載っています。

   当時の記録動画では、無実の被告を執拗に罵倒するおぞましい様子に、吐きそうになりました。

   それなら、こちらも「お前こそが極刑だ!」と、罵声を浴びせてやりたいくらいです。

   戦争映画を観ながら、戦争ではなく「平和とは何か?」を考える夏にしたいと考えます。

 

映画『ナチス第三の男』(2017年)

 ナチス高官ラインハルト・ハイドリヒ暗殺作戦のてん末を描くサスペンス。

   ホロコーストに深く関わってきたハイドリヒを7人の実行部隊が襲撃する。

   しかし、その後ナチスの容赦ない報復が始まる。

 

!!!!ハイドリヒ!!!!

   優れた密偵・工作の能力で政治警察権力を一手に掌握し、ヒムラーに次ぐ親衛隊の実力者となった。

 ユダヤ人問題の最終的解決計画の実質的な推進者、ユダヤ人虐殺を推し進めた象徴的存在。

   それに加え、長いナイフの夜事件、水晶の夜事件、スターリンの大粛清にも深く関わった。

   端的に言えば、ナチスの図宇内な犯罪行為ほぼすべてにかかわった人物と言えるだろう。
   その冷酷さから「金髪の野獣」と渾名された。

 またその優秀さと冷酷な仕事ぶりからヒトラーからも信頼され、ナチ支配が長く続き存命であったならばヒトラーの後継者は彼だっただろうとも言われる。

   ちなみに、ハイドリヒは暗殺される9か月前、プラハ城内にある聖ヴィート大聖堂という教会に安置されていたボヘミア王の王冠を遊び半分で被ったことがあった。

   その王冠には、「真のボヘミア王以外の者が被れば必ず一年以内に死ぬ」という伝説があり、ハイドリヒはそれを否定するために被ったのだが・・・  

  (『世界史の窓』) 

 

映画『アウシュヴィッツの生還者』(2023年)

   8月11日公開。強制収容所の生還者の息子が、父の半生について書き上げた実話を映画化。

 

映画『ヒトラーのための虐殺会議』(2022年)

   1942年1月20日、ベルリン郊外のヴァンゼー(ヴァン湖)の邸宅に親衛隊の上層部や各官庁の次官などが集まった。

   それは、ヨーロッパ全土にいるユダヤ人問題の『最終解決』についての協議だった。

   映画は現存する議事録を元に、会議を再現。

   

映画『白バラの祈り』(2005年)

   1943年、反政府組織「白バラ」のメンバーであるゾフィー(ユリア・イェンチ)は、兄とともに大学構内で反戦ビラを配っていたところを逮捕される。    厳しい尋問に屈せず信念を貫く彼女に、尋問官モーア(アレクサンダー・ヘルト)はある取引を提案するが……。