あの日からひかるの隣は私ではなく保乃に変わった。
ひかると話すのはレッスンの時だけ。
今までひかると過ごしてきた時間を
自分はどうやって使えばいいんだろうか。
心にぽっかりと大きな穴が空いた。
残酷にも日に日に体調は悪くなる。
苦しい。辛い。痛い。
様々な感情を薬でかき消す。
それと一緒に笑顔をかき消されちゃったのかな、、、
心から笑顔になることが無くなった。
楽屋にいても、レッスンをしていても
いつも目で追っているのはひかる。
自分が隣にいなくても、
保乃と以前のような笑顔や仕草を見せるようになった。
悲しかったが、
自分が居なくなってもひかるは大丈夫。
そう思えた。
─────
山﨑「そんなにひかるのこと目で追ってるなら別れなきゃ良かったじゃん」
「ううん。これが1番良かったの。」
山﨑「ふーん。よくわかんない。」
「天ちゃんにはまだ早かったかな?笑」
山﨑「馬鹿にされた!JK舐めんなよ、」
「お、怖っ」
松田「もうすぐレッスン始まるよー」
「はーい、天ちゃん行こ」
山﨑「はいはい、」
─────
以前に増して少し動いただけで息切れと動悸がするな、、
「ッ、、、、、!!」
全身の激しい痛みに襲われて、体が痛みで動かせなくなった。
咄嗟に近くの壁に手をついて体を支えた。
息をすることさえ苦しい。
幸い、今は休憩時間だから気づいている人は居ないっぽい。
少し耐えれば収まるかな、、
田村「〇〇?」
あ、嘘。 気づいている人いた。
保乃に声をかけられたが
痛みで声を発することが出来なかった。
田村「、、どうした?大丈夫?」
私の様子がおかしいことに気づいたのか、
保乃はしゃがみこんで顔を覗かせた。
察してくれたのか、
体を支えてもらいながらゆっくりと壁に寄りかかりながら座った。
田村「この体勢は楽?横になる?」
「、、、だぃ、じょうぶ、、」
田村「寄りかかりな、?」
「ありがと、、、」
田村「最近、無理しすぎ、、、
どんどん痩せていってるし、隈も深くなってる、、、
今だってすごく顔色悪いし、、、。
〇〇が壊れてしまいそうで怖いん、、、。 」
「、、、大丈夫だから。」
田村「そんなに保乃は頼れない?」
「そういうことじゃない。」
田村「じゃあなんで?」
「、、、、なんでもない。大丈夫だから、」
「ちょっと飲み物買ってくる。」
保乃から逃げるように部屋から出ようとしたとき
フラッ
田村「〇〇!!!」
───
「ン、、、、?」
あれ、家だ、
私、、確か、、、
田村「ん、起きたんか、」
保乃の口調がいつもよりもなんか淡々としてて怖い、、、
「保乃、、。私、なんで家に」
田村「レッスンの時に倒れたから保乃が運んだ。」
「迷惑かけてごめん、、、」
田村「ハァ…そんなことはどうだっていい、」
田村「起きてすぐでごめんやけど、
聞かないといけないことがある、」
もしかして、、、いや、考えたくもない、
ただ保乃の纏っている雰囲気から首を横に振れない、
田村「ベットの上で話すことじゃないと思うからリビングに移動しない?」
「うん、、」
リビングに移動して私が家主だっていうのに水まで用意してくれた。
完全に主導権を保乃に握られてるのが何となく分かった。
田村「なあ、保乃達に隠し事してるやろ。」
「、、、、。 」
田村「まぁ、うんって言うわけないか、」
田村「なんで今聞いたかって言うとな、
ここに運ぶ時、家の鍵を探すために勝手に〇〇のバッグを漁ってしまったんよ。
その時にな、大量の薬を見つけて、、、」
「、、、」
田村「どうしても気になって薬を調べたらどれも効果の強いやつばかりで、、」
田村「なあ、教えてや、なんかの病気なん?」
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