初老精神科医なおざう

初老精神科医なおざう

教員をやめ、中年で再受験して、今や初老精神科医。仕事はぼちぼち。ピアノのおけいこ、読書、お酒、その他の日常を記して行きたいと思います。

11月末、B先生(=岡本圭生先生 名前を出して良いとのことで今回から実名を出します。)のところの定期受診日。例によって当直後、新幹線でクリニックに向かう。新幹線も正規で買うと、博多新大阪は指定席で15820円もする。いろいろ調べた結果、tabiwaトラベルで限定のぞみ号8000円という切符があった。半額ちょっとだからありがたい。少しクリニックに着くのは遅くなるがやむを得ない。どうせ午後はほとんどつぶれる。

 

排尿時痛、頻尿、出血の悪化傾向はまだみられる。どうやら放射線性膀胱炎のようである。出血に対しては、芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう 難読)の内服をしているが、出血はまだみられ、猪苓湯に替えている時もあるがもう一歩である。前立腺肥大症の薬であるシロドシンの内服は継続している。前立腺癌もなかなか大変な病気である。

 

クリニックは相変わらず盛況。今日は若干遅く来たので、診察は最後になったようだ。前回より少し空いているかな。事前の問診表で排尿痛や出血についても書いておいた。

 

懸案のPSAだが、1.794ng/mLと前回の減少から今回は増えていた。前々回の値よりは下回っているが、当分は3カ月での経過観察だなあ。テストステロンは8.20ng/mLと前回より少し増加。B先生いわく、必ず下がるから心配はない、痛みや出血については、放射線の影響で、膀胱頚部に脆弱な新生血管が出来ているためであり、膀胱癌の心配はないとのこと。(一応エコーで観察されてはいる。)今回は五淋散という漢方を処方された。

 

ところで、岡本先生は大学病院ではかなり苦労されたようである。その経緯が詳しく説明された本が出ている。

 

 
岡本先生は滋賀医大で講師を勤め、小線源療法を長くやっていて教授選に出たが、他大学出身の候補者に敗れてしまう。その後、小線源治療の寄付講座を担当するが、新しく就任した教授からいろいろ嫌がらせを受ける。
小線源療法は術者の優れた技量が求められ、十分な経験が必要である。(なおざうも、九州でも小線源療法を行う病院はあったのだが、術者の技量が心配であり、岡本先生を受診したのである。)
ところが、滋賀医大では、悪質にも患者に十分な情報を知らせないまま、経験のない医師に小線源療法を担当させようとしたのである。この暴挙を岡本先生は阻止しようとしたのだが、日本では組織に正当に異議を唱えても、組織の内部の人間はほとんど味方をしてくれない。長いものには巻かれろ。天皇制や自民党が未だにはびこるわけである。裁判では一定の成果を出したが、岡本先生は大学を追われることになってしまう。

 

地方大学の医学部というのは不思議な組織で、その大学出身者がたたき上げで教授になる場合もあるが、他大学の出身者が教授選で勝っていきなり教授に就任することもある。こうなると厄介で下手をするとそれまで勤めていた医局員がほとんどいなくなってしまい、診療科自体が崩壊することもある。

 

 

なおざうは大学の医局員になったことがないからよくわからないが、やくざ組織のような大変な世界である。自分の出身大学とは離れた土地で勤めていると、外様の医者なので気楽ではある。高い地位にはつけないけどね。

 

医者は技術者であるから、基本的にはつまらぬ気遣いをしなくても、どこでも食っていけるという点で魅力があるのだが、診療科によっては手術などでチーム医療が強く求められるから、大学から睨まれるとその地域で勤められなくなってしまうという事態もありうる。精神科はその点、基本的には一人で診療が完結するからよい。もっとも病院勤務であれば、他の職種のスタッフとの連携は必須である。しかし、管理者からつべこべ言われて気に入らなければ、医師の足りない別のところに移ることができる。

 

排尿時痛や出血もあるので、今回はお酒は控えめにした。がんこ寿司という店。チェーン店だがなかなか良心的である。大阪はやっぱりいいね。

 

ショパン op.64-1 「子犬のワルツ」

 

バッハの平均律に戻るのもまだ気が進まないし、久しぶりにショパンを弾きたくなった。子犬のワルツ、まだ挑戦したことがなかったので、やってみることにする。あまりに有名な曲で間違えたらすぐわかるし、それほど速く弾けそうもないので、いままできちんと取り組んだことはなかった。

最初の前奏、3小節目からは、ソラドシを1つの塊としてとらえるといいのかな。ヘミオラというんだっけ。5小節目からの左手の伴奏。1拍目をしっかり弾き、2拍目3拍目は軽く。すばやく移動しなければならない。子犬のワルツに関しては、いろいろな解説書があるが、5小節目から20小節目まで、左手だけ練習してしっかり暗譜するのが良いとする記事もあった。そうすれば、確かに右手に集中できる。24小節目‐26小節目、3拍目の休符に注意。32-34小節目も同様。この部分、音符が飛ぶのでどうしても遅れがちになる。メトロノームを利用して合わせるように先生から指示があった。♩=160位では弾きたいところだが、せいぜい140強位かな。

 

中間部、特に左手が音が跳ぶので難しい。左手、2拍目、3拍目すばやく、そして強くならないように。42小節目から44小節目、右手ヘミオラ、すばやく。46小節目からの右手の前打音。すばやくほとんど同時に主音も弾く。犬の鳴き声のイメージかな。後半、最後から5小節目のF(最高音)、注意をはらって良い音になるように。その後の下降音階、力を抜いてきれいに弾きたいものである。

 

大体は手が覚えてきたので、人前ではとても弾けないが、時々は弾いて楽しみたいものである。弾いて楽しい曲である。やっぱり名曲だな。

 

 

このところ、ピアノレッスンの記録をサボっていた。一旦、途絶えるとエネルギーがいるなあ。

原因はいろいろ。リコーダー熱が復活していて、ピアノの練習が疎かになっていることと、バッハの平均律が難しくて、大変ということもある。

簡単に備忘録としてまとめておく。

 

バッハ 平均律1巻 22番

 

 

 

 

 

前奏曲:練習曲風の前奏曲とは趣が異なり、重厚な多声音楽となっていて、味わい深い曲である。縦のリズムの合わせに気を取られて、横の旋律の流れを切ってしまわないように注意。速さは演奏者によってかなり差がある。グールドはかなりゆっくり演奏している。

 

フーガ:5声のフーガに初めて挑戦。とはいっても、5声全部が出てくる場所は限られる。技術的に保持できない音があるが、それは離して弾いて良いとのこと。弾いてみると、スケールの大きい宗教的な趣のある良い曲である。もちろん、難しいので滞りなく弾けるようにはなれない。

 

平均律も少ししんどくなってきたので、趣向を変えて、ショスタコーヴィチをちょっと弾いてみる。

奇妙にところどころ転調し、最初は変な感じがするが、弾いてみるとなかなか面白い。

 

 

ショスタコーヴィチ 

 

 

 

 

 

人形の踊りより

1.抒情的なワルツ

テンポの指示に注意して、演奏効果を考えて弾くように。ブルクミュラー終了程度で弾ける曲かな。心地の良い曲である。

 

4.ポルカ

最初のところが、クシコスポストにちょっと似ている。中間部、左手が細かく変化し、オクターブを超える部分もあって、なかなか弾きにくい。中級の曲だねこれは。ユーモラスで楽しい曲である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日はB先生のところの定期受診日。例によって当直後、新幹線でクリニックに向かう。せっかく大阪に行くのだから1泊したいところではあるが、JR西日本のwesterポイント500+16000円のJR西日本全線1日フリーパスがあったので、これを利用する。交通費がほぼ半額になるのはありがたい。ビジネスパーソン向けのSwork車両が予約できたのでそれを利用したが、電源は窓側席にしかついておらず、大したことはない。のぞみ号の5列シートは、座席が固く乗り心地も良くない。

大阪は万博のせいもあってか、ものすごく人が多い。暑さもあってクリニックに行く前に疲れてしまう。

 

前回受診以来、排尿時痛は悪化し、時に少量の出血もあった。前立腺の分泌液が出る時に出血しているように思う。座位で少量排尿する時、排尿時痛が強くなる。排尿時痛に対して、漢方薬の猪苓湯や清心蓮子飲を試したが効果は感じられず、かといって、ロキソニンを常用するのも嫌で、結局、前立腺肥大症の排尿障害の治療薬であるシロドシンを内服している。若干は良いようだ。出血に対しては、芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう 難読)が効いたという報告がネットにあったので、それを服用している。婦人科系の出血に効果があるようだが、その他の骨盤系臓器にも有効なのか、出血はおさまっている。

こういった症状の悪化と、PSAが2回上昇していることから、局所再発しているのではという不安も少しある。

 

クリニックは相変わらず盛況。患者の家族なのか、女性の姿も複数あった。例によって採血のあと診察。事前の問診表で排尿痛や少量の出血も書いておいたが、追加の尿検査の指示はなかった。

 

さて、心配していたPSAだが、0.917ng/mLと前回より半減していた。テストステロンは6.30ng/mLと基準値内。今回ちょっと心配だったと伝えると、B先生いわく、「局所再発などないし、他の転移部分で再発した場合は、数値が指数関数的にあがるから、前回の上昇も心配ではなかった。グリーソンスコアも4+4だからね」と。排尿時痛や微量の出血については、治療の副作用だが、そのうち軽快するでしょうと言う。

 

次回はまた3カ月後。PSAの上昇傾向がおさまり、当面は再発がなさそうなのでかなり安心した。

 

例によって、京橋の居酒屋に寄り、さらには広島で途中下車してカキやアナゴを食べて帰宅した。受診の結果に一喜一憂しても仕方ないとは思うのだが、今日はお酒がおいしかった。

 

 

 

 

 

バッハ平均律1巻21番

 

前奏曲

全部で20小節しかない短い曲だが、印象深い曲である。

 

前半部、右手のアルペジオ、1の指が強くならないように。最初は和音で弾いて練習する。3小節の後半、4小節の後半、32分音符の単旋律連続は、左手と右手の受け渡しをスムーズにして、切れ目なく弾かなければならない。10小節も同様。11小節から後半に入り、曲調が変わる。両手の重厚な和音から、32分音符の単旋律の連続がくりかえされる。両手の和音が微妙に変化して難しい。(特に17小節、18小節。)

最後の左手と右手が絡み合って上向していく部分、弾いていて気持ちが良い。きちんと速く弾くのには相当練習が必要だと思う。(もちろん弾けていない)

 

フーガ

 

3声のフーガ。主題と対位旋律1、対位旋律2の組み合わせが、曲の基本的構成となっており、構成はわかりやすい。しかし、左手が2声を担当する部分はかなり弾きにくく、テンポを守って弾くのはなかなか難しい。しかし、対位旋律1の8分音符同音4つ(7,11,15小節など)は、曲に舞曲的な躍動感を与えており、弾き込むとなかなか良い曲である。

 

 

ところで、最近、国立国会図書館のデジタルコレクションを利用しており、著作権が切れたり絶版となった本が閲覧できる。

レッスンの友という雑誌には、バッハ平均律の各曲の解説が載っており、時折参考にしている。

 

以前言及したことのある長岡敏夫先生の「ピアノの学習」も閲覧できる(新訂版の他、その前の版もある。)アンリ・エーの「精神科マニュエル」もある。入手困難な本が閲覧できるのは、本当にありがたいことである。

 

 

 

バッハ平均律1巻 6番

 

前奏曲

 

 

 

左手8分音符、右手16分音符の三連符の連続。それぞれが独立して動いていく。左手は右手につられず、しっかり刻んで明確に弾かなければならない。左手の同音連打、指を替える弾き方もあるようだが、できるだけ分かり易く同じ指で弾くことにした。

6小節の初めまでが一つの区切り。右手はフレーズを意識して弾く。右手は動きが大きいので、鍵盤を見ることも必要になるということは、暗譜が必要となる。練習しているうちに暗譜してしまった。

10、11小節が難所で、右手が急に高音部に上がり細かく動くので、しっかり暗譜して移動の準備をする必要がある。ここがスムーズに弾けるとカッコイイ。14小節の右手、低音域で細かく変化するのでやはり大変。

15小節から曲の後半となる。20小節後半から23小節、左手が2声となり難しい。そして最後の和音、ほっとしてテンポを遅くしすぎない方が良いか。

 

この曲は練習が楽しく、いつもよりは仕上げることができた。

 

フーガ

 

 

主題と主題の逆行形がはっきりしていて、構造がわかりやすく、テンポも速くないため比較的弾きやすいと感じた。

2小節3拍目などのトリルは、奏者によっていろいろ弾き方があり、ソーラソラソファソと弾いている例もあるが、ラソラソラソファソと弾くことにした。18小節から19小節、中声部に主題があり、浮き上がらせるのが難しい。34小節から39小節初めまで、左手の8分音符の和音が切れないように。しっかり掴む必要があるな。最後の部分はフォルテになることに注意。

 

この曲も弾きこむと、なかなか味わいがあってよい曲である。

 

5月末、B先生の定期診察を受けた。例によって当直明けですぐ大阪に向かう。JR西日本がwesterポイントのキャンペーンをやっていて、博多から新大阪まで3990ポイントで新幹線を利用できたのでそれを利用した。新幹線も便利だが高いからね。最近は大荷物の外国人が多く、しかものぞみ号の普通車は5列席なのでかなり辛い。

クリニックはかなり混んでいて、採血の後結果が出る時間もあるので、結局は2時間以上はかかってしまう。このところ排尿時痛、尿意切迫感、頻尿がさらに悪化して結構辛い。放射線治療による前立腺炎なのだろう。漢方(猪苓湯や清心蓮子飲)を内服してみたが、たいした効果はない。とはいっても、ロキソニンなどの痛み止めを使うほどではない。心配していたPSAも1.959ng/mlとかなり上がっている。やれやれ。B先生は想定の範囲内だと何事もないように言う。前立腺内での再発は全く想定しておらず、再発するとしたら、治療前からあった微小転移のためであり、一旦PSAがかなり下がってしばらくしてから上がる場合は心配だが、なおざうの場合はそうではないと考えているようだ。

次回は3ヶ月後。例によって京橋で飲んで帰ったが、おいしさはもう一歩だった。

平均律を再開して3曲目。13番にする。♯がたくさんついていて、以前ならそれだけでうんざりしたろうが、さすがにそんなことでは驚かなくはなっている。

 

前奏曲


 

平均律1巻、1番、2番、5番の前奏曲に比べ、この曲はアルペジオによる和声の動きより、旋律的な動きが中心となり、左手の8分音符が中心的な旋律の働きを持っている。右手が左手より1拍遅れることが多いが、弱拍なので目立ちすぎないように注意すること。5から6小節目、14から15小節、17から18小節、29から30小節に、定型的な終結の形式ができていて、曲の構造がわかりやすい。

 

♯が6個もついていて、黒鍵を全部使用するし臨時記号もところどころあるので、どの鍵盤を弾いたらいいのか一瞬とまどってしまう。事前に指番号をしっかり決めておく必要がある。そうして準備しても、音が細かく変化してミスしやすく、音を並べるのが精いっぱいである。強弱をつけたメリハリのある演奏にはほど遠い。そうはいっても、平均律の前奏曲の中ではかなり平易な方である。こっそりとどこかのストリートピアノで弾きたいものだが、暗譜するのは大変だな。

 

フーガ

さて、フーガが難敵である。大部分は右手が上声と中声を弾くので、分かりやすくはあるが、細かく変化して容易ではない。1小節目の主題のトリルはドーレドレドと弾いている例とレドレドレドと弾いている例があるが、前者の弾き方でトリルの弾き方を統一した。5小節の右手、5の指でC♯を保持しながら、中声部を弾くのが難しい。8小節も右手面倒。どの指を保持してどの指を離すのか悩んでしまう。15小節もトリルを弾きながら2声を弾くのは厳しい。20小節から21小節は左手に主題が出てくるが、右手の2声が絡み合って弾きにくい。左手は1声を担当することがほとんどだが、16分音符での細かい動きが多く、やはり大変である。28小節の4拍目は、中声の主題を左手で弾くが、1、2の指でトリルを弾きながら、途中、5の指で下声を弾くのが難所。弾きにくい箇所が次から次へとある。片手ずつ何度も練習して1カ月以上かけても、一度通して弾くと、数10回ミスが出るという状態である。国語の授業で不出来な子の本読みを聞かせられる以上に、聞いている方は拷問であろう。ピアノの先生も大変だ。実力以上の曲を弾いてごめんなさい。自分の録音を聞き返してもさすがにつらい。それでも、右手がほとんど2声を担当していて、構造がわかりやすいこともあって、平均律のフーガの中では易しい部類に入る。恐るべし平均律。

でも、練習すると曲の構造が分かって、興味深く演奏を聴くことができる。

 

 

 

Scott Rossのチェンバロの演奏が秀逸である。

 

 

 

 

リコーダーはアルペジオで演奏する以外、和音の表現ができない。このため、基本的には伴奏や重奏が必要になってくる。一人でも完結するギターやピアノとの大きな違いである。

 

もっとも、無伴奏のリコーダーの曲もわずかながらあり、また、他の楽器用の曲をリコーダー用に移調、編曲して無伴奏で楽しむこともある。

 

無伴奏のリコーダー曲では、17世紀に活躍したヤコブ・ファン・エイクの「笛の楽園」が有名である。曲集に収められている約150曲の大半が無伴奏の曲である。テーマの後、細かく2021年に50歳で急逝された江崎浩司氏が全曲録音しているようである。

 

 

楽譜は現在IMSLPで無料で入手できる。15年位前に購入したが、結構高かったように覚えている。曲はあまりに大量にあって、良い曲ももちろんあるが、正直、あまりなじめない曲もある。テーマを楽しむだけなら何とかなるが、だんだん、テーマが細かく変奏されていくので、それを淀みなく演奏するには相当な技術が必要となる。この曲集から気に入った曲を何曲か演奏することになるのだが、それはスカルラッティの膨大なソナタから佳曲を選ぶような作業に近い。

 

他の楽曲用の無伴奏曲としては、バッハの無伴奏フルートソナタとパルティータ、無伴奏チェロ組曲が良く演奏される。

 

 

 

無伴奏の曲はあるものの、リコーダーにはやはり、チェンバロや弦楽器の伴奏やリコーダーとの重奏など、他の人と合奏した方が楽しめる。

とはいっても、合奏してくれる人を見つけるのは大変である。前にも述べたように、カルチャースクールで平日の昼間に参加するのは肩身が狭いし、初心者もいてかったるい。もっと専門的な合宿は、素人には敷居が高い。

 

そこで利用しているのは、recorder.jpのサービスである。

 

以前はリコーダーJPのCDつき楽譜を買っていた。チェンバロの伴奏がCDに収められていて、カラオケのように伴奏を聞きながらリコーダーを演奏するのである。伴奏のテンポもいろいろあるので、数冊購入して楽しんでいた。さらには会員になって、毎月CD付の小楽譜をもらっていた。マイナーな曲が多く、ほとんどは演奏しないまま積まれているが。(笑)

一人カラオケのようなものである。

 

最近またリコーダー熱が復活して、リコーダーJPのサブスクリプションを利用している。レギュラーコース、月1600円。CDをかけなくても、PCやタブレットで楽譜をみながら、伴奏を聴いて練習できるので利用しやすい。

月に一曲でもレパートリーを増やせれば元は取れるのだが、以前練習した曲ばかり演奏している。ルイエ、ヘンデル、マルチェロ、テレマン、ヴェラチーニの易しいソナタや、グリーンスリーブスなどである。

練習していれば、音を並べることはできるようになるが、フレーズを考えて、息継ぎやアーティキュレーションを工夫して音楽的に演奏するのは難しい。ピアノは楽譜通りに音を並べるだけでも難しいが、それができればそれなりに様にはなる。リコーダーはそうはいかず、音の質が求められる。緩徐楽章は楽譜通りに弾いただけでは面白くない場合もあり、即興的に装飾音をつけることになり、難易度はさらに上がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リコーダーは運指がわかりやすく、息を吹けば音が鳴り、楽器も安価なため、長年学校教育で取り入れられている。しかし、リコーダーという楽器の限界もあって、小中学校の後もリコーダーをやろうとする人は少ない。高校になれば吹奏楽部が主流となり、リコーダーは忘れられる。大人になってリコーダーをやろうとするのは、他の難しい楽器は無理だが、小中学校の時にやっていたリコーダーなら何とかなるかと考える「音楽弱者」が少なくないのではないか。もちろんなおざうもその一人である。

リコーダーの特性について挙げてみる。

 

1.音域が狭い。ソプラノリコーダーだと、通常の運指では、C5からD7まで。C7,D7の音は、息と親指のコントロールが難しく、なかなか出しにくい。このため、音域の広い曲は演奏できない。(フルートはC4からC7まで3オクターブ出せる。)

 

2.息の量で音程が変化する(強く吹けば音程が上がってしまい、弱く吹けば下がってしまう)ため、強弱がつけられない。音量が小さい。

(音量が小さいのは、周囲をそれほど気にせず楽しめるという長所にもなる。)

 

3.タンギングによるアーティキュレーションなどで、音の細かい変化をつけやすい。

音量で強弱がつけられないのだから、装飾音符や細かいアーティキュレーション、音の長さや高低の微妙なゆらぎ、息継ぎによるフレーズの構成などで表情をつけることになる。息を入れれば音がでるので、アーティキュレーションはつけやすい。

 

音量が小さいため、大勢の聴衆を集めて演奏会をするのには不向きである。音域が狭いことと相まって、バロックより後の時代の作曲家は、リコーダーを対象とする作品をほとんど残していない。

リコーダーは、少人数が集まり、皆で演奏して楽しむ楽器なのであり、バロック時代までが全盛期である。この点、チェンバロに似ている。商業向きでは全くない。

 

リコーダーを対象としたクラッシックの曲が少ないのは非常に残念である。

童謡、唱歌、歌謡曲、その他のポピュラー曲を演奏するだけではすぐに飽きてしまう。

 

当然、リコーダーの専門家は少ない。正確な人数は不明だが、リコーダーの演奏やレッスンで生活している人は、日本で100人いないであろう。曲が少なく、大勢を集めたコンサートもできないし、リコーダーを習うことにおカネを払おうとする人も少ないからである。リコーダーをきちんとした楽器と思っていない人も多いだろう。子供にリコーダーを習わせようとする親はほとんどいない。そもそも、東京や大阪の大都市圏以外では、リコーダーを専門家から習うのは難しい。

 

さて、リコーダーを習い始めてみると、これがなかなか難しい。

 

まずは、息を一定に出し、音程を安定させなければならない。音の終わりで息が弱くなり、音が下がってはいけない。

 

次に、曲のフレーズを意識し、息を途切れ途切れに吹くのではなく、一つのフレーズが続く間、なるべく息は出し続け、舌を使ったタンギングで音をさえぎりアーティキュレーションをつけることを意識する。

 

まず、息を一定の強度で出し続けるのが大変であり、タンギングでは口をあまり動かさないことが必要になる。

 

学校ではタンギングをトゥー、トゥーとすると習ったように覚えている。学校では、リコーダーに息を吹き込み、トゥー、トゥーとタンギングをして、楽譜通り指使いをすれば、それでAが取れたが、それでリコーダーが吹けるというものでは全くない。もちろん、タンギングをして、楽譜通りの指使いをするのは当然要求されるが。