映像研究会に入っている大学の友人に頼まれて書いたものです。

「シンプルイズベスト」

作石田尚暉

登場人物

羽生 男

高橋 男

宇野 男

町田 女

宮原 女

 

 

羽生「今から、ドラマ制作会議を始めます。」

 

羽生「じゃあまず、1人1人に作りたいドラマのイメージを言ってもらいたいと思うんだけど・・・、えーと誰から言ってもらおうかな・・。監督の高橋、どうだ?」

高橋「俺?俺かよ・・宇野、お前からにしろよ。」

宇野「えぇ?!俺っすか?」

高橋「当たり前だろ~?一番後輩なんだから。」

宇野「後輩こそ一番手になるべきじゃないと思うんすよね。」

羽生「じゃあ、町田は?」

町田「えぇ?!ウチ?初っ端とか荷が重いっていうかぁ・・。私じゃ役不足的な?」

羽生「的な・・?」

宮原「役不足の使い方間違ってるから。本当に大学生?」

羽生「まぁまぁ、じゃあ平等に今からドラマのイメージを誰から話すかを決める会議を始めたいと思う。」

宇野「ちょっと!会議の中で会議初めてどうするんすか。」

羽生「確かに・・!」

宮原「じゃんけんでいいんじゃない?」

羽生「そうだな、早いしじゃんけんで決めよう。」

町田「待ってよ、ウチじゃんけん弱いから嫌なんですけど~。くじ引きで良くない?」

羽生「確かに、じゃあくじ引きで・・。」

高橋「ちょいちょい!今からくじなんか作るの大変だろ。そこにあるトランプでババ抜きして決めようぜ。」

羽生「なるほど、一理ある。ならトランプを・・。」

村上「馬鹿野郎!ただでさえ時間ないのに悠長にババ抜きなんかしてられるか!!真剣に考えろよ!」

羽生「よし、ならドラマのイメージを誰から話すかを決めるための方法を決める会議をはじめたいと思う。」

宇野「決めること増えてるから!!」

羽生「しまった・・。」

宇野「やっぱり俺から行きますよ。」

高橋「最初っからそうしろよ・・。(小声で)」

(宇野 高橋を睨む)

宇野「僕はですね、学園ミステリーがいいと思うっす。突如部室で起きた殺人事件、犯人はだれなのか?みたいな。伏線を所々に張って回収とか最高っすよ!」

羽生「確かに!面白そうだ。よし、ミステリーで行こう。」

高橋「おいおい、会議始まったばっかりじゃん。何?そのミステリー?ってのも悪くないと思うよ?でもさ、誰がトリックは考えるの?」

宇野「それは・・脚本の宮原先輩が・・。」

宮原「え?!私?トリックなんて無理よ!」

高橋「ほら、それに学園ミステリーなんてやりつくされてるよ。意外な犯人とか考えてるの?部内の事件って完全に犯人部員じゃん。」

宇野「か、考えてますよ・・。」

高橋「誰?」

宇野「宇宙人?」

高橋「そんなのミステリーじゃないだろ!宇宙人犯人でどうやって伏線張るんだよ!」

宇野「うっ・・。」

宮原「わ、私は、SFもいいと思います。私宇宙好きだし、神秘的っていうか・・・それに宇野君のアイデア好きですし・・。」(照れながら)

宇野「宮原先輩・・。」

村上「SFって?具体的には何かあるの?」

宮原「そうですね・・、宇宙戦争とか。」

村上「宇宙戦争?」

宮原「20xx年、地球侵略に乗り出した火星人。侵略を止めるために召集された少年たち・・みたいな。」

村上「なるほど・・。面白そうだね。まぁ・・、火星人はそんなに野蛮じゃないけどね。」

宮原「え、あ・・すいません。」

村上「怒らせたら危険かもしれないけどね。」

高橋「火星人の性格は知らないけどよ面白そうではあるよな。でもCGとか大変じゃないか?」

村上「そうだね、宇宙を地球で撮影するなんて不可能だからね。」

高橋「SFはどうでもいいとして、戦うっていうところはいいな。やっぱりここはアクションものだろ!」

宇野「またアクションですかー?!」

高橋「またとは何だ!またとは!!」

宇野「だって最近の俺らのドラマ・・『ダンボー 怒りの出席』、『ダンボー 怒りの欠席』、『ジャッキー・チュン』、『ジャッキー・チュン2』っすよ?アクション4連続っすよ?!まだ撮るんすか!」

高橋「『ジャッキー・チュン3』撮らないと。」

宇野「またジャッキーまだ続くんすか!」

高橋「馬鹿野郎!4まで撮影予定だ!!」

宇野「村上さーん・・。」

村上「しょうがないよ、高橋はアクションにしか興味ないから。」

宇野「筋肉馬鹿ですもんね。」

高橋「誰が筋肉馬鹿だ、おい!!」

村上「そうだよ、筋肉はいらないよ。」

高橋「それじゃただの馬鹿だろうが!!!」

町田「はいはーい、っていうかぁ、アクションとか汗臭くね?的な?ってウチ思うんすけどどう思います?」

羽生「的な・・?」

高橋「あ?汗臭いのがアクションのいいところだろうが。」

町田「はは、マジ切れ?ウケんだけど。」

高橋「何だと?!」

(町田を殴ろうとする高橋を村上が押さえる)

高橋「止めんな!止めんな村上!!」

村上「じゃあさ、町田さんはどんなジャンルがいいと思うの?」

町田「えー?ウチですか?ウチはー、恋愛もの?的な。」

羽生「的な・・。」

町田「お互いの気持ちに気づきながらも正直に伝えられないままでいる二人。そんでー、急に女の子の方が急に死ぬことになっちゃって的な?」

高橋「なんで急に死ぬんだよ!」

町田「高橋先輩急に怒んないでくださいよ~。なんで死ぬかは分かんないですけどぉ・・恋愛ものって大抵どっちか死ぬじゃん?不治の病的な?」

羽生「的な?」

町田「不慮の事故的な?」

羽生「的な・・。」

町田「ちょっとー、さっきから羽生先輩うるさいんですけど。耳障り的な?」

羽生「す、すまない・・的な?」

町田「ウケる。」

高橋「おい!恋愛ものは一番ないな。」

町田「えーなんで、なんでぇ!!」

高橋「やっぱりアクションだろ。」

宇野「ミステリーっすよ!」

宮原「SF!・・とミステリーがいいです!」

町田「恋愛!」

高橋「アクションこそ映画!!」

宇野「どんだけ筋肉馬鹿なんですか!」

町田「恋愛!!」

高橋「アクション!」

宮原「SF!」

宇野「ミステリー!」

(何回かこのやり取り続く)

町田・高橋・宇野・宮原「部長!!!」

羽生「じゃあ・・どれにするかの会議を・・。」

宇野「それを今やってんでしょうが!!」

村上「まぁまぁ、みんな落ち着いて。じゃあこういうのはどうだい?今まで出た案を全部入れ込んだドラマを作るのは。」

高橋「は?」

町田「村上先輩本気ですかぁ?」

村上「うん。SFかつミステリーかつアクションかつ恋愛もののドラマを作ろうじゃないか。」

宇野「さすがにそれは無理っすよ。」

村上「出来るさ。」

高橋「村上、お前本気で言ってんのか?」

村上「もちろん。」

高橋「俺はドラマ作りが好きだ。だから本気ならアクション以外でもいいと思ってる。」

宇野「それは嘘だ・・。」

(高橋 宇野を睨む)

高橋「でもだ、ふざけて制作に臨まれるのは・・許せねぇ。」

村上「はぁ・・。本気だってば。」

高橋「・・。お前がそんな奴だったとは思わなかった。」

村上「分からずやだなぁ、高橋は。これだから筋肉馬鹿はさ。」

高橋「この野郎・・!」

(高橋 殴りかかる)

(村上 高橋に向けて手をかざす)

高橋「何を・・うっ!!」

(高橋 心臓をおさえて倒れこむ)

宇野「え?!」

宮原「きゃーーー!!!!」

町田「何これ・・。」

村上「僕・・実は火星人なんだよね。」

宮原「え、え?!」

村上「今火星では地球侵略計画が進んでるんだ。僕はそのスパイとして送り込まれてたんだよ。」

宇野「村上さん、高橋さんも冗談きついっすよ・・。」

村上「本当のことだよ、隠しててごめんね。」

宮原「そんな・・。」

村上「怒らせたら危険だって言ったでしょ?」

宇野「そんなの信じられないですよ!!」

村上「じゃあ、宇野くんも体験してみるかい?」

(村上 宇野に向けて手を向ける)

宮原「危ない!!!」

(宮原 宇野をかばって倒れる)

宇野「宮原先輩っ!」

(宇野 倒れる宮原を抱きかかえる)

宮原「宇野君・・ずっと言えなかったけど・・私、宇野君のこと・・。」

宇野「分かってます。俺も好きでした。」

宮原「うれしい・・ありがとう。」

(宮原絶命)

宇野「宮原先輩!!」

町田「まじありえないんすけど・・。」(スマホカメラで写真撮りながら)

(村上 町田にも手を向ける)

町田「うっ!」

(町田絶命)

宇野「この野郎!!」

(宇野 村上に殴りかかる)

(宇野と村上格闘の結果宇野が負けて絶命)

村上「宇宙人に勝てるはずないのに・・。」

羽生「・・村上。お前の言ってることが本当かどうかを決める会議を・・。」

(羽生 椅子から後ろに倒れて絶命)

村上「本当に羽生は会議馬鹿なんだから・・。さぁ侵略開始だ。」

(黒背景に完の文字。だんだん離れて行って、テレビの画面になる。そのテレビを見る部員達)

高橋「いや、これは・・。」

全員「無いな。」

おわり