与える
みのりは40代の女性である。
彼女はシングルマザーで娘は高校生である。
彼女は三度の離婚を経験している。
現在はは外資系の会社でバリバリと働き、
娘を養っている。
彼女は若い頃から積極的な性格で、向こう見ず
なところもあった。
恋愛も活発で、好きになるととことん彼女の方
から積極的になった。
でも恋愛期間は大抵短く、数週間や数日という
こともあった。
それでも彼女はあまり気にしていなかった。
また次の相手を探せばいいことだった。
娘を産んだ相手とは一番長く続いた。
このままずっと一緒にいることができるかもと
思い、出産を決意した。
それでも娘がまだ幼いうちに別れる道を選んだ。
彼女はいつも相手の中に特別な何かを見ていた。
それが彼女自身を完全にしてくれると思っていた。
でも三度の離婚を経てからは、誰かの中に特別な
部分を探すことをやめた。
それはいつも彼女に幻滅をもたらし、決して幸せに
導いてはくれなかったからだ。
彼女は自分自身を愛することを心がけるようになった。
外的なことだけではなく、内面的なことだった。
自分の中に完全さを自覚できるのなら、それを外側に
探す必要もない。
そして何かを受け取ることはばかりを考えるのではなく、
自分が与えることを意識するようになった。
その方が現実はうまく回っていくようであった。
彼女は次の結婚相手を探さずに、今は自分の内面と
向き合っている。
愛しい我が子を育てながら、自分自身を育てている。
