$趣味探しで始めるリア充な暮らし ~ 趣味がないなら試せばいいじゃない~
大人の趣味の定番といえば、鉄道模型(Nゲージ)。幼少時代、大型デパートに設置された本物さながらの電車・線路・風景を再現したジオラマを見て、憧れを抱いた方も多くいらっしゃることでしょう。今回はそんな魅力たっぷりなNゲージの入門セットを楽しみ、その後本格的なレイアウト(ジオラマ)制作にもチャレンジします。


■ 鉄道模型(Nゲージ) とは
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鉄道模型とは、鉄道車両・線路・その周辺の情景を再現したミニチュア模型です。実際に線路上を走行させることができます。また、それをさまざまな角度から見て楽しめます。レールの間隔が約9mmであることに由来したNゲージと呼ばれる規格が最も普及しています(NはNineの意味)。動力はモーターであるものがほとんどで、家庭用コンセントさえあればいつでも走行可能です。また、車両と線路がセットになった入門セットが各社から販売されており、手軽に入手できます。更に、本格的な風景を作りたい人向けに情景部品が別売りされています。駅舎や信号機・踏切・ポイントなどを追加購入すれば、車両の運転がより楽しくなります。レールを固定して草や石を接着した大型デパートさながらの本格レイアウトも可能で、幼少時代の夢を実現できるのです。


■きっかけ
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まだ私が小さかったときに大型デパートへ出かけた時から鉄道模型への憧れが始まります。「わーすごい!」とガラスに張り付いて鉄道模型を見に行ったことをいまでもよく覚えています。プラレールという鉄道おもちゃが自宅にありましたが、Nゲージがおもちゃと違うということは小さいながらにわかりました。リアルで小さくてかわいくてかっこいい鉄道模型がほしいと、両親にねだりましたが「まだ子どもには早いよ」と却下されましたね。
そんな私もいまは社会人1年目。新人だけど、もう立派な大人になりました。経済的にも余裕がでてきたし、鉄道模型をやって、幼少時代の夢をいまこそ叶えるとき!というのがことの発端です。


■用意するもの
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Nゲージ製品の大手メーカは、TOMIXとKATOの2社です。規格は統一されているため、TOMIXの車両をKATOのレールで走行させたり、その逆も可能です。しかし私は、なんとなーく統一感を求め、ほとんどの製品をTOMIXで統一してみました。TOMIXを選んだ理由は特にないのですが、おもちゃで有名なTOMYの関連メーカということで安心感を抱いたのでしょう。ちなみに、KATOの品質も確かであり、どちらのメーカを選んでも困ることはなさそうです。
まず、車両と線路・制御装置などがセットになった「ベーシックセットSDブルートレイン2」を入門セットとしてチョイス。情景部品は、ジオラマを作るベースとなる「レイアウトベースキット」、入門セットでは足りないレールやポイント、樹木、接着剤、線路周辺に巻くバラスト(小石)、カラーパウダー、塗料、パテ、線路を固定する釘、自動車、人物・動物、駅舎を購入しています。総額で3万円程度となりました。なかなかの出費ですね。


■検証方法
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まずは車両と線路の入った入門セットを購入し、手軽に鉄道模型に親しむことにしました。

が・・・

それだけだと「セットに同梱された楕円状の線路を車両がぐるぐる回るだけじゃね?」と思ってしまいました。私の性格上、きっとすぐに飽きてしまうだろう、と容易に想像がついたので、風景を再現する情景部品も追加購入し、本格レイアウト(ジオラマ)を制作することにしました。


■やってみた
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~線路・車両セット堪能編~
それでは早速、鉄道模型の世界に入りましょう!まずは、線路・車両などがセットになった入門セットのみで楽しみます。

セット内容は、以下のとおり。
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・車両
⇒ブルートレイン5両(モーター車×1、客車×4)の完成品が同梱されています。
・レール(線路)
⇒畳一枚分くらいの大きさで楕円を組み立てることができます。
・パワーユニット(制御装置)
⇒家庭用コンセントからレールに電気を流すためのコントローラです。電車のスピードはこれで調整して運転します。レバーを手前に引くと前進します。
・DCフィーダ
⇒パワーユニットと線路を接続するケーブルです。
・リレーラー
⇒線路上に車両を乗せるためのガイドです。車両をリレーラー上で転がすだけで簡単に線路上に車両を設置できます。
・解説書
⇒初心者を意識したわかりやすい取扱説明書が付属しています。

以上、これだけあればひと通り走行を楽しむことができます。

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解説書通りに線路を組み立てます。線路と線路をつなぎ、畳1畳分くらいの楕円状レイアウトを作ります。その後、DCフィーダでパワーユニットを接続し、パワーユニットを家庭用コンセントに接続します。最後にリレーラーを使って線路上に車両を配置、線路上で車両を連結します。たったこれだけで準備完了。解説書を見ながら10分くらいで素人でも迷うことなく簡単に準備ができました。意外と敷居が低くてびっくりです。さすが入門セット!

早速運転開始。パワーユニットのスイッチを入れ、レバーを少しずつ手前に引くと、小さくてかわいくてかっこいいブルートレインが動き出しました!!

感動!!

幼少時代の夢が、ついに自宅で実現しました!

くるくると周回するミニチュア鉄道を眺めていると、嫌なことなんか忘れられちゃいますね。床に這いつくばって、カーブからやってくる車両を目で追いかけるだけで幸せです。思わずカメラを取り出して撮影会を一人で敢行しちゃいました。しかも、車両が線路のジョイント部分を通過すると、本物さながらに「ガタンゴトン」と音を立てていくので、もうほんとかわいくてずっと見ていられました。





30分経過





あーーー!!

何事か、って感じですが、さすがに飽きました。最初はものすごく感動したけど、さすがに厳しいです。だって、30分眺めてても楕円状の線路上を周回しているだけなんだもの。本当にそれだけ、って感じ。

「最高スピード!!」とか言って、パワーユニットのレバーを最速に設定して脱線寸前にしてみたり、「オフロード!!」とか言ってふとんの上に線路を敷設してうねうねさせたりと、子ども地味た遊び方をおっぱじめちゃうくらい、変化のない30分。

「1万円」=「楕円周回ブルートレイン」

うーん、なんか納得できないなあ(笑)


~レイアウト(ジオラマ)制作編~
ここまでは、想定の範囲内。楕円状線路の周回では飽きてしまうことくらい、織り込み済みでした。だから、情景部品も一緒に購入しておき、本格レイアウトを作ることにしていたのです。

実は私自身、レイアウト制作がやってみたくてNゲージを始めたようなものです。かわいい箱庭に憧れていたんです(笑)

・・・ですが、ここでひとつがっかりなこと。それは注文していたレイアウトベースキットが想像より大きかったこと。写真をご覧いただくとわかるのですが、42Vテレビよりも大きい梱包で届きました。材質は発泡スチロールなので軽いんですが、場所を取るということに落胆。6畳1間にこれはデカイぞ。

・・・と、文句を言っても仕方ないので早速レイアウト制作開始です!

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レイアウトベースキットを開梱します。レイアウトベースキットは、予め山・湖・谷・橋などの地形が完成されていて、線路を敷設し、草・土・石・駅などを敷設するだけで一定程度のクオリティーが保証されている画期的な土台です。しかも、レイアウトベースキットにもわかりやすい解説書がついていて、これに従っていけば本格レイアウトが完成できます。どの部品をどこに敷設するか、といった具体的なところまで解説書に明記されていて親切だと感じました。

まず、橋を両面テープで固定し、線路を敷設します。その後、試運転を行い、壁やトンネル天井部に車両が衝突しないことを確認します。線路敷設位置が確定したら線路を釘で固定します。材質が発泡スチロールなので線路は指で簡単に固定できました。

ちなみに、線路の敷設には案外、時間がかかりました。例えば、レイアウト右側の線路位置を修正すると、線路は全部つながっていますので、レイアウト左側の線路位置も微妙にズレてしまいます。「あ、左がずれちゃった」と思って左を修正すると今度は右が・・・というイタチごっこを数回繰り返し、ようやく納得できる線路位置になりました。このあたりの作業を楽しいと思えるか、面倒だと思えるかは、各人の性格によるのでしょうかねえ。

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続いて、シーナリーバラストという情景部品を使います。普段、電車を利用する方は見たことがあると思いますが、本物の線路はたくさんの石で固定されていますよね。あれの鉄道模型版がシーナリーバラストです。どうやら線路を固定するあの石のことを鉄道専門用語でバラストと呼ぶみたいです(ちなみにシーナリーとは「情景」という意味の英語です)。

まず、線路周辺にシーナリーボンドをスポイトで塗布します。シーナリーバラストを普通紙に乗せて、線路周辺に少しずつまいていきます。まき終わった後、バラストの上から再度、ボンドを垂らしておきます。
駅周辺は、バラストをまく前に駅をボンドで固定しておきます。駅を固定する際は、車両とプラットフォームが干渉しないことを確認します。
バラストをまくと、だいぶ雰囲気がでてきますね。固定レイアウトの特権でしょうか。

ちなみに、ボンドは白色で、匂いは完全に木工用ボンドです。ですから、木工用ボンドでも代用できます。ボンドはあらかじめ水で薄めておき、ちょっと「ビチャビチャッ」って感じにしておきます。

バラストまきも一苦労でした。別にこぼしたつもりはないんですけど部屋中の床がバラストでじゃりじゃりしてしまい、掃除機で何回も吸い取るはめに。ボンド乾くまでにも半日程度かかり、その間は木工用ボンドの悪臭に悩まされます(笑)
更に、ポイント部分やDCフィーダ取付部にはバラストをまかないように細心の注意を払わないと、車両が走らなくなります。まく前に、部屋の環境や線路の状態をよく整えてからまいてくださいね。

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次にカラーパウダーの敷設です。緑色の粉をレイアウトベースキットに接着していきます。カラーパウダーの敷設方法は、シーナリーバラストとほど同様です。敷設を進めていくと、草の感じが出て、いよいよ箱庭らしいレイアウトになってきてうれしかったです!!
茶色のカラーパウダーも購入していたので、駅前広場と山に向かう道路は茶系にすることにしました。これも雰囲気がでて、とてもよいです。

その後、湖を塗装します。筆で塗料を多めに取り、しっかり塗っていきます。

塗料はだいぶ臭いです。シンナー系の塗料を扱う場合は部屋の換気に十分注意してください。木工用ボンド臭とは違い、非常に危険です。

最後に木を生やし、人物・動物、自動車などを配置してレイアウト完成!!わーい!!

早速、本格レイアウト上を走行させてみましょう!!

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まず、レイアウト全景です。山・平地・湖・谷など、すべての地形がこの箱庭にまとまっています。

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駅舎付近を走行する様子です。自分の制作した本格レイアウト上を走行させるのはとても感動的です。

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駅前広場です。地面は茶系のカラーパウダーを使っています。人物をシーナリーボンドで固定し、駅前感を出しています。

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パワーユニット部。もともとレイアウト上にパワーユニットを設置する場所があるのですがサイズが合わず、設置出来なかったので、発泡スチロールをカッターで加工し、取り付けられるようにしました。DCフィーダ取付部にシーナリーバラストをまいていないのも、この写真を見ればおわかりいただけるでしょう。

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橋・湖の風景。画になりますなあ!

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これが一番お気に入りの情景。橋から田舎駅を望み、付近には馬が放牧されています。電車はこれから発車していくのでしょうか・・・。





1時間経過





あーーー!!

やっぱりちょっと飽きちゃいました(笑)
結局は、レイアウト上をくるくる回っているだけなんだもん。

本格レイアウト制作自体は非常に楽しかったです。本当です。日々、完成に近づいていく姿を見て、早く自分の本格レイアウト上を走行させたい!早く家に帰ってレイアウトを作りたい!と思っていたのは事実です。しかし、完成してしまった後は、走らせる以外にやることがありません。 おそらく、途中から「鉄道模型の世界を楽しむ」という目的から「本格レイアウトを完成させる」という目的に変わってしまったのでしょう。鉄道模型が楽しかった、というより工作が楽しかった、ということなのでしょう。

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最後になりましたが、保管はこんな感じです。材質が発泡スチロールで軽量なため、写真のように壁に立てかけることができます。とはいえ、42Vテレビ程度のサイズはあるので、保管場所の準備には苦慮すると思います。


■ 鉄道模型(Nゲージ) のいいところ
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1.大人のたしなみを味わえる
高価で精密に作られている車両や情景を眺めていると、とても幸せな気持ちになれます。

2.癒される
ミニチュア鉄道で心を十分に癒してください。自分の好きな角度・情景にカメラを設置し写真を撮るのもよいでしょう。現実世界から逃避できます。

3.家でできる
鉄道模型を楽しむために遠くへ外出する必要はありません。自宅で一人で没頭できる趣味です。


■ 鉄道模型(Nゲージ) のダメなところ
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1.高価
入門セットだけでも1万円。本格レイアウトをしようと思えば更に費用がかかります。

2.飽きる
私はこの理由で鉄道模型を批判することになってしまうのですが、結局のところ、車両が線路上を周回するのみで、それ以上でもそれ以下でもありません。初めはかわいい車両が動くだけでうれしいんですけど、時間が経つに連れ、うーん、なんだかなあ、という気分になってきます。対費用効果で鑑みても3万円の予算に対し、線路上の周回のみではリターンがなさすぎます。私の性格上、趣味というのは自分が何か行動して初めて成り立つものであり、完成されたものをただ見てるだけ、というのではちょっと物足りないのです。まあ、まだまだ子どもだったということですかね。社会人1年目が大人の趣味に手を出すのには時期尚早でした。
ただ、本格レイアウト制作はとても楽しかったです。モノづくりには興味がありましたので。

3.入門セットでは物足りない/ジオラマ制作・管理は大変
1万円程度のセットだけでは自宅の床を周回するのみで雰囲気なんて出ませんし、かといって本格レイアウト(ジオラマ)を作るには、それなりの費用と労力が必要です。また、ジオラマ制作にあたっては一定程度の技術も必要です。手先の器用さやボンド・塗料の取り扱い、細かな作業が多くあります。保管場所も考慮する必要があり、 同居人に理解を得る必要もありそうです。


■こんな人におすすめ
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1.鉄道が好きな人
好きな車両を好きなように走行させることができます。鉄道ファンにはたまらない趣味となることでしょう。大好きな風景を切り出して本格レイアウトにすることもできます。

2.模型工作が好きな人
レイアウト(ジオラマ)制作が前提になりますが、モノづくりに興味があれば楽しめると思います。

3.同居人・家族の理解が得られる人
保管場所の確保・費用の捻出などに一定の理解がないと、この趣味を続けることは難しいです。


■総合評価
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今回は、若干低めの評点となりました。初期投資が多く始めにくいこと・線路上の単純な周回のみで発展性がないことなどが大きな要因です。しかし、自宅の箱庭にかわいくてかっこいい鉄道模型が走っているということはステータスになりますし、自慢になると思います。眺めているだけで癒される鉄道模型をあなたも始めてみてはいかがでしょうか。


■おすすめサイト
鉄道模型 TOMIX 公式サイト(トミックスワールド)
http://www.tomytec.co.jp/tomix/

KATO
http://www.katomodels.com/

鉄道模型専門店ミッドナイン
http://www.mid-9.com/index.htm