売れてもあまり気分の良くない3連勤。店舗のマネージャーからの圧力と嫌味のせいもあるけれど、体調的な問題もあった。

一昨日は青梅駅で一服しようとしていたら、下血してしまってズボンを履き替えに徒歩30分弱の道を往復するハメになった。

履き替えたズボンが夏用だったので寒かったけれど、仕事を終えて帰宅したらこれも赤く染まっていた。

特にきっかけがあるわけではなく、ジワジワと出てくる下血なので貧血になるほどではないけれど、黒いズボンが赤く染まるほどの出血。

これ、売り場ですでになっていたのかは不明だけれど、目立たなくて気づかれていないだろうと思い込むことにした(笑)

そんなこんなで迎えた今月初の2連休。
シネマネコさん、12:25上映回を鑑賞しに行った。

いつもの人がいつもの笑顔で迎えてくれ、僕の最終来館日のことなどを話したりした。

また来れるとは思っていても、毎週のように通った場所へしばらく来れなくなるのは寂しい。

そして今日もいつものB-5の座席。

怪物
草むらの中を歩く何者かの足は、川の対岸を走る消防車に向いていた。
上諏訪の街を走る消防車は、燃え盛る雑居ビルに向かっていた。
湖のほとりのその街は、その夜、この火災によって騒然としていた。

自宅マンションにいた麦野は、小学5年生の息子の湊をベランダに呼んだ。
そこから見えるビル火災。
その様子をベランダから見ながら、息子の湊は母に「豚の脳を移植した人間は、人間?豚?」と問いかけてきた。
担任の保利先生がそうゆう研究があるという話をしていたと言う。
「最近の学校は変なことを話すんだね~」
そう応えながら、放水の始まった様子を見た湊の母は「がんばれー!」と叫んでいた。

湊の母はクリーニング屋で働きながら、湊を育てていた。
クリーニング屋にきたママ友から、雑居ビルの中にあるガールズバーに保利先生がいたという話を聞かされるが、それはいわゆる世間話に過ぎなかった。
しかし、その日以降、普段と様子の違う湊がいた。
ハサミで髪を切っていたり、スニーカーの片方がなくなっていたり、水筒から泥水が出てきたりするので、いじめられているのではないかと心配になっていたのだ。
そんな日々の中、湊の母はケーキを仏壇に供え、亡き夫の誕生日を湊と祝った。
「お父さん、生まれ変わったかな?」
そんな湊の問いかけに応えながら母は、「近況報告しな」と言った。
母に聞かれたくないと言って母を遠ざけた湊は、一人仏壇に向かって語り出した。
そんなある日、夜になっても帰ってこない湊を心配した母は、思い当たる人へ連絡し、その情報をもとに車で湊を捜し回り、鉄道の廃線跡の入口で湊の自転車を見つけて中へ入っていった。
木の生い茂ったその場所の奥にはトンネルがあり、恐る恐るその中へ入っていくと、スマホのライトをかざしながら「かいぶつだーれだ」と叫ぶ湊を発見するのだった。
湊は耳を怪我していたが、とにかく見つかったことで母は湊を抱きしめると車に乗せた。
車の中で湊に話しかけ続ける母。
「パパに約束したからね。湊が大人になって家族をもつまで、ちゃんと育てるって」
特別でなくていい、普通の家族をもって欲しいという母の言葉を聞いた湊は走行中の車のドアを開けて、飛び降りてしまう。
慌ててブレーキを踏み、路肩に突っ込んだ車から降りて、湊のもとへ走る母。
そのまま病院へ行き、精密検査を行うが幸い軽傷で済んだ湊。
病院からの帰り道、母に「レントゲン見た?」と訊いてきた湊は「僕の脳は豚の脳なんでしょ?」と続けた。
「誰がそんなこと言ったの!?」
母に問い詰められた湊は「保利先生に言われた」と答えていた。

翌日小学校を訪れた湊の母は、校長に事情を説明するが教頭たちがやってくると入れ替わりで出て行ってしまった。
「校長は先日、お孫さんを事故で亡くされまして、その用件で・・・」
その対応に愕然としながらも、別の日に再び学校を訪れる湊の母。
そこには校長や教頭だけでなく保利もいたが、明らかに言わされているというようなたどたどしさで謝罪するのみで、校長なども同様で、一斉に頭を下げるのみだった。
その会談の後半、教頭などの静止もきかずついに保利が自分の言葉で話し出した。
「母子家庭あるあるですよ」
湊の母の行動を過剰な反応だとする発言に、その場は紛糾してしまう。
数日後、小学校を訪れた湊の母は、校舎裏に保利の姿を見たが、通された校長室には保利はいず「外出している」と言われた。
「鼻と手が接触したという事実は確認しました」
その答えに怒った湊の母は「殴るのと接触とは違うでしょ?」と問い詰めた。
あまりの対応に腹を立てた湊の母はかばんを校長の机に叩きつけ、孫と一緒の校長の写真を床に落としてしまう。
そんな時、廊下を通る保利を見かけた湊の母は、校長室から飛び出て保利を追いかけていくが、その時保利は「あなたの息子さんはイジメをやってますよ。星川くんをいじめてます。家にナイフとか持ってませんか?」と言われてしまう。
その発言にさらに腹を立てた湊の母だったが、帰宅後、湊の部屋で着火ライターを見つけて不安にかられるのだった。

翌日、湊の母は星川家を訪ねたが、当人の依里しかいなかった。
依里があまりにも屈託なく招き入れるので湊の母はその家にあがったが「湊くんにいじめられていない」と言う依里は、風邪ということで学校を休んでいる湊に向けて手紙を書き出す。その文字の一部は鏡文字になってしまっていた。
そんな依里の腕に火傷の痕を見つけた湊の母だったが、そのことについては何も語らない依里。
しかし依里は、校長室で「いじめられていない」と証言し、保利の暴力を目撃したと言い出すのだった。
「ご主人が運転する車でお孫さんが亡くなったんですよね?その時どんな気持ちでした?その時の気持ちといまの私は同じよ?」
湊の母はその場から逃げるように出ていこうとした校長に詰め寄った。

数日後、学校に集められた保護者たちに向かい、校長は「あってはならないことが起きました」と言うと、保利に謝罪を行わせた。
小学校教諭の児童への暴力ということで、新聞でも大々的に扱われるニュースとなったこの事件。
その数日後には、保利から逃げた湊が階段から落ちたという連絡があった。
「なんであの人がいるの?辞めたんじゃないの?」
湊のいるという部屋へ入った母は、そこに湊がおらず、ベランダに出る窓が開放状態だったことから飛び降り自殺を疑ったが、湊はトイレに行っていたといって教頭に連れられてきた。
それからしばらくした、大きな台風が接近してきていた夜、湊は母に「お父さんが来たよ」とベッドで話した。
「ありがとう、大好きだって」
そんな言葉にしんみりした母だったが、寝苦しさを感じながら目を覚まして湊の部屋を覗くと、湊は姿を消していた。
外からは保利の叫び声が聞こえていた。
「麦野!麦野!」

時間は遡り、雑居ビル火災の夜。その日、保利は恋人にぶっきらぼうなプロポーズをしながら街を歩いていた。

外で児童を見かけた保利は早く帰るように言ったりして、良い教師の雰囲気だ。
自宅へ戻った保利は「誤植を見つけて出版社に手紙書く趣味やめたほうがいいよ」とからかわれながらも、その恋人とは仲睦まずしかった。

学校へ向かう道で登校中の児童たちと気さくに話す保利は、倒れている依里を見かけて声をかけたが、依里はくつが脱げただけだと言って去っていってしまった。
その日、孫の不幸から休んでいた校長が復帰した。
教室では狂ったようにみんなの荷物を投げ散らかしながら暴れる湊を取り押さえた保利だったが、その際に腕が湊の鼻に当たってしまい、湊に鼻血を出させてしまう。
別の日には、トイレの個室に閉じ込められていた依里を助けるが、その前後にトイレから出てきたのは湊だった。
イジメを心配した保利が依里の自宅を訪ねると、依里の父親が乱暴に対応した。
「あいつの脳は豚の脳みそなんですよ。先生に言われなくてちゃんと治しますから」
依里を人として扱っていないような父親の言葉に、呆然とする保利。
そんなある日、教頭などから突然、倉庫に閉じこもっているように指示される保利。
湊の母が乗り込んできたのだ。
「それなら尚更誤解を解かないと」

「火に油なだけだから」
仕方なく言うとおりにした保利だったが、別の日にはわざわざリハーサルまで行って湊の母を迎えるのだった。
校長はわざと孫との写真を、保護者から見える角度に置くなど周到だった。
その夜、職員室で辞書を机に立てて、校長がやっていたように同僚に見せる保利。
「私、校長の家の近所なんだけど、あれも嘘なんじゃないかって噂なの」
同僚は保利に「お孫さんを轢いたのは本当は校長なんじゃないかって」と言った。

その日、保利は女子児童に裏庭に案内され、猫が死んでいたという話を聞かされていた。その猫を触っていたのは湊だと。
その話を聞いた後、廊下で湊の母に詰め寄られた保利だったが、女子児童さえ証言を覆してしまった。
そうして5年生全員へのアンケート調査が開始された。
それは保利に関するもの。
「向こうが弁護士たてたんだよ。内容証明送られてきてるの!」
反対する保利を教頭が説得した。
そして保護者が集められた。
会場へ向かう際「やめましょうよ、こんなこと」と校長に掛け合う保利に「あんたが学校を守るんだよ」と校長は冷たく返すのだった。
この事件が新聞などで報道されたことで、保利の生活は変わった。
恋人と帰宅したところ、週刊誌の記者に写真を撮られるなどし、恋人も「なんか大変そうだから」と家を出て行ってしまった。
ドアがノックされて外へ出てみれば、そこに置かれたぐにゅっとするものを踏んでしまう。遠くから「豚の脳みそ!」と罵声が聞こえてきた。

我慢できなくなった保利は、解雇された小学校にやってきて湊を探した。
玄関で湊を見つけるが、湊は必死に逃げた。
最上階に湊を追いつめた保利は「俺がなにか悪いことしたか?」と訊ねた。
「なにもしてない」と言う湊の言葉に保利が気を抜いた瞬間、湊は横をすり抜けて駆け出し、階段を踏み外してしまうのだった。
絶望状態になった保利は学校の屋根によじ登るが、その時、管楽器の音が響いてきていた。その方向を見つめる保利。
その夜、散らかった自宅の部屋にいた保利は、添削前の児童たちの作文を持ち帰ったままにしていたことに気づき、依里の作文を読んでいた。
鏡文字などに添削をしていたが、作文の行の文頭を横読みした時に文章になっていることに気づくのだった。
それは湊と依里の関係を示すもの。
保利は自分の過ちに気づき、台風の接近するその夜、湊の家へと向かっていた。
「麦野!」
叫んでいた保利の前に現れたのは湊の母。
最初は保利を拒絶していた母だったが、過ちを認め謝罪したいという保利を車に乗せて、心当たりの場所へ一緒に向かった。

それは廃線のトンネル。そこへ向かう道は土砂崩れで封鎖されていたが、湊の母は車から降りて雨の中、封鎖された場所へ駆けていった。
保利も追いかけ、トンネルを抜けていった。そこには土砂に埋もれた廃電車があり、中に湊がいると感じた母と保利は必死に入口を探していた。
電車の天窓を見つけた二人は、泥を拭いながら窓をなんとかこじ開けた。

時間は遡り、雑居ビル火災の日。
その日中、校長は交通刑務所の面会室を訪れ、夫と面会していた。
その夜、橋の上から川を見つめていると、遠くから消防車のサイレンが聞こえてきた。その校長の背後を少年が走っていったが、少年が落としたものを拾って声をかけた校長が少年に手渡したのは、少年が持っていた着火ライターだった。

翌日、学校へ復帰した校長は着任したての保利に、着任早々不在にしてしまったことを詫びた。
そんな保利のクラスでは、依里へのイジメが横行していたが、湊はその気にはなれずにいた。
音楽準備室へ二人でタンバリンを運んだ際、依里は柿の種を湊に分けたが「みんなの前では話しかけないで」と湊は突き放すのだった。
しかしその夜、湊は自分の髪の毛をハサミで切り、自分を責めた。
そんなある日、依里の机にゴミを載せていたイジメっ子たちが、湊に「ドッキリだから」と言って湊にもゴミを載せさせた。
しかし戻ってきた依里は、意に介さず淡々と対応したことで余計に意地悪をされていってしまう。
その様子に耐えられなくなった湊は、狂ったようにみんなの荷物を投げ散らかして暴れ、駆けつけた保利に取り押さえられた際に鼻血を出してしまった。
その帰り道、依里に追いついた湊は「今日、ごめんな」と謝った。
くつを隠された依里は裸足で歩いており、湊は自分のスニーカーを片方貸した。
二人は仲良しだった。

依里に連れられて湊がやってきたのは廃線跡。

暗いトンネルを抜けるとそこには廃電車が一両あり、その中は二人だけの世界。
依里は「宇宙はまだ広がっているんだって」と湊に語った。
やがて宇宙は爆発して全てが逆に動き出す。その時に備えようと、二人は廃電車の中を飾った。
その中での二人は、イジメっ子もイジメに加担させようとする者もいない、自由な空間で、二人は様々なことを話した。
湊は自分の父親が女と温泉旅行に行った際に事故で亡くなったと語り、依里は父親から化物扱いされていることを語った。
そんなある日、図工の時間に絵の具で絵を描いていると、依里の机にイジメっ子が絵の具をぶちまけた。
いつものように淡々と雑巾で拭き取る依里は、彼らを逆撫でし、雑巾を奪われ、それは教室中を投げ回された。
一向にその中に参加しない湊に、女子児童が雑巾を投げつけて促した。
湊は仕方なく、依里に掴みかかり、押し倒した。
それを止める際に、保利に耳を強く引っ張られた湊は耳に怪我をしてしまう。

廃電車の中での二人の時間。依里が転校を告げた。

「おばあちゃんちに行くんだ」
それは父親に捨てられるようなものだった。一度、そのことを冗談めかして口走った湊だったが、すぐに訂正し、依里の胸ぐらをつかむと「行くなよ」と寂しさを全身で表現した。
そして二人は力強くハグをしていた。
ハッとした湊は「やめろよ、離れろ」と逃げ腰になるが「おかしいことじゃないよ、僕も時々そうゆう気持ちになる」と依里が言うので、余計に怖くなる湊。

その後、依里は学校へ来なくなったが、湊は廃電車の中で待っていた。
スマホでメッセージをやりとりし、そのメッセージに微笑む湊。
その日は夜遅くまで廃電車にいたが、依里が来ると思ってトンネルへ向かいいまや合言葉となった「かいぶつだーれだ」と叫びながらスマホのライトを向けたが、そこにやってきたのは湊の母だった。
抱きしめてくる母の向こうに、そこまで来て帰っていく依里の姿が見えた。

ある日、湊の前に辞めたはずの保利が現れ、湊は逃げ出した。
保利に申し訳なさを感じていた湊の姿を見かけた校長は、湊を音楽室へ連れて行った。そこで湊から、嘘をついたという告白を受けた。
「嘘ついちゃったかぁ。私と同じだね」
校長は、管楽器を湊に渡し、そこに息を吹き込んで忘れちゃおうと言った。
「僕には好きな人がいます。でもその人とは幸せになれないんです」
涙ながらに告白する湊。
「誰かにしか手に入らないものなんてそんなのは幸せじゃないよ。みんなが手にすることができるものが幸せなんだよ」
二人は自分たちの抱える想いを吐き出すように、管楽器を吹き鳴らすのだった。

ある夜。湊は決意して依里の家へ向かった。
玄関から出てきた依里とその父親。父親は「仲良くしてくれてありがとね」と湊に言うと「向こうに好きな子がいるんだよな?」と依里に訊き、依里にそうだと言わせ、乱暴にドアを閉めた。
しかしすぐに依里が出てきて、呆然としていた湊に「うそだよ!」と言った。
すかさず依里は父親に家の中へ引きずり込まれ、その中からは激しい殴打の音が響いていた。
それは台風が接近する嵐の日。
湊は依里の家に駆けつけていた。開いていた窓から中へ入った湊はシャワーの音のする浴室で、浴槽で朦朧としている依里を発見し、なんとか担ぎ出した。依里の背中にははっきりと殴打の痕が残っていた。
そのまま二人は廃電車へ向かった。
その中にいると、地鳴りの音が響いていた。
「発車するのかな」
「きっとそうだね」

明けた朝。
天窓をこじ開けて、出てきた湊と依里。
「生まれ変わったのかな?」
「そんなのはきっとないんだ。なにも変わってないよ」
そして二人はさらに奥へと走っていくのだった。

いくつかの視点で、同じ時間軸が語られる構成で、最初は教師による児童虐待に対する物語だと思わせながら、後半になっていくにつれて全く違うことを語りかけてくる作品だ。
一つの事象をいくつかの視点で描いた作品といえば黒澤明の『羅生門』の印象が強いけれど、その領域に踏み込もうという意気込みを感じる作品だ。
ただこの作品は決して『羅生門』ではない。なぜなら、後半になればいくつかの謎が解けてしまうからだ。
視点を変え、感じ方が違ったために生じた誤った解釈が説明されていくと、観客には一本筋の通った物語として提供されてしまう。
では“かいぶつ”ってなんだ?という問いが生まれてしまうものだ。
解釈は分かれるだろうけれど、少なくとも登場人物全員が“怪物”的な要素を含んでいるように感じる。
日常を当たり障りなく過ごしているように見えても、何かを守るためなどの理由づけがあれば、平然と誰かを攻撃してしまう。
その誰かは他人とは限らず、自分自身にさえも向かう。
依里が一貫して屈託なく笑っているのは、いじめられているという感覚を捨てているからだ。そうすることで自己防衛をしている。
湊は「僕はお父さんのようにはなれない」と呟くシーンは、依里への想いが強まったために生まれたもので、そんな自分を責めているようなセリフだ。
そんな彼らを生み出した社会自体が、まさに“怪物”なのかもしれない。
前半から終盤まで一貫して湊が口にするのは「生まれ変わった?」というセリフ。
そして、ラストシーン。
上映終了後、観客が「え?あれで終わり?」と動揺していた。
映画としては、あの終わり方が良いと僕は思うけれど、わかりにくいといえばわかりにくいだろう。解釈を委ねられると、戸惑う観客は多い。
僕としては、あのラストの二人は、もう別次元にいるのではないかと思っている。
保利と湊の母が電車の天窓を開けた時、二人はいなかったからだ。
そしてラストシーンに保利も母親もいない。
別の言い方をすれば、湊も依里も土砂災害で死んでしまったのかもしれない。
ただ、こんな論理的な解釈はまったく意味がない。
映画は感じるものだ。人それぞれの解釈でいい。
いずれにしても二人は、二人が幸福だと思える時間を手に入れたのだろうというラストで、僕にはハッピーエンドにさえ感じられるものだった。
そこへ流れてくる音楽。この作品の音楽は坂本龍一によるものだ。
彼の最後の映画劇伴となったもので、エンドクレジットでは冥福を祈るメッセージがクレジットされる。
朝、東青梅のファミリーマートで電気代と今日が誕生日の子に贈ったLINEギフトの代金を支払いに行ったので、早めにシネマネコさんに着いた。
久しぶりに併設の“金ちゃん銀ちゃんカフェ”で上映時間を待った。
現金が乏しかったので、カフェオレのみにした。
次に来た時は、フレンチトーストも食べたいな(笑)
次の鑑賞予定も昼の時間帯の上映作品なので、いろいろ食べて、シネマネコさんを堪能しておこう。
僕のことを気にかけてくれている、いつもの人にも次の来館予定日を伝えた。
今月のシフトが急に月曜火曜休みを中心に変更されていなければ、もっと来れたんだけれど。シネマネコさんの定休日と重なってしまったので、どうしようもなくなったのだ。

今朝の多摩川。
東日本大震災から13年。家族がいるという幸福をあれほど噛み締めたあの日から、歳月が過ぎ、自分から独りになってしまった今、さらに知らない土地へ移ろうとしている自分に正直戸惑っている。
先週、娘から久しぶりにLINEが着て、月末に京都に来て欲しいと言われた。
成人式の振袖の後撮りとかいうものをやるらしい。
行きたい気持ちはあるけれど、その日はまだ販売員の仕事のシフトが入っているし、京都に行く金もないし、スーツも持っていないので、断った。
写真くらい送ってきてくれたら嬉しいけれど、そうゆう子じゃないので、きっとまたしばらく連絡のない日が続くのだろう。
それはそれで仕方ない。
そういえば2年前に入院した時、その直前に偶然、娘と売り場で会ったな。
今回の下血が月末に向けて悪化しないことをただただ願うのみだ(笑)
そんなことを考えながら青梅を歩いているけれど、最近はやたらと頭の中にこの曲が流れてくる。
別れの季節なんだなぁ、春は・・・。