4連勤を終えての単休。
火曜日はシネマネコさんの定休日だけれど、食事会のために希望休をとった。

中番固定のシフトになってから、一日の歩数がかなり減った気がする。

今まで一日3万歩以上歩いていたのが、2万歩から2.5万歩程度になった。

まぁ、脚全体が怠くて痛みもあるせいで減ったとも言えるけど。

売れたような売れないような4連勤だったけれど、いくつか楽しい接客時間を貰えたので、それなりに満足できたかな。接客は、エンターテインメントだ(笑)

明日からは7連勤。

今日は日用品の買い出しに行ったり、家でDVDを観たりしてから、新宿へ向かった。

キッズ・リターン
舞台に上がっていった新人漫才師の南極55号がネタを始める。
一方、自転車で配達をしているシンジ。そこへやってきたマサル。
久しぶりの再会。
マサルはボクシングを示すように右腕でポースをしながら「これ、やってんのか?」と問いかける。
「もうやめました」
そう答えたシンジはマサルに聞き返す。
「マーちゃんは?」
「何もしてねえ」
そして職探しに行くというマサルにシンジは自転車で送っていくと言った。
「昔よく自転車で学校行ったじゃないですか」

高校時代。
シンジの運転する自転車に乗ってマサルは学校へ向かっていた。
学校へ着いても授業に出るわけではなく、校庭で曲乗りして遊んでいたりしていた。
教師からは「どうせバカたちだ」と言われていた。
マサルとシンジは屋上から教師をからかう人形をぶら下げて遊んだりして学校での時間を過ごしていた。
放課後は喫茶店で過ごし、駅では高校生を相手にカツアゲをしていた。
実行するのはいつもマサルで、シンジは暴力は振るわない。
そんな二人の日常は、シンジがマサルの家に自転車で迎えに行く朝から始まっていた。
いつもの喫茶店では同じ高校の生徒が喫茶店の娘にラブレターを渡していたが、それを盗んで持ち帰ったマサルは、それを読んで大爆笑していた。
授業に出てもふざけるだけのマサルとシンジ。
「誰かお前らにな、勉強して下さいとお願いしたやつがいるか?」
職員室で教師に説教をされる二人。
「周りに迷惑をかけないでくれと言ってるんだよ」
二人は完全に落ちこぼれだったが、教師たちも“小悪党”にしかなれないと考えていた。
そんなある日、新車で登校してきた教師に「あれ?まだいたの?他の学校だったらとっくに退学だよ、だってバカだもん、君たち」とからかわれ、その車に放火するマサルたち。
マサルとシンジの日常は変わらない。
相変わらず駅ではカツアゲを行っていた。
そして入ったラーメン屋。
マサルがビールやたばこを注文していたのを見て、居合わせたヤクザの若頭が「おめえらガキのくせにビールなんか飲んでんじゃねえぞこの野郎」と絡んできた。
「ガキがビール飲んじゃいけねえって法律でもあんのかよ」
と返すマサルだったが「あるじゃねえかよ」と返される。
その言い合いから喧嘩になりそうになるところを組長が制止し、マサルたちにご馳走する。
組長はラーメン屋の息子にも札びらをきっていた。
そんな様子を見てマサルとシンジは格好良いと思っていた。

教師の車に放火したことを責められるマサルたちだったが、証拠不十分だった。
退学の勧告もされたが、それもせずに済んだ。
「ヤクザにでもなられたら困りますが、漫才師にでもなれるでしょ」
という教師に「こいつらにそんな才能ないですよ」と他の教師たちに笑われた。
そこでマサルとシンジは、校内で漫才の練習をしていた二人のネタを演じてみるが、笑いはとれない。
「おめえらセンスねえんだからよ、大阪行って勉強してこい」
とその二人をけしかけるだけだった。
マサルとシンジはその後、成人映画の映画館を制服のまま訪れ、サラリーマンのフリをして招待券をせしめる。そんな日々。
そんなある日。
以前、カツアゲした高校生が助っ人を連れてやってきた。
マサルはその男のパンチで倒されてしまう。

それからはシンジが迎えに行ってもマサルは家から出てこず、学校にも来なかった。
一人で過ごすシンジは退屈だった。
マサルがいなくなったことで、他の不良がカツアゲなどを行って大きな顔でのさばり始めていた。
そんな日々の中、シンジの前にマサルが現れた。
マサルはトレーニングウェアで、走っていた。
「あの野郎ボクサーだろ。絶対敵うってやる」
ランニングするマサルにシンジがついて行くと、そこはボクシングジムだった。
そして、マサルに言われるままシンジもボクシングジムに所属することになった。
そのボクシングジムには、マサルを倒した男もいた。

ラーメン屋では例のヤクザたちがいて、マサルは挨拶をした。
ビールを勧める組長に「ボクシングを始めたので」と断るマサル。
そんなマサルはリングネームを【ダイナマイト・キッド】と考案し、再び学校にやってきていた。
マサルとシンジのトレーニングは続いていた。
そしてマサルはスパーリングを要望し、例の男との対戦となるがゴング前に殴りかかってしまい中止されてしまう。
相手のいないマサルはシンジをスパーリング相手にしてリングに上がった。
しかしマサルはシンジのカウンターの前に倒れてしまうのだった。
その様子を見ていたジムの人々はシンジに才能を感じていたが、シンジに倒されたことでマサルはジムを去ってしまうのだった。
マサルはラーメン屋でビールもたばこも始めていた。
「ダイナマイト・キッド、お前にやるよ。俺またなんか探すわ」
そしてマサルはまた学校に来なくなった。
シンジはまた一人で退屈な時間を過ごし、ジムも辞めようとしていたが才能を見出されて継続することになるのだった。
ベテランの先輩もシンジに近づき、反則技のひじ打ちのコツなどを教え始めた。

マサルのいない日々。
シンジに絡んでくる他の不良たちも、シンジのパンチでのされてしまう。
シンジはボクシングの練習に明け暮れていたが、ベテランの先輩が酒やたばこを教えてしまう。
「ボクサーもモデルも一緒だよ。食べたら吐けばいいんだよ」
そんなある日。
いつもの喫茶店で一人で過ごしていたシンジの目の前に、ヤクザとともに入ってくるマサル。

マサルはヤクザになっていた。

高校の卒業式。
シンジは卒業証書を持って自転車で一人、校庭を走っていた。
マサルとの思い出の詰まった高校。
シンジはマサルを倒した男をスパーリングでボコボコにしていた。
マサルはシマ内の揉め事で組長から責められ、若頭と出かけ、相手を捕まえていた。
組長はラーメン屋の息子を従えて現場に赴き、相手をその場で射殺してラーメン屋の息子を自首させた。
若頭はしばらく地方に行ってほとぼりをさますことになる。

シンジのデビュー戦。シンジは勝利したが、ベテランの先輩も、メインイベンターのイーグルも惨敗した。
高校の同窓生たちは新社会人として厳しい現実に直面していた。


シンジの快進撃は続いていた。
そんなシンジの元に、子分を従えたマサルがやってきた。
「おお、久しぶりだな」
「やってるか?」
シンジは、久々の再会に言葉少なに応えるのが精一杯だった。
マサルはシンジのジムに足繁く通い、顔を出すようになったが、その背中には刺青が施されていた。
そのことを会長に指摘され、ジムに顔を出さないようにすると約束させられた。
「お前がチャンピオンになって、俺が親分になったら、また会おうや」
そう言ってマサルは去っていった。

ジムの会長たちは、シンジがベテランの先輩とつるんでいるのを心配していた。
その予想通り、シンジは先輩に唆されて居酒屋にいた。
そのことを会長に咎められても、シンジは取り合わず、相変わらず先輩と居酒屋に来ていた。
そしてシンジもビールを飲むようになってしまっていた。
マサルは若頭となっていたが、そんな矢先、組長が射殺されてしまう。
地方に行っていた元の若頭が東京に戻り、報復をしたがるマサルを諌めるが親分衆からは「あいつのシマはもともとお前がもらうはずだったんだ」と言われるほど、いきがるマサルは疎まれていた。
その頃、シンジは減量に苦しみ、先輩から下剤を渡されていた。
シンジはトレーニングメニューをこなせなくなってきていた。
そんなシンジが試合に望む頃、マサルは元若頭に連れられていた。
シンジは一方的に殴られる展開。マサルはヤキを入れられていた。

舞台上では南極55号となった同窓生が漫才を行い、それなりに笑いをとっていた。
同窓生たちのそれぞれの現在。
シンジはマサルを乗せて高校時代のように自転車で走っていた。
やってきたのは高校。
二人は校庭のグラウンドを周り始めた。
「なんも変わってねえな」
マサルが言った。
「俺たちみたいなバカ、まだいるかな?」
「もういないんじゃないですか」
そんな会話をしながら二人はグラウンドを周っていく。
「マーちゃん、俺たちもう終わっちゃったのかな?」
シンジの問いかけにマサルが答える。
「バカ野郎、まだ始まっちゃいねえよ」
二人は笑い合うのだった。

1996年の作品。
それまで北野武監督作品を辛口評価してきた人々からも賞賛された作品で、1994年のバイク事故で生死をさまよった北野武の監督復帰作だ。
【容赦なく描く“青春”】というキャッチコピーがつけられたように、まったく煌めいていない青春の群像劇で、それがリアルな青春だということを思い知らされる作品でもある。

煌めいていない青春を描く時に暗く重い設定を入れたがる最近の映画とは全く違う。

リアルな青春は、煌めいていないのが当たり前。
どこにでもあるような高校生活が描かれていて、彼らが社会に出て感じる理不尽も、それに対して抱く不満も、全てがリアルだ。
なによりもラストシーンが印象的で、それはそのままポスターに使われている。
そう、ネタばれを全く問題にしていないのだ。
だから何度も観られるし、何度も感動できるのだ。
マサルとシンジのセリフを、グラウンドを周回させながら言わせるラスト。
彼らは何度も同じことを繰り返すのだ。
決して、何かにたどり着くことはない。
生きていくということは、まさにそうゆうことで、行き着く先は死しかなくて、生きている間は何度も同じことを繰り返す。

それでも希望を持って人々は言う。
「まだ始まっちゃいねえよ」

今日は待ちに待った食事会。初めてのクエ鍋だ。

この子とは8月の鰻以来で、今日は【新宿 土佐料理 祢保希】さんへ。
赤坂の祢保希さんへは10年以上前に何度か行っていたけれど、新宿店は初めて。
どうやら店舗によってメニューが違うようで、赤坂店ではクエ鍋が食べられそうになかったので、新宿店を予約したのだ。

クエ肝と皮せんべい。
肝を食べられるなんてふぐでは考えられないことだけれど、コリコリした食感の肝にいきなりやられてしまった(笑)

そしてやってきた薄造り。
胃も皮もコリコリした食感がクセになるし、薄造りなのに一枚ずつ食べてもしっかりと味わいがある。
ヒレ酒は目の前で火を点けてくれる。
一本釣りするクエから出てきた釣り針を見せてもらったりしながら、クエの輸送方法などを店の人が解説してくれた。
そしてクエの唐揚げ。
この弾力あるクエの身のしっかりとした歯応えと口中に広がる味わいに、悶絶しながらの時間。
やっぱりこの子との食事は幸福な時間だ。
メインのクエ鍋は、希少部位のアラから始まって、上身までの3回に分けて作って貰える。

餅まで入った3杯目。
もうかなり満腹に近い(笑)
それでも雑炊の旨さは変わらない!
薄味で仕上げたということで、ポン酢を好みで足しながらの雑炊は、シンプルに旨味を感じられる。
デザートは焼きリンゴ。
口の中が一気に爽快になるような締めだ。
一品一品、幸福そうに食べる人が一緒の食事は、料理の味わいを二倍にも三倍にもしてくれる。
美味しいものはこの子とを食べに行きたいと思わせてくれる素敵な表情に、すっかり魅了されてしまっている(笑)

ビルの50階にある店なので、新宿の夜景がそれなりに見えた。
 

11/21に誕生日を迎える娘。20歳になる。
結局、11/23に会うことにしたけれど、2年前の夏のようにすっぽかされるかもしれない。それでも、ランチの約束をしてしまった。

またすっぽかされるかもしれないけれど、もしも会えたのなら、娘と食事をするなんて6年半以上ぶりになる。
今年は比較的体調がいいのだけれど、去年のように大量下血で突発的に倒れることもありえるのだから、娘と会えるのはこれが最後になるかもしれない。
そう思って、二人でならという条件で、会うことにしたのだ。
これで、今月の全ての休日の予定が決まった。
こんなに予定が重なると、当然だけれど、お金がない(笑)
それでも来週は、独りで紅葉を見に御岳渓谷に行ってみようと思って予定を追加してしまっている。
そろそろ見頃なはず・・・。
来年も見られるとは限らないのだから、多少無理をしてでも楽しむとしよう。