2勤1休3勤1休で、土曜日だけは新橋の事務所へ出勤という日々もこれで終わり、来週からは東中神の現場のみへの出勤となる。
建設現場なので、ヘルメットやハーネスなどの安全帯を装着して安全靴でいるせいか、筋肉痛になっていて脚が思うように動かず、歩くのも遅くなっている。ヘルメットでさらにハゲてしまうのではないかという心配はつきまとう日々だ(笑)
もともと体がかたい上に、成人してからはこれといった運動もせずにただただ歳をとってきたので、現場での移動で、こんなにも脚が上がらなくなったのかと苦笑してしまう。
仕事中、1日だけ下血した日があったけれど、あとはそこそこ落ち着いているのでとりあえず大丈夫そうではあるけれど、しゃがんだり体を捻ったりする動きが重なると出血の恐れがつきまとう。
内臓からの出血なので、腹部を圧迫すると押し出されるのか、前ぶれなく出てくるのが困るとこだ(笑)
そんな日々を終えて今日はシネマネコさん、13:55上映回を鑑賞しに行った。

今日はスタンプが貯まっているので無料鑑賞だ。

いつもの人はいない日だけれど、なんだか新人さんの初々しい対応でほっこりできた。
ただ、今日はA-5。

舞台挨拶の関係でお客さんが多く、B-5が埋まっていたので最前列だ。

猫と私と、もう1人のネコ
数匹の猫が戯れている。
一方、高校生の櫻は試験中に猫のイラストを描いていた。
定期テストが終わり、櫻は友人の陽葵に部活に顔を出すように言われるが、その日は母親との約束のために帰りを急いでいた。
渋々、美術部の活動場所でもある美術室へやってきた櫻だったが、そこには必死に絵に取り組むカトキチしかいなかったため陽葵は顧問を呼びに出て行ってしまう。
カトキチに進路について訊かれた櫻は、美大に行きたいと言うが、できれば負担の少ない国立に進みたいと言った。

「コンクールで賞とったからって甘いんだよ。お前くらいな奴、たくさんいるんだぞ」
そこへやってきた陽葵と顧問。
顧問の先生は有名な画家が櫻の絵に興味を持ったので、作品をもっと見せてもいいかと言い出した。
それは櫻にとってなによりも嬉しい評価の言葉で、希望に溢れ始めていた。

その日、櫻の母は取材で保護猫施設を訪れていた。
スタッフからは「清瀬チーフがいなかったらウチの会社は終わりですね」などと言われながら、テキパキと指示を出していく。
そこが待ち合わせ場所だったため、櫻がやってくる。
取材では施設長が「駆け込み寺ではないので」と施設のあり方について答えていた。
取材を終えた母と併設の猫カフェに座る櫻。
「よくここを取材しようって思ったね」
猫好きな櫻は以前から気になっていた場所であるが、母親は猫アレルギーだった。
「ペットブームに乗っかってみようと思ったんだけど、方向性が違ったわ」
メニューを選ぶ際、櫻が同じキッシュを注文しようとすると、母親が明太子トーストを強引に勧め、注文してしまった。
そんな母親に櫻は進路について恐る恐る美大志望を伝えたが「美大?そんなとこに行ってどうすんの?お母さんが見つけた女子大のほうが近所だしいいと思うよ」と決めつけられてしまう。
そんな母親に東京の美大志望だと言っても「櫻一人で東京なんてムリだって」とあしらわれるのみで、櫻はどうすることもできなかった。
その夜。
単身赴任から父親が帰宅してくるというので、櫻は母親と父親の好物のビーフシチューを作った。
母親も久しぶりに帰宅する父親に会えるのが楽しみで仕方ないようだった。
そして久しぶりの家族団らん。
そこで母親が促して、父親から重大なことが発表された。
「仕事、辞めたんだ。鹿児島の実家の農園を継ぐことにした」
そこは鹿児島といっても、徳之島だったが、母親は家も売ってみんなで移住しようと言い出す。
「櫻はこれから進学もあるんだし」と櫻のことを考える父親だったが、母親は「離れちゃだめ」と聞かない。
どうしようもない感情に押しつぶされそうになった櫻は二階の自室へ逃げ出すが、その後聞こえてきた会話が気になり、階段で両親の話を聞いていた。
聞こえてきたのは、さらに衝撃的な話だった。

実は両親はすでに離婚していたのだ。
父親が事業に失敗した借金が影響しないように離婚届を提出したのだ。
そのうえ父親の借金を返済したのは母親。
そして単身赴任と言っていた父親の仕事は短期契約のアルバイトのようなもの。
それでも櫻を思い、なんでも一方的に決めつける母親に「君のそうゆうとこが破綻招いたんだよ」と言い返した父親は「もうここに来ないで。櫻に連絡したら警察に訴えるから」と母親に追い出されてしまう。
出て行く父親に駆け寄った櫻は「・・・どこ、行くの?」と訊いた。
仕事で朝早いから駅前のビジネスホテルに泊まるという父親は「元気でな」と出て行ってしまうのだった。
その晩、美術部のLINEグループに「わけわかんない」と投稿しかけるがそれをやめ、匿名のオープントークに“ネコ”というアカウント名で心情を吐き出すのだった。

そうして始まった母子生活。
櫻の問題は、どうすれば美大への進学ができるかどうかだった。
悩んだ櫻は学校へも行かずにいたが、神社で捨て猫を“リリ”と呼んで世話をする小学生の少女と出会い、二人で猫の世話をしながら飼ってくれる人を探そうということになった。
しかし猫の引き取り手はそうそう見つからない。
そんな時、母親が倒れたという連絡が会社の人から入った。
脳梗塞だった。
命は取り留めたものの、右半身に麻痺の症状が残った。
父親に連絡をしてもSMSは送信エラーになってしまい連絡がつかなかった。
会話もままならない母親の姿に涙を堪えられない櫻。
そして櫻は母親の介護も背負うことになってしまうのだった。

学校で陽葵と弁当を食べている時には陽葵に「いつもはお母さんの手作り弁当なのに」と指摘された櫻は「お母さん、ジャーのスイッチ入れ忘れたらしくて」と菓子パンを食べるのだった。
それからは自炊し、弁当も自分で作る生活になった櫻。
癒されるのは神社でリリと触れ合う時のみ。
オープントークでの“どこに住んでるかも知らない人たち”に飼ってくれないかと聞くしかないと思い始めていた櫻だったが、そうなるとリリとはもう会えなくなる。
「離れててもいいの。リリが幸せなら」
そう言う少女の言葉に感銘を受けた櫻は少女とリリをスマホで写真を撮ってあげたが、連絡先を聞くとそれは児童養護施設だった。

強引に退院を早めた母親を車椅子に乗せて、母親の会社の仕事先へ向かう櫻。
「私が退院したって知らないから、いきなり行ってハッパかけてやるんだ」
意気揚々と向かった先では別のチーフが「チーフがいなかったらウチの会社終わりですよ」と言われていたうえに「変なフラグ立てないでよ」と、母親のことをネタにされていたのだった。

サッサとその場を去る母親は「そうゆうことかぁ」と現実を受け入れざる得なかった。
家に着くと、リビングに移動したベッドへ母親を寝かせて食事の支度を始める櫻。
「料理なんかできるんだぁ」

自宅での介護は、ほんのちょっとしたことでも互いにストレスのもとだ。
母親がトイレに行くのも、風呂に入るのも、櫻は付き添わなければいけない。
付き添われるのを嫌がりながらも、そうせざるえない母親。
そんな生活の中、学校では居眠りをしてしまうようになる櫻。
街で食料品や生活用品を両手に抱えて歩いていると、楽しそうにしている高校生たちの姿が目に入ってくる。それは櫻には遠い世界に見えた。
その頃、神社でリリの世話をしていても少女が現れなくなっていた。

そんなある日、母親のリハビリ通院のため学校を早退してきた櫻は母親の会社の人と玄関前で遭遇した。

「なんでインターホンで出なかったの?」

「確かめにきたんだろ、本当に使い物にならなくなったかどうかって」
母親自身、癌で休職した社員の自宅を訪れたことがあったのだ。
そんなイライラから「あんた、本当に東京の大学に行く気?」と訊ね、リハビリには行かないと暴れだしてしまうのだった。
「一人にしないでよ」
泣きじゃくる母親をなだめ櫻は「美味しいものでも買ってくるよ」と家を出た。
買い物を終えた櫻は“試合終了”とオープントークに投稿しかけるが、それもやめてしまう。
もう櫻には頼れる人はいなかった。
そして神社にやってきてリリの世話をしていると“おじいちゃんのうちにいくことになりました”という少女からの手紙を見つけた。
櫻はいつものようにリリがついてきていないかを確認しながら神社を後にしたが、背後からバイクの急ブレーキの音が聞こえて振り返ると、路上に倒れているリリがいたのだった。
慌てながら、どこへ連絡すれば良いのかもわからず、カーディガンでリリを包んで櫻は駆け出した。
やってきたのは以前母親が取材していた保護猫施設。
リリは病院へ送られたが、施設長から「これからどうする気?」と櫻は問いただされた。
「この子の幸せを願っていた子がいたんです。だから助けたい」
「助かった後のことよ。後のほうが大事でしょ?」
母親が猫アレルギーなので、リリを飼うことはできない。飼ってくれる人も見つからない。手術費などは自分でなんとかすると言う櫻は、遂に母親も介護が必要な状態で、父親とも連絡はつかないのだと打ち明けるのだった。
父親が出て行く時「行かないで」と言いたかったのに「どこ行くの?」と訊いたことも深く後悔していたのだ。
「一人で抱え込みすぎよ」
施設長は、誰かに打ち明けてみるべきだと言って、涙を流す櫻を抱きしめるのだった。

昼休みに陽葵を美術室に呼び出した櫻は、全てを打ち明けようとしたが、櫻を心配していた陽葵は「もしかして別アカ“ネコ”のこと?」と先回りをした。
「“ぶちょー”って、陽葵?」
陽葵は全てを知っていたのだ。
自分を見守ってくれている人がいたことに感動した櫻は、再び絵を描き始めた。
そんなある夜、母親は必死に二階の自室へ行って、幼い頃に櫻が描いてくれた絵を眺めていたが、そこへかかってきた電話の相手に「お願い、帰ってきて」とすがっていた。

父親が帰ってきた。
橋の上で再会した父親と櫻。
「一緒に住まないかって連絡したら、お母さんのこと知って。いままで知らなくてごめんな」
櫻は父親に抱きついて言うのだった。
「もうどこにも行かないで」

そして絵ができたという櫻にカトキチが見せて欲しいというので、カトキチを連れて櫻は保護猫施設へやってきた。
そして小学生の少女がリリを抱きしめる絵を披露し、それを寄贈した。
「良い絵、ですか?」
その帰り、スキップしながら歩く櫻と「コンクール用の絵かと思ったのに」と残念がるカトキチ。そんなカトキチを見つめて「決めた」と言う櫻。

コンクールの展示会会場へやってくる母親とそれを支える父親。
二人は櫻の絵の前で立ち止まり息をのんだ。
そこへやってきた櫻は「私、美大に行く」と宣言するのだった。
櫻の絵は【母】というタイトルのつけられたものだった。
そして春。
東京芸大の合格通知を握り締めながら“サクラサク”と投稿するのだった。

前回シネマネコさんで予告を観て、観たいなと思っていたけれど上映スケジュール的に今日くらいしか行けなかったので、駆け込んだ。
全体を通じて温かい優しさが包んでいるような画作りで、母親のキツイ感じさえも愛らしい。
それでも一人で抱え込んでいく櫻が押しつぶされていく姿に涙が溢れてくる。
ヤングケアラー】というものがテーマになっていて、若者が未来を失っていくという重い現実もある。
しかしこの作品はハッピーエンドを迎えてくれる。
真面目で優しい櫻が、それだけに抱えてしまうもの。
子どもの意思を尊重せず、自分の思う通りにしそれが絶対に正しいと信じる親の姿。
その親の介護をする子ども。
保護猫施設で打ち明けた櫻の心情は、SNSでも吐き出せなかったもの。
キャッチコピーとなっている“私は、一人じゃないんだ”は、鑑賞を終えた後にじわじわとこの作品のテーマを伝えてきてくれるもので秀逸だ。
ちなみに劇中で出てくる保護猫施設【譲渡型保護猫カフェ ぷここん家】は実名でロケ地となっている。

上映終了後の監督さんの舞台挨拶で、宣伝費もないことからパンフレットも出来上がっていない状態であることや、長期間の上映ではなく1週間ごとに各地で上映していくスタイルになっていることを知った。
海外でも評価されているということで、こうゆう作品がもっと大々的に観てもらえるようになれば良いなとも思ったけれど、そうなるとSNSでの批判の対象にもなってしまう時代なので善し悪しだ。
劇中、SNSは非常に良い効果のものとして扱われているが、監督自身、SNSの危険性も舞台挨拶で語っていた。
こんな風に好意的にSNSを扱いながらも、主人公櫻は匿名の場所でさえ本心をさらけ出せなくなってしまうという皮肉は、現代社会を見事に表現していると言えるだろう。
そういえば以前にも舞台挨拶の日に観た作品でも最前列になってしまった。
今回はA-5。
振り返るといつものB-5は空いていたので、そこの人は来なかったのかな。
ただその列に、劇中で英語教師役で出演していた女優さんがいたので、B-5も関係者だったのかもしれない。
舞台挨拶後にフォトセッションなるものがあって、一応僕も監督さんを撮った(笑)
そして客席に監督さんが座っての撮影。
僕は右に監督さん、左に女優さんというど真ん中になってしまい映画の公式Xに、思いっきり写真が載ってしまっている。
こんなことならもう少しマシな服を着てくれば良かった(笑)
昼食を摂ってからシネマネコさんに来たけれど、上映開始まで時間があったので、併設カフェでのんびり過ごした。
ついつい食べてしまうのは、フレンチトースト。
猫舌だけれど、時間潰しのためにホットのカプチーノにして、冷めるまで待つ(笑)
ゆったりとした時間だ。

疲れていたのか、昨夜は爆睡してしまっていた。
何か楽しそうな夢を見たような気がするけれど、まったく憶えていない。
そしてシネマネコさんに行く前に、今年何度も来てしまっている“とんかつ太郎”さんで昼食を摂った。

お決まりの特ロースとんかつ定食。
お決まりの食べ方で、半分にとんかつソース、半分にみそだれソースをかけ、とんかつの後味を台無しにする大量のキャベツを先に片付ける(笑)
独りでこうやっていろんな店で過ごせるようになってしまったんだなぁと、寂しさも感じる。

今日観た映画の主な舞台は福岡県飯塚市らしいけれど、地方が舞台の作品を観るたびに青梅の田舎さ具合が愛おしくなる(笑)
そういえば“さくら”という名前のイントネーションって、どうしても『男はつらいよ』のイメージなんだけれど、この作品でのイントネーションは微妙に違う。
どちらかというと、こっちのほうがメジャーなんだろうなぁ。
あまり周囲にこの名前の人がいないのだけれど、ある世代では多いらしい。
呼びなれない名前だけれど、美しい名前だなって思う。
作品のラストで古めかしく“サクラサク”と投稿するために主人公の名前を“櫻”にしたのだろうなって思えるくらいだ。
そういえば名前で“さくら”を使う場合“桜”ではなく“櫻”を使用することが多いように感じるのは、画数や縁起の問題なのかなぁ。

そんなことを無理やり考えていないと、一ヶ月以上会えていないあの子への想いが募ってしまいそうだったので、無意味なことを綴ってみた(笑)
この歳になると、片想いなんていうような恋でもないだろうけれど、会いたくて仕方ない。困ったものだ・・・。
明日は息子の誕生日だというのに。