豚の品種は世界中で100種類以上にものぼると言われ、そのうち約30種が食用家畜として飼育されています。 日本で食用となる品種は大型種のランドレース、大ヨークシャー、ハンプシャー、デュロックの4品種と、やや小型の中型種のバークシャー(黒豚)、中ヨークシャー(白豚)の2品種です。

肉用豚の90%は大型種の交雑種
食用として流通している大型の純粋種はごくわずかで、ほとんどは大型の純粋種を交配して作った交雑種です。月齢5~6ヵ月、体重100㎏程度で出荷されます。 交雑種は交配の方法により多種類ありますが、飼育環境や飼料が似ているため、栄養成分に大きな差はないようです。

中型種のほとんどは黒豚
バークシャーは良質で味がよく、鹿児島の黒豚に代表されるように純粋種の銘柄豚として生産されています。中ヨークシャー(白豚)は、昭和30年代後半までは日本の豚肉生産の中心でしたが、大型種に押されて現在の生産量はごくわずかです。

以上のことから、豚肉の栄養計算は“黒豚”と表示されたものは中型種の値で計算し、それ以外のもの(単に“豚肉”と書かれたもの)は大型種の値で計算すればよいでしょう。

大型種と中型種の栄養成分の違い
それぞれの部位により多少の差はありますが、一般にエネルギー、脂質は中型種の方が高く、たんぱく質は大型種の方が多く含まれています。