「2019年18日から学ランで登校します」


俺が学ランの話を初めにはしたのは中三の受験の時親にスカートが嫌だ。ズボンがいいと言いました。でも親には「馬鹿なこと言わないで」と言われブレザータイプでスカートの制服を買いました。入学後どうしてもスカートが嫌で高二になってすぐ養護教諭に性別の話をしてズボンを学校内で交渉してくれることになりました。その条件で親の同意があり、親に直接言うのは抵抗あったので電話で2度目の学ランの願いをしました。その時親に言われたのは「100歩譲ってズボンだけならいい。でも学ランはダメ。本当は成人式に振袖来て欲しかったし女の子として育って欲しかったけどママが女の子を諦めるから、あなたは学ランを諦めなさい。」と言われた。俺は泣きながら何も言わず電話を切りました。そうして一年かけてズボンを着用できました。


でも俺の望みは学ランを着ることでした。高三になって卒業を考えた時、(俺はこの格好で卒業式に出るのか?この中途半端な格好で。)そう思うとしんどくて3度目の親にお願いをしました。するとしょうがないと言って許可をしてもらいました。そしてすぐに学校に学ランの申し出をしました。俺はズボンの時に親の許可があればできると言われたのでわくわくして話に行ったら担任から「事例がないからすぐにはできない」と言われてすごくショックを受けました。俺は先生に「言ってることが違うじゃないか!俺は今まで耐えてきてやっと親から許可をもらったのに」といってその後先生と口をきいてませんでした。

そして学校に話してから1ヶ月、担任からは何も言われず痺れを切らして2者面の時に聞きました。その時の答えは「1度会議をしたが賛成反対が半分ずつくらいで結論がでない」と言われました。その後俺は毎日先生に近況報告を聞きに行きました。ある日、先生の本音が聞けました。「主に反対してるのは校長。結構賛成の先生が増えて何人か校長に話し合ったりしてくれてる。俺も毎日のように校長に話に行ってる。そんでいつも校長の言い訳には筋が通ってない」と聞いた。

そして俺は自ら校長室に行って直接校長から理由を聞きました。先生が言ってた通り筋が通ってないし先延ばしにしたいようにしか思えない回答でした。

 

先生方に学校ではどうにもできないから教育委員会と新聞社にはなしてみれば?と言われ問い合わせて見ました。


↓これは新聞社と教育委員会に提出したものです


↓実際に記事になったものです

これは個人を特定されないために俺の部分を少しだけ入れて貰いました


結果的にはこの記事がでた次の日に校長から許可でました。


学ランを許可してもらうために

・親にカミングアウト

・先生にカミングアウト

・友達にカミングアウト

・学校に自分史の提出

・診断書取得し提出

・事例の収集

・新聞社への問い合わせ

・校長の差別発言の反論作成

・色んな先生の考えを聞いた

LGBTへの配慮を調べた

・校長の差別発言の反論作成

・俺を議題にした10回の全教員会議


時間的に1年かかりました。

結局学ランきて登校できるのは1ヶ月でした。


もちろん学ランになって嬉しかったけど、嬉しいことだけでなかったです。

まず俺がくやしいと思ったのは校長を理解させてあげられなかったことです。校長は年配ということもあって固定概念が強くLGBTに抵抗があり新しいことを受け入れることができない人でした。だからこれからも俺みたいな生徒が出てきた時にその子を理解してあげることができないんじゃないかと思います。だから俺がもっときちんと話して今の時代に馴染めるように理解させたかったです。

あとは、学ランになったことで女子のグループにいることが嫌だという気持ちが強くなりました。

具体的にはクラス40人のうち男子が7人しかいなくて「男子7人は〜」って言う言葉が多くて、クラス全員にカミングアウトしてるのに8人目に入れてもらえませんでした。制服が変わる前は制服が女子だからしょうがないと言い聞かせてたけど制服が変わって悪気ないだろうけど一言にすごく傷つくようになりました。最後の席替えで男子が固まることになって勇気だして俺も固まりにはいりました。授業中とかお昼は一緒にいることができたけど移動とかは置いてかれたりして結局は女子のグループといて、女子のグループにいる自分が気持ち悪くて男子のグループついていけない自分が情けないと思いました。もうすぐ卒業だから我慢するんだって自分に言い聞かせてました。

この男女のグループに関しては誰にも言えず1人でずっと悩んでました。


学ランになって嬉しかったことは、堂々と家の外に出られるようになったことと友達にそっちの方が似合うねって言われたことです。ノンケの人からすると女装してる姿で外に出て自分でも嫌だし女装してるとこを見られるのが嫌でした。だから本当の自分の性の制服が着れたことです。あとは俺の周りは理解してくれる人が多くてみんな応援してくれたし似合ってるって言ってくれたことです。

俺が人のためになったかなって思うことは、学校の校則にズボン着用可ということが書かれたことです。また、学ランの前例を作れたことです。この前例は学校だけじゃなく県の前例になったので他の学校でも前例がないというのが理由にできなくなったことです。このことで勇気をだして自分の性をカミングアウトして好きな制服を着れる人が増えるといいなと思ったし、今の時代対応することになってるから学校も対応しやすくなったのかなと思っています。


俺が学ランになったというのが他県にも広がったらしく、他県では制服の選択を認めるなどトランスジェンダーの人やその他の人も過ごしやすくなってきたかなと思っています。

もちろんLGBTと知られたくなくてずっと1人で我慢してる人もいるので、そうゆう人たちが減ってくるといいなと思います。


偏見も減ってきてはいるので、多様な性が当たり前の時代になって欲しいです。