PVアクセスランキング にほんブログ村



こんにちは、絵本好きな主婦 なおたんです

今回は、1977年に出版された「よあけ」という絵本
全く古さを感じさせない、静かな中に気持ちの高ぶりを感じる読後感です


よあけ

ユリー・シュルヴィッツ/作・画
瀬田貞二/訳
福音館書店
32p、24×26cm



対象
読んであげるなら 4、5歳~
自分で読むなら 小学校低学年~



あらすじ

山に囲まれた湖のそばで、
おじいさんと孫が眠っています

静まりかえった夜、
月が、岩や木の葉をきらめかせます

動くもののない夜の世界から、
あっ、そよ風……

そして、モヤがたちこめる

カエルが飛び込み、鳥が鳴く

辺りが白々し始め、
おじいさんと孫が起きる

そして、ボートを漕ぎ出す………

静かな夜の情景から日の出までを
描いたお話です



想像力を試される

作者のユーリー・シュルヴィッツは、ポーランドのワルシャワで生まれ、
4歳の時に第二次世界大戦が起こったため、あちこちを転々とします
後にアメリカへ渡り、子どもの本の仕事をはじめたそうです

東洋の文芸、美術にも造詣が深く
この「よあけ」は、
唐の詩人、柳宗元の「漁翁」がモチーフになっているということです


漁翁については、こちらをみてね



いや~、漢詩を絵本にするという発想がまず凄い
そして、上手く漁翁の情景が表現されているなぁと思いました
(だいぶポップな感じになってるけどね)


漢詩って何となく水墨画のイメージがあるせいか、白黒の世界で想像してしまいます
(私だけかな?)


「よあけ」は、色味は抑えてあるものの、
ブルーやグレー、グリーンなど
美しい色で夜明けまでの様子が描かれています


私は、絵について全くの素人ですが、
どうやって濁り無く、綺麗にあのような色を出せるのか?
本当に感心してしまいました

特に最後の場面の色合いは本当に美しく、凄いなぁと思います


また、風の音、カエルが飛び込む音、鳥の鳴き声など、
どれ一つとして、音の描写が無いことも特徴的だと思いました


普通は、擬音語などを使って表現されると思うのですが、
そんな記述が無くても、あたかもその音が聴こえて来るような気がするから不思議です


匂いや温度、湿度も同様に身近に感じられるような気がしました


これは、絵本を読みながら、その情景を自然と頭の中でイメージしているからでしょう

湖のそばは、きっと少しジメジメしてるよね?

モヤが出でくると、肌がヒヤッとするよなぁ?

カエルが飛び込んだら、あんな音がするよね?

ボートを漕いだら、オールの擦れる音がするかなぁ?

などと言った具合です



自分の経験や想像からイメージがどんどん膨らんで行きます

キャンプなどをする方なら、より一層リアルに
自然の中での夜明けをイメージ出来るかも知れません


ゆっくりと時間をかけて、絵本の中の情景を想像しながら、
夜明けまでの時間経過をじっくりと味わいたい絵本だと思いました


想像すること、イメージすること
ついつい忘れて、目に見えるものや聞こえるものだけに意識が向きがちで、

自分の勝手な思い込みや、自分が正しいと思うことを相手に押しつけてしまい
後から反省するとかよくあること……

心を落ち着けて、相手のことを考えてみたり、別な角度から見てみたりすることも大切だよなぁ
なんて、考えたのでした

ではまた次回
なおたん でした(・ω・)ノシ



★お時間あればこちらもどうぞ
同じ作者の作品です


ランキングに参加しています
ポチッとして頂けると更新の励みになります
↓↓↓