書く予定はありませんでしたが、さくっと最近のお気に入りの作品たちです!コロナウイルスで外に出れない生活も2ヶ月ほどになって、自粛が始まった日本にお住まいの方々に言いたいのは、思ったよりも太る、です。はい。では、いきましょう!

 

 


 

The Slow Rush/Tame Impala

 

One More Year, Borderline, Breathe Deeper, Tomorrow's Dust, On Track, One More Hour

 

 

まずは2月以降のリリースで1番聞いているのはこちら。今やサイケデリックロックで不動の座を確立したテームインパラによる新譜。絶大な評価を得た前作『Currents』から4年、前作よりも圧倒的に黒くなって、R&B要素が全体的にかなり強まっている印象の今作です。ドラムやベースの音が彼の従来のサイケデリックな音とコーポレートさせているところが流石の一言。自然と体が動いてしまうような心地の良いリズムも今作の好きなところですね。聞きやすさはかなり増しています。「Breathe Deeper」は彼なりの解釈による、マライヤ・キャリーとザ・ネプチューンズの影響からできた曲、というケヴィンのコメントも納得。ファレルと共作していた時の、ヒップホップを取り入れ始めた頃のマライアの音を彷彿させます。この曲は今作のハイライト。アルバムのコンセプトである「時間」というのも、リリックで上手く表現されているのだけれど、こう、なんか、彼が伝えようとしている「時の流れ」というのが、音とアルバムの進行で表現されていて、そこも好きなポイントです。

 

「Tomorrow's Dust」もお気に入りです。夏の終わりを感じさせるような懐かしい音と、過去にしがみ付いても意味がない、時間の速さは人間を待ってはくれない、という内容のリリック。曲の進行がより彼の言葉をスッと流してくれます。個人的に、最近すごく時間の流れ?速さ?を不思議に思う節が多々あって。変化していく自分に環境と、どこか心無しの自分が上手く合致していないような気分というか。まあ何が言いたいかは自分でもよく分かりませんが、時間は不思議です。目に見えないものは全て不思議すぎます。全体として、今作が前作を超えるかは個人差があると思いますが、このアルバムは前作と切り離して聞かれるべきな気がします。今年はコーチェラにもヘッドライナーで出演予定ですが、今の状況ですと厳しいですね。行く予定はありませんが、残念です。


 

 

 

 

Chilombo/Jhené Aiko

 

Triggered, B.S., P*$$Y Fairy, Happiness Over Everything, Tryna Smoke, Party For Me

 

 

隔離生活が始まってからめっきりハマってしまったtik tokで彼女をいじったビデオを見て以来、もう彼女の音楽を聞くたびにそのジョークを思い出し笑いしてしまうのですが、今作はすごく好きでした。前作がかなり実験的なのもあってか数曲以外はあまりノれなかった部分があったのですが、今回はより多くの人に共感を得られるようなリリックとアルバムに仕上がっていますね。特にH.E.R.を招いての「B.S.」なんかは、badassモードがマックスで最高です。「I just met your roommate and I put him on my to do list」なんか、もうこの2人かビヨンセとリアーナにしか歌えないようなライン(あとSZA)。

 

いつも男性のことでグダグダ言いがちな彼女ですが、今作では最後の曲でちゃんとハッピーで前向きな姿で去っていることろが良いですね。「Tryna Smoke」みたいな、もう嫌なことは置いといて、スモークして楽にいこう、みたいなアティチュードが健在なのも好きです。ですが、音楽レビューyoutuberのShawn Ceeがとある動画で言っていたように、どの作品でも同じことを違うトラックに乗せて歌っているように聞こえる、というの少し納得してしまうような。「うわ、すごい!新しい!」みたいな印象は受けづらいかもしれないです。新しい彼女の一面が見えたとは言えなかったかな。とはいえ、何曲かは何度もリピート間違いなしです!



 

KIKI/Kiana Ledé

 

Cancelled., Movin., Chocolate., Forfeit., Second Chances., Honest., Feel A Way., Protection.

 

 

そんな彼女の作品からしばらくしてリリースされたこちら、新星・Kiana Ledéによるデビューアルバム!!多分彼女のこれがあまりにも良くて、前者の印象が薄れてしまったのかも。EPやシングルをここ最近はちょくちょく出していた彼女ですが、やっとのアルバム。アフリカンアメリカン、スウェディッシュ、メキシカン、ネイティブアメリカンの4つの血を引き継ぎ、女優としても活躍する彼女、Youtubeのカバー動画の頃からもう何年も気付いたらたっていますね。Lucky Dayeが参加している先行シングルの「Forfeit.」を聞いた時点でもう今作が確実に良い作品なのは垣間に見えていましたが、アルバムとして流れが綺麗に仕上がっていて、彼女の100%の力が感じられます。喧嘩の最中にいる2人の関係を歌った「Forfeit.」は、「I’m givin’ you one, two, three」のラインがとてもしなやかに歌われていつつ、切なさも感じられて良いです。

 

これ彼女の発声のクセというか、わざとでやっているんだと思うんですけど、「say something」の部分の最後を何度か濁らしているのが好きです。Lucky Dayeもすごく艶やかに歌い上げていて、2人がハモる部分は天国。彼女の歌声はすごく可愛らしいというか、シルクみたいに柔らかいというか、嫋やかなんですよね。一曲目「Cancelled.」出だしの一言も最高です。R&B界隈では同じように上昇中のAri Lennoxとの「Chocolate.」と、Brandyの「Have You Evere?」をサンプリングした「Honest.」あとは過去のパートナーとの関係を振り返る「Protection.」は、最後のビートチェンジが、こうなんとも沁みます。これからがもっと楽しみな彼女です!