白地の着物、美しいですよね。
何というか、凛としているというかなんというか…(ボキャ貧)
ただ、その装いの美しさとは裏腹に、お手入れの面では非常に気を付けないとならないお着物でもあります。
何故かと言うと、それは単純な話で、衣類に限らず、白って汚れやすいんですよ。
白いクルマ、汚れたら目立ちますよね?
白い壁、汚れたら目立ちますよね?
同じように、着物も白いと汚れたら目立ちます。
ただ、厄介なのは、変色する前のシミは濃色の着物に比べて目立たない(=見つけにくい)のに、シミが変色した後では白い着物が最も目立つ、という事実
なので、白い着物は染み抜き屋泣かせでもあります。
「シミが付いたら染み抜きすればいいじゃん。白なんだから、シミを抜くだけで直るでしょ?」
そんな声も聞こえてきそうです。
分かります。言いたいことは、分かります。
ボクも未熟な頃はそう思ってました。
そのシミが抜けるならそれで良いんです。万事解決。
ところが、変色したシミというのは、シミが濃ければ黄ばみが残ってしまうものなんですね。
白地以外の地色の着物の場合、薄く黄ばみが残っても、その部分に色を挿して地色と馴染ませるという方法が使えます。
ところが、白い染料というのは存在しないので、白に何か色を挿して地色の白にするというのは不可能なんですね、これが。
なので、白い着物に変色シミが出たら、シミがどこまで抜けるか?という一点に成否が左右されます。
相変わらず前置きが長くなりましたが、事例です。
白地の着物に変色したシミがあります。
さぁ、どこまで抜くことが出来るか…
よーく見ると、薄っすら黄ばみが残っているのが分かりますかね?
もっと染み抜き出来ないの?と思われるかもしれませんが、変色したシミというのは、変色した時点で生地に大なり小なりダメージを与えている状態なので、染み抜きもそのダメージを勘案しながら行うチキンレースのようなものなんですね。
見通しを誤って崖から落ちる=生地に穴が開く というリスクとのせめぎ合いなのです。
白地のお着物、他のお着物よりもお手入れはマメにされることを強くオススメいたします。
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