妄想⚠





翌日 朝飯の後片付けをしてから和と樹と潤と斗真の店に行って大八車を借りた

下帯や足袋や草鞋を買って露天商を覗いた

小さめの箪笥(タンス)を選んで古着も何枚か買った

帰って庭に大八車を入れて離れの前に止めると和と俺で箪笥を運んで着物とかの風呂敷は樹が持ってきた

荷解きを和と樹に任せて潤と斗真の店に大八車を返して樹の仕事の話しをした

潤「へえ 大野さんとニノの弟子になったか」

斗「行灯なら作れるようになるかもね」

智「さあな?とりあえずうちで面倒見るけどいつまで続くかわかんねえし」

他にやりたいことできたら坂本のじいちゃんに紹介するだけだ

和に頼まれた甘い物を買って帰ると和が台所で昼飯の用意をしてた

樹「俺だけですか?」

和「智とオレはもともとそんなに食べないんだよね」

智「甘い物とお茶が昼飯みたいなもんだ」

3人でいただきますをしてそれぞれ昼飯と甘い物をゆっくり食べた

昼から洗濯と風呂掃除に水汲みと掃除を樹に教えながら一緒にした

和「ふふっ♪なんか懐かしいね♪」

樹「え?」

智「樹みたいに家事を教えたことあるんだ」

優(武人)と俊兄と塚田と五関のことだ

数年しか経ってないのに確かに懐かしいな

3人で夕飯を食べて後片付けして風呂に入って樹が離れに入るのを見守って布団に入った

1週間は家事を教えて3週間は家事と買い物と料理を教えた

樹「行灯はまだ作らなくていいんですか?」

智「ん〜明日作ってみるか」

和「オレが教えるから智は絵を描いて?あの離れ殺風景だから」

智「じゃあ行灯も離れの作って?」

和「うん♪」

樹「あの…嬉しいんですけど仕事はしなくていいんですか?」

和と顔を見合わせて大丈夫って言っといた

次の日 二階の奥の部屋で和が樹に行灯作りを教えて俺は手前の部屋で絵を描いた

夏らしく大海原に昇る太陽にしてみた

早く描いちゃって昼間の穏やかな海と太陽と夕陽に染まる海も描いた♪

和「わー!智♪綺麗だねー!」

樹「す…凄い」

智「行灯はどうなった?」

和に聞きながら樹の両手を見た…やっぱりか

和と樹を連れて翔ちゃんと相葉ちゃんの診療所で診てもらった

翔「これ ニノも作った傷と同じだよね?」

和「翔さん!オレじゃなくて樹だよ!」

雅「はいはい 飲み薬と練り薬作ってるから〜ちょっと待っててね〜」

智「樹 無理したら当分手が使えなくなるって注意しなくてごめんな?」

樹「大野さんが謝ることじゃないです!俺が早く一人前になりたくて…」

翔「樹くん?仕事ってものは頑張って一人前になるものじゃない 日々の積み重ねが大切なことなんだよ?」

雅「飲み薬は朝昼夕で塗り薬は朝昼とお風呂から上がったときに塗ってね?」

智和樹「ありがとうございました」

和と樹を先に行かせてから相葉ちゃんに診察代を払った

智「ところで薬は何日分?」

翔「あれ?言わなかった?」

雅「1週間分だよ」

う〜んそれじゃ家事もそんなにできねえな

…その間は出かけるか

智「…てことで晴れたら海に行こう」

和「やったー♪オニギリ作るね♪」

樹「あの〜仕事は?」

智「世間を知るのも仕事のうちだ」

なんて言ったけど久しぶりに海で釣りだ♪

俺は酒を持って和は弁当持って樹も何か持ちたいって言うから小さい背負い籠に着替えや薬を包んだ風呂敷を入れて背負わせた

これなら手を使わなくて済むもんな

岡田母「まあまあ!智ちゃんに和ちゃんじゃないか!」

和「おばさん 久しぶりー♪」

智「これ酒ね?あとこの子は樹っていうの」

樹「はじめまして 樹です」

岡田母「あら♪可愛い子だね♪そんな堅苦しい話し方はよしとくれ 普通でいいからさ」

樹「はい…じゃなくて…うん」

バシンと岡田の母ちゃんが樹の背中を豪快に叩くから樹がよろけた(笑)

岡田母「いいかい?子どもは子どもらしいのが1番なんだよ?なんでも楽しみな!」

樹「は…うん!」

岡田はもう船で漁に出てるから和と俺は釣りして樹はおばさんと話してた

「連れてきてよかったねぇ♪」

「母ちゃんの言うことが1番効くからな♪」

和も俺も樹の言葉づかいを気にしてた

でも知らないふりをしてたんだ

俺達が教えたほうがいいことと他の人が教えたほうがいいことがあるから

風に乗ってかすかに樹とおばさんの笑い声が聞こえてきた

「笑ったの初めてじゃない?」

「いや?和の料理美味そうに食べてたぞ?」

「そっかーあれも笑ったことになるんだね」

「なんでも少しずつだ」

昼の鐘が聞こえて岡田の家に戻るとおばさんに風呂に入れられた…なぜか樹も

樹「邪魔だから風呂に入ってって…」

和「ふふっ♪言いそう♪」

智「ふふっ♪言うな♪」

樹「ふふふ♪」

人ん家の風呂場で男3人がずっと笑ってた

岡田の母ちゃんは新鮮な魚で刺し身とあら汁を作ってくれた

樹の手の手当てしてから4人でいただきますをして食べた♪

酒は断ってお茶を出してもらった

樹「こんな美味しい魚 食べたことない!」

岡田母「釣りたてだからだよ!あら汁は骨に気をつけるんだよ?刺さると痛いからね?」

樹「ありがとう♪おばさん♪」

和「ふふっ♪母子みたいー♪」

智「ふふっ♪息子は帰りが遅いな?」

なんて話してたら岡田が船で帰ってきた

飯の途中だけど船を陸にあげるのを手伝って樹を紹介した

おばさんの息子だからかすぐ打ち解けてた

帰るときは何度も手を振ってたし

また来ような?