妄想⚠





ちょうど紅葉の頃、俺の父ちゃん母ちゃんが初めて町に来た。

まずは病院に行って、岡田と潤と斗真に短い挨拶をしてお土産を渡した。

次に翔くんと相葉ちゃん家に行ってコーヒーを出してもらって挨拶してお土産を渡した。

和の母ちゃんが治ったきっかけが翔くんだったこともあって長話になった。

それから町の俺達の家に連れてった。



俺の父ちゃん母ちゃんと和と俺でお昼ご飯を食べて山小屋に向かった。

父ちゃんと母ちゃんは山小屋の中を俺に聞きながらゆっくり見て歩いた。

それから外に出て紅葉を眺めてから町の家に戻った。

ホテルなんかないから空き部屋を掃除して、布団を買って2人が泊まれるようにした。

母ちゃんと和が夕ご飯を作ってる間に、俺は父ちゃんと話してた。

「智、よく頑張ったな」

「父ちゃん…」

「実際に見るまでお前がどんなところでどんな暮らしをしてたかわからなかった」

「まあ、そうだろうね」

「ところでヒロシさんは来てるのか?」

「うん。年に1回くらいだけど」

「智、いくら管理を任されてるとはいえ仕事は仕事だ」

「うん?」

「ちゃんと和くんと住む家を探したらどうだと言ってるんだ」

「そっかぁ…そうだよね」

「いつまでもヒロシさんのご厚意に甘えてちゃいけない」

「うん。わかった」

当たり前のように和と住んでたけどヒロシの持ち家で俺は管理を任されてるだけだった。

父ちゃんに言われなかったらずっとこのまま和と暮らしてただろう。

今度の休みに和との新居♡探さなきゃ♡



智のお父さんとお母さんを駅まで送った帰り地主さんの家に行った。

地主「おや?智くんに和くんも。珍しいね」

智「突然すみません。和と住む家がほしいんですけど、ありますか?」

和「智?」

地主「いつ、そう言ってくれるか待ってたんですよ。見に行きますか?」

智「お願いします」

和「お願いします…」

地主さんが案内してくれたお家は平屋だけど車庫があってもう1台車を停められる場所もあった。

家の中に入るとリビングにキッチンと部屋が2つとお風呂とトイレ、洗面所と洗濯機置場もあった。

煙突のついた灯油ストーブも各部屋に照明もついてた。

地主「年を取ると2階はキツイと思ってね」

智「ここ、お借りしていいですか?」

地主「貸すというよりも売る気でいたんだ。数十年家賃を払ってくれたら智くんと和くんの家になるよ」

和「えっ?俺達の家?」

地主さん、そんなこと考えてくれてたんだ。

智「和はどう思う?」

和「なんだか、ありがたすぎて何て言っていいのか…すごく嬉しい」

地主「ははは♪気に入ってくれたようだね」

その日のうちに契約して、次の週には新しいお家で智と暮らしはじめた。

きっと地主さんは智のためにこの家を誰にも貸さずにいてくれたんだね。



「和〜♡新居の初夜だぞ♡」

「智♡いっぱい愛して?俺もいっぱい愛するから♡」

「和っ♡」

智とお互いを与えてるのか与えられてるのかわからないくらい激しく愛し合った♡

これからもこの町でずっと愛し合おうね♡