妄想⚠




森田先生が戻ってきて和に何度か同じことをしてほしいと頼んだ。

和「母にも言いましたが、俺達は北の大地で働いています。明日の昼の飛行機で帰らなきゃいけないんです」

先生「そうだったね。さっきのを繰り返せば二宮さんも良くなるんですが…」

智「和の父ちゃんじゃダメなの?」

だって、和の母ちゃんの家族は和の父ちゃんと和なんだから。



病院から地下鉄で移動して俺ん家に帰った。

智母「おかえりなさい…和くん、大丈夫?」

智「母ちゃん聞いて」

俺が北の大地に行ったことを和が気にしてるって言ったら、

智母「和くん。間違えないでね?智は自分で決めたことなのよ?」

和「でも、智はずっと1人で…」

智「和だって俺に会えなくて寂しくて辛かったんだから、和が気にするなら俺も気にしなきゃなんないだろ?」

智母「そうよ?智だって、本当に1人だったわけじゃないんでしょ?」

智「うん。ヒロシさんも町の人達も翔くんも相葉ちゃんもいたよ。あと、ニノも」

和「そうだよね…母さんと話してたら、つい…ねえ、智、おばさん、聞かなかったことにしてくれる?」

智「和♪元気になった♪」

智母「じゃあ、和くんをもっともっと元気にしましょうか?」

和「え?」

智「へ?」

なぜか3人で夕飯を作ることになった。

智母「智は和くんに愛情込めてハンバーグ。和くんは智に愛情込めてクリームシチュー。私はお父さんのために愛情込めておつまみを作ります!」

和「智のお母さんのお手伝い初めて♪」

智「そうだっけ?」

智母「子どもの頃はこうして3人でオヤツを作ってたのよ?ホットケーキとか」

う〜ん?俺は覚えてないわ。



帰ってきた父ちゃんと4人で酒を飲みながら夕飯というか晩飯を食べた。

父ちゃんにも病院での話を聞いてもらった。

智父「それなら二宮さんが頑張って奥さんを治すしかないな。大変だろうね」

和「俺もできるだけ帰ってきます」

智「和が帰るんなら俺も一緒だからな?」

智母「いつでも帰ってらっしゃい♪」

晩飯を食べ終わった和は和の父ちゃんと話したいって言うから俺も一緒に行った。

和叔母「和くん、智くん、おかえりなさい」

和「叔母さん、ただいま」

智「和の叔母さん、ただいまぁ」

和父「和也、智くん、今日も来てくれて嬉しいよ」

和の叔母さんがコーヒーを入れてくれた。

和「父さん、話があるんだ」

和父「母さんのことだね」

翔くんと電話したこと。森田先生に反対されたけどショック療法をしたこと。森田先生に治療を?続けてほしいと言われたことを和は和の父ちゃんに話した。

和父「俺のこと、お隣のこと、和也のこと、智くんのことを話せばいいんだね?」

和「うん。父さんに辛い思いをさせると思うけど母さんのためにもお願いします」

和父「和也がお願いしなくてもやる気だぞ?やっと母さんのためにしてあげることができたんだから」

和叔母「和くん、智くん、できれば、今夜はこっちに泊まってほしいのだけど」

和と俺は顔を見合ってから頷いた。



智の家から荷物を持ってきて俺の部屋に智が泊まることになった。

智「和の部屋、見るのも入るのも初めてだ」

和「普通でしょ?」

智「なんか、和っぽい?」

なんで俺に聞くのよ…でも、初めて俺の部屋に智が泊まると思うとちょっと嬉しい♪