妄想⚠
病院で働いてる全員に意見を聞いた。
3勤3休1日全員集合は変わらず、午前中は病院で診療、午後は往診に決まった。
そこで町長にお願いして町全体に知らせてもらうことにした。
話を聞いた町長は1つしかない病院のために動いてくれた。
これで万全だと誰もが思っていた。
病院の電話が何度も鳴る…。
相葉ちゃんが対応してるけど大変そうだから俺が代わった。
智「どうしましたか?」
「午後に病院行ったら閉まってたんじゃ!」
智「町からお知らせ届きましたよね?」
「お知らせ?そんなもん知らん!」
智「病院は午前中で午後は往診です」
「この前まで午後もやってた!」
智「勤務体制を戻したんですよ。和が過労で倒れたから。病院の者が無理して倒れたら、患者さんを診られなくなります。そのためにお知らせを配ったんです」
「え?和くんが倒れたのか?」
智「はい。ですから病院には午前中来て欲しいんです」
「そうか…わかった」
同じような電話が延々と続いて、応対してた俺はもう疲れてしまった。
休憩室でお昼を食べながら電話の内容を話すと翔ちゃんが町長に電話した。
翔「ちゃんとお知らせ配ってくれたって」
智「じゃあ、届いたけど読んでない?」
雅「俺は助かったけど斗真、大丈夫かな?」
和「ねえ、商店街のおじさんおばさんにも協力してもらったら?」
その手があったか!
お年寄りは商店街が好きだから、そこで噂になったら必ず耳に入る♪
さっそく商店街に行って話好きのおじさんとおばさん何人かに話したら協力してくれた♪
念の為にスーパーの店長さんに話したら胸を叩いて任せろって言ってくれた♪
次の日には病院の電話が半分以下になって、その次の日には問い合わせが無くなった。
「和、凄えな♪」
「ふふっ♪智の顔が広いからだよ」
「てか、お知らせ、封筒にも入ってなかったからチラシだと思って捨てちゃったのかも」
「うん…俺も最初はそう思ったし」
ちょっとだけ町長のケチとか思っちゃった。
でも、できるだけのことはしてくれたんだ。
感謝しなきゃな。
そしてとうとう和と旅行に行く日になった。
智「いってきまぁす」
和「お土産楽しみにしててね」
翔雅潤斗岡「いってらっしゃい」
タクシーなんてないから俺の車で駅に行く。
車は帰りも使うから置いておく。
電車に乗って、乗り換えて、空港に着いた。
「お土産どれにしようか?」
「う〜ん?ベタなやつでよくね?」
白い恋○やロ○ズの有名なお菓子と美味そうなツマミみたいなのを選んだ。
「ちょっと緊張してきた」
「俺も。実家に帰るだけなのになぁ」
そう。この旅行は里帰り(?)なんだ。
和は数年ぶり。俺は十数年ぶりに家族に顔を見せることになる。
父ちゃんも母ちゃんも元気かな?