妄想⚠
翔さんと相葉さんがいない病院は…思ってたよりもハードだった。
岡田先生と一緒に患者さんの話を聞いて智と一緒に患者さんの手当てをして斗真にカルテを持っていく。
あ、お年寄りの希望者だけね。
その間、潤くん1人で往診に行ってる。
潤くんは看護師だから、先生じゃないと対処できないことは戻ってから申し送りして午後の診察が終わってから岡田先生1人で往診に出かけるんだ…やれやれ。
「ぁ゙〜づかれた〜」
「和、お疲れ様…でもさ、変じゃね?」
「なにが〜?」
「だって、翔くんと相葉ちゃんと和で回してた頃は午後に往診してただろ?」
そうなんだ。診察が必要な患者さんは午前中に来て薬や湿布を替えるとかガーゼを替える患者さんは午後に来てたはずだ。
「だから〜患者さんが増えたんだって〜」
「和も大変だけど岡田もなぁ…」
和は6日間休みなしで、岡田は朝から晩まで仕事してる。
これで夜中に緊急事態が起こったら和も岡田も身が持たないだろう。
「智は山小屋大丈夫なの?」
「全員集合の日に行ってるよ」
「俺も久しぶりに行きたい」
「う〜ん?和は休んでたほうがよくね?」
食事は和のリクエストでずっとハンバーグかハンバーガーだから食べてくれてる。
食べないよりいいけどもっと栄養もとらないと躰に悪いし…休みは和食にするか。
なんとか無事に3日が経って翔くんと相葉ちゃんが帰ってきた。
2人とも顔がツヤツヤしてて楽しい旅行だったってわかった。
次の日から岡田と松潤と斗真は3連休。
でも、和は(俺もだけど)休めない。
俺も手伝ってるけど、看護師にしかできない仕事は和がするしかないんだ。
和は頑張ってた。残りの3日が終わって往診の翔くんと相葉ちゃんを見送って帰ろうとしたら和が倒れたー!
「翔くん!和が倒れた!」
「どこにいるの?」
「病院の前!」
「じゃあ、病院に入って熱と血圧はかって?それを雅紀に教えて?」
「わかった!」
閉めたばかりの玄関の鍵を開けて和を抱っこして診察室の診察台に寝かせた。
電気をつけてから和の熱と血圧をはかって、相葉ちゃんに電話して伝えた。
「翔ちゃんに代わるね…智くんニノと家に帰っててくれる?遅くなるけど診にいくから」
「うん…和を頼みます」
和の車の後部座席に布団を敷いて和を抱っこして連れてきて寝かせた。
病院の戸締まりしてから車を走らせた。
家に帰って和を着替えさせてベッドに寝かせると手を握って頭を撫ぜてた。
もしかして過労かも。出勤日数や休みの日数も変わった上に今の倍の日にち仕事してた。
翔ちゃんと相葉ちゃんの旅行のことで、和を倒れるまで疲れさせてしまった。
じいちゃんばあちゃんのワガママきかなきゃよかった。
和がこんなことになるなら和に休んでもらって俺だけ病院行けばよかった。
そうだよ。じいちゃんばあちゃんは和か俺って言ってたのに。
「智くん!ニノは!?」
翔くんと相葉ちゃんが来てくれたとき、俺は泣いていた。
「やっぱり山小屋はいいね」
「冬は帰れなくなるから来られないけどな」
「心配かけてごめんね?」
「いや、和は悪くない」
和は過労からくる風邪だった。翔くんの処置で事なきを得たけど病院の勤務体制を改めてもらうことにした。また、和が、誰かが倒れないようにと。