妄想⚠
とにかく、弘兄に疑問をぶつけた。
俺達の部屋に何で居る?
YOUと2人っきりで何してた?
どうして急に思い出したんだ?
何で部屋に閉じ籠もってるんだ?
「いっぺんに聞くな。お前とYOUの土産持ってきたんだ。斗真も一緒だから変な誤解すんなよ」
「斗真と代わって」
仕方ねぇなぁ…斗真、代われって…何で?とか俺に言うなよ。大野に聞け…。
弘兄の声しか聞こえなかったけど。
「…大野さん?」
「土産持ってっただけでYOUが閉じ籠もる必要ねぇよな?全部話せ」
「えっ?殆ど弘利が話してたし…なんか記憶が無い間のYOUのこと教えてたよ」
「はぁ?弘兄に代わって!」
今度はすぐ電話に出た弘兄に怒鳴った。
「どうしてそんなこと話したんだ!!」
「詳しくは帰ってきてからって言ったの忘れたか?お前、仕事だろ?」
むぅ…そりゃあ仕事だし楽しみにしてたけど、それとこれとは違うだろ!
「じゃあ、早く寝ろ。万が一YOUが出てっても連れ戻すから心配すんな」
言いたいことだけ言って切れた…。
そんなんで寝られると思ってんのか!?
だけど、身についた習性はライブの為にいつも通りの睡眠を俺に与えた。
リハの後、ルーティンを済ませて本番に挑む日々…。
その間、YOUからも弘兄からも斗真からも連絡が来なかった。
何だか寂しくて…でも、何だか悔しくて俺からも連絡しないまま家に帰った。
「ただいま…」
「…おかえり」
「ゆ、YOU!?」
ずっと部屋に籠もってるなんて思ってなかった。
でも、お出迎えしてくれるなんて!って感激したまま躰が動いてしまい…ガバッと抱きついてキスしながら抱き上げ寝室に運んでった。
…また軽くなってる。
ベッドに降ろす前に思わず顔を見たら…能面になってたー!
お出迎えが嬉しくて…つい、いつも通りにしてたけど。
この数日、会話も何も無かったんだ…。
「ごめん…話が先だよな」
「私が悪いと思う…」
「それは違うぞ?話すの嫌なら…」
「ううん…聞いてくれるの?」
「もちろんだ」
部屋着に着替えたりリビングに移動して酒じゃない飲み物を用意してYOUと一緒にタバコを1本吸い終わると、
「…弘くんが記憶のない間の私のことを教えてくれたの」
「うん…」
こないだの逆恨み(?)だけじゃなくて20歳のYOUが現れてYOUの中に戻るまでのことも聞いたんだって。
「弘くんは私が可哀想だったって。私が思い出さなきゃダメだって。だからまた治療(?)を受けたの…」
そして、思い出したYOUに弘兄が預かってたと言って1ヶ月住んでたアパートの契約書とか通帳とかを渡したって。
「…何回も出逢ってきたけど、あのYOUも忘れないで欲しいって」
「あ…ごめん。やっぱり俺が悪い…」
「違うの。私がお芝居したりしたから…智にも皆にも。ごめんなさい…」
「その前に聞いていいか?」
1番の謎は部屋に籠もってたことだ。
どうしても知りたかった。
~俺達をお見送りした後のYOU~
あまり待つことなく搭乗して1人で家に帰ってきた。
荷物を片付けたり洗濯したりが終わってタバコ吸ってたら弘兄と斗真が来た。
お土産を持ってきてくれた2人にお礼を言ってコーヒーを出して一緒に飲んだ。
すぐに、弘兄から記憶が無い間のことを聞いて思い出して欲しいと言われた。
クリニックも予約してあって3人で行くことになった。
治療が成功して家に帰って弘兄から通帳とかを受け取ったYOUはトイレに行ってから2人に声を掛けて部屋に籠もった。
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「そこだ!どうして…」
「取り乱す姿を見られたくなかったの」
弘兄と斗真に気を遣って?…何だか似たようなこと、俺も言われたよな?
気になるけど話を進めることにした。
「何て声かけたんだ?」
「頭とか色々整理したいから部屋に籠もってるね。お土産ありがとう」
「その、頭とかの整理って?」
「その時の気持ちになって前後の記憶と繋げる?みたいなことかな?」
「他には?」
「え?」
「スマホ放置してただろ?」
人のこと言えないって思うけど俺に何も知らせずに連絡を断つことは…出てったときばっかだし。
「その…弘くんの置き手紙に智と話したことが書いてあったの。でも、まだ私は落ち着いてなくて、智に上手く伝えられないって思ったから…」
「そのとき俺と話したらどうなる?」
YOUは俺から視線を外して何やら考えてると思うけど最初は困ってた顔が徐々に苦悩満ちた表情に変わってった…。
「智を傷付けることは言いたくない」
「俺はYOUを傷付けた。何度も何度も。心も躰も…だから聞かせてくれ」
「私は普通の状態じゃなくて、家出したときと比べものにならないくらい頭が、精神が、心が、酷いことになってるの。例え私が傷付いたとしても智を傷付けていいことにはならないよ」
むぅ…ホントに頑固だな。
でも、それ程までにYOUが言いたがらないってことは…言ったらダメなこと?
放送禁止用語的な?…違う。俺が傷付くことなんだろ?
「もう、考えないで…」
両手で顔を覆ってしまったYOU…このまま何も聞かなければいいのか?
今、YOUが傷付いてる…俺のせいで。