「ザ・ファイブ・ブラッズ」
Netflixオリジナル映画。


監督 
「スパイク・リー」

出演
「デルロイ・リンドー」
「ノーム・ルイス」
「クラーク・ピータース」
イザイア・ウィットロック・Jr」
「チャドウィック・ボーズマン」
「ポール・ウォルター・ハウザー」
「ジャン・レノ」



簡単なあらすじ 〜
ベトナム戦争で戦死した隊長(チャドウィック・ボーズマン)の遺骨と金塊を回収するべく、再びベトナムに訪れた帰還兵たちを描いたヒューマンドラマ。



〜 感想 〜
スパイク・リー監督の新たな傑作で、おそらく今年ナンバー1の映画でした。
とてもタイムリーな映画で、戦争や差別社会を黒人の視点で描いた、まさに今観るべき映画でした。

ベトナム戦争当時の写真や映像を使用して、中にはすごくショッキングな物もありましたが、忘れてはいけないというスパイク・リー監督の強い想いが伝わりました。また劇中では「ベトナム戦争」のことを「アメリカ戦争」と称しており、とても印象的でした。またコッポラ監督の名作映画「地獄の黙示録」のオマージュが多く、回想シーンやボートで川を上流する場面は「地獄の黙示録」を参考にしたんだろうな〜 ってところが多かったです。

あと主演のデルロイ・リンドーの鬼気迫る圧巻の演技…
アメリカではアカデミー賞に値するくらい素晴らしいと絶賛されています。また脇を固めるクラーク・ピータース、ジャン・レノ、ポール・ウォルター・ハウザー、そして物語のキーであるチャドウィック・ボーズマンも完璧でした。


あと凝ってるな〜 って思ったところが一つ。
現代から戦争の回想シーンに移行する所が、良かったです。回想シーンに入ると画面のサイズが代わって、16mmフィルムで撮影しているらしく、すぐにこれは現代、これは回想と すごく分かりやすい撮り方で良かったです。でも回想シーンも主人公たちが若返り風のCGやメイクもせずに、そのままだったのが少し ん? って思ってしまい、調べてもリー監督のこだわりなのか単に予算が足りなかったのかが分からなかったです笑
 

〜 評価 〜 

常に強いメッセージを発信するスパイク・リー監督だけど、今作も「ブラック・クランズマン」同様にかなり攻めた映画でした。トランプ大統領のことを「疫病大統領」と言い、今現在のアメリカ政府を猛烈に批判していました。物議を醸す映画ではありすが、現在アメリカの各地でデモや抗議が起こっているこのご時世。これは今こそ観て欲しい映画です。