久しぶりに新聞をじっくりみた。


で、何気なく投稿欄を見て、何気なく住所を見た。


あ、うちの街やん。


で、何気なく名前を見た。


げ、あの人やんゲロー


その投稿は


テレビでたまたま見かけた有名人から自分の父親の介護中にあったエピソードを振り返っているものだった。

まあ、こういう介護のちょっとあったまるエピソードって新聞社って載せるよね。

良い人っぽいもんね🪾



じっと名前をみる。

モヤモヤが襲ってくる。



いや、別に悪い人ではなかった。

…最初はあったかい母のような人だと思っていた。

いっつもニッコリして、ふんわりとして、決して人を悪く言わないような。

…………そんな人と思っていた。


🌳🌳🌳🌳🌳🌳

最初のあれ!?は自分が言った事なのに訂正してくれなかった事。


なおぷうが初めて窓口業務部署に配属されて、いつお昼に行けば良いのかわからないため、課長補佐だったその人に聞いた。


いつお昼休憩に行けば良いですか?

ニコニコ「空いた時に行ってくれたら良いよ。行った人と交代でずらしてとってくれたら。」


あぁ、そうなんだと納得して、交代でとっていた。


そんなある日、パワハラ課長に呼ばれた。


お昼休憩は12時から12時45分と決まっているでしょ!?

なんで、そんな遅くまで行ってるの!



私はビックリした。


いえ、交代だと聞いて…。

課長補佐に…


そんなの時間は決まっているに決まっているでしょ。今まで何年働いてきたのよびっくりマーク


課長は吐き捨てるように言い捨てて去った。

少し離れた所に課長補佐はいた。


真顔聞こえてないように平然としていた。


…………聞こえてなかったのだろうか。

アナタが言った事を守ってたので叱られたのに。

それが、第一のあれ?だった。


課長補佐は課長のお気に入りで、その事で全く追及される事はなかった。



🪾🪾🪾🪾🪾🪾🪾🪾🪾

なおぷうはその後も

休憩から帰る時にトイレに寄るから遅くなるだの、出張を車でなく電車で行きたいと言ったら驚いたように叱られ、有休を取りたいと言ったらネチネチ言われ、何年仕事しているのと叱られ、かなり限界がきていた。

身体が強張り、いつも職場に行きたくないと考えていた。


いつも穏やかな課長補佐なら気持ちをわかってくれるかもしれない。課長にとりなししてくれるかもしれない。

たまたま車で2人になった時にしんどい気持ちを打ち明けてみた。


すると、課長補佐は同調してくれるわけでなく


真顔「なおぷうも入って年数経ってるからなぁ」

と課長と同じ事を言った。


なおぷうは、まさか課長補佐からもこんな言葉を聞くとは思わなかった


🫥🫥🫥🫥🫥🫥🫥🫥🫥🫥


なおぷうが悪いのか。

そんなに仕事が出来ないのか。

当然の事を言われているだけなのか。

毎日毎日、小言を聞くたびに、心を動かすまいとする。嵐をやり過ごす小鳥のようにじっと


ここには誰も味方がいない。

辞めたい辞めたい。

こんな所に毎日いるのは地獄だ。

病気になりそうだ。

辞めよう。辞めよう。

…………でも、ローン、教育費、生活費

どうする。



暗い心で折れそうになって帰った時に

子どもたちの明るい「おかえりぃ~」の声だけが救いだった。

あれがなければ私は精神を崩していたに違いない。



🪾🪾🪾🪾🪾🪾🪾🪾🪾🪾🪾🪾🪾

幸い限界が近いなおぷうの声を人事が拾ってくれて、異動になったわけだが。


あの時、

なおぷうは自己肯定感がものすごく下がった。

仕事が出来ないひとなんだ。

前の課ではそれなりに頼りにされていたのに。


…が。

異動した先では、なおぷうは何も変わっていないにも関わらず

一ヶ月も過ぎないぐらいでも

仕事が出来ない人と思われていなかった。

自分で言うのも何だが、重宝されている。

直接褒められたり

頼りにされたり

仕事を振られ過ぎたり…

…はあるが。



その後、なおぷうの異動と同時に課長補佐は辞めた。

パワハラ課長はその人には花束を用意して拍手し、皆で囲んで写真撮影までした。


それとうってかわってなおぷうともう一人の異動は異動の挨拶さえする時間を与えなかった。

なおぷう達の挨拶を待って席に座ってくれていた人もいたのに。

無視。


あ、これは人として

社会人として終わってるな

と思った。

それを見ても課長補佐も何も言わなかった。



恐らく、あの課長補佐は自分の身を守りたかったのだと思う。

そうは思う。悪い人ではなかった。


けれど。

立ち向かうのは無理にしても

2人きりの時ぐらい少しは慰めてくれても

少しぐらいこちらの気持ちを聞いてくれても

良かったのではないか。


少し経って、その人は

アルバイトで入ってきた。


なおぷうはちょっとだけ良い人だから

普通に話しかけた。

でも、

フラッシュバックのようにあの苦い思い出が蘇る。

それで

しんどくなって話すのをやめ

見かけたら避けるようになった。


時間が経ってみると

良い人だと思っていたけど、

本当に良い人だったのか

よくわからない。


新聞でもう一度名前をみて

穏やかな記事なのに嫌な気持ちになるのを感じて

やっぱり複雑だなと

2度と開かないように新聞を紙ごみに入れ込んだ。