人生の意味/キャロル・アドリエンヌ | なおぱんだのひとりごと。 ~読書と日々に思うこと~

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なおぱんだです。
北の国から、読んだ本、買った本、大好きな曲、そして日々思うことなどをポツリポツリと書いてます。

 

  

人生における失敗、後悔、困難などの負の影響を乗り越えて、いかに自分の理想に基づいた価値のある人生を送るかという目標に向かうための指南書です。本を詰めていた箱を再び開いた時に、一番上に載っていたので手に取ってみました。この手の作品はあまり読む機会がないのですが、以前にタイトルがちょっと気になって買っていました。

 

作品の柱になっているのは、「人生に起こる出来事には全て価値がある」ということです。その価値に気がつかないまま不幸な人生を送るのか、それともその価値に触れる機会を逃すことなく有意義な未来を手に入れるのかは、その人それぞれの考え方や行動によって左右されるということをテーマの中心にしています。それは成功だけでなく、失敗したことにも価値を見いだし、それまでの人生の過ちに気づいて正していこうとする行動にヒントを与えてくれます。その経験を手中にした人たちのインタビューなども織り混ぜながら、人生の意味について深く考察を加えていく内容には、思わず納得させられるところがあります。

 

ただどうしても違和感を覚えるのは、作者がスピリチュアル・カウンセラーを名乗っているだけあって、人生に神、宇宙、心霊、前世、守護霊などの影響を否定しないところです。経験者たちの大半も、今の人生は神の加護によるものであり、それがなければ自分の人生は闇のままであったとしているところは、宗教感の違いが如実に現れているなと感じました。いろいろな考え方がある中で、神の存在は否定しないまでも、人生が神の導きによるものだという考え方は、私には他責に過ぎて共感できませんでした。その上で最後まで読み通したのは、それ以外に共感できる部分がたくさんあったからです。人生に前向きに生きようと考えている人は、この作品は一つの指針となりえるかなと思います。