セーヌの川辺/池澤夏樹 セーヌの川辺 (集英社文庫)/池澤夏樹 '05年にフランスに移住した著者が、異国で過ごした間に感じてきた日本への想いについて、'06年から2年半の間に文芸誌に連載したエッセイ集で、異国にいることで気がついた日仏の文化や政治の違いや当時の時事的な話題などをまとめたものです。ちょっと難しくて政治的な話題でも、著者の抑制された文章によってとても読みやすく書かれていて、世界中で勃発するさまざまな問題が身近に感じられます。著者の書く小説も面白いですが、個人の意見を伝えるエッセイをとても興味深く読ませてくれるところが気に入ってます。