本日は物語!「ずっと一緒に…」 | NPO法人ねこけん Official Blog

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2011年9月22日に立ち上げた新猫ボランティア団体『NPO法人ねこけん』の公式ブログ

*本日は物語*

「ずっと一緒に…」
私は、この家に住んでいるおばあちゃんに可愛がられている猫。
美しいキジ模様と、足先が白いのが自慢の尻尾の長い猫。
私はこの家のおばあちゃんが大好き。

(※写真はイメージです)

この家は、おばあちゃんと、その娘夫婦が住んでいる。
でも、私は、この若夫婦が好きじゃない。
だって、いつも私とおばあちゃんが、縁側で日向ぼっこをしていると
「お母さん!汚いわよ。そんな野良猫家に上げて!」
とか、
「野良猫は野良で生きていけるんだから、餌付けなんてしないでよ。居つくと困るでしょ!」なんて言うから。
 
おまけに、何時のまにか、白い中型犬を買って来て、庭に小屋を置いて飼い始めた。
お陰で、私は大好きなおばあちぁんに会いに来るたびに、あいつに吠え付かれて、怖いの何のって。
 
そんな時、おばあちゃんは、
「これ!シロや。タマは、いい子なんだから、吠えないでおくれ」って言ってくれるの。
すると、あいつは静かになるけど、おばあちゃんが居ないときは、それはそれは酷いもんよ。
全く犬ってやつは、自分って物がないらしくて、何でもご主人様の言いなりなんだから。
 
私は、毎日寝床を出ると、おばあちゃんと日向ぼっこをしに、あの家に行く。
美味しい御飯も、おやつもくれる。
おばあちゃんの家までは、塀を越えて、道を渡って、5分も掛からない。
 
雨の日は、行かれないけど、晴れは必ず来るから、空腹を抱えてじっと我慢をする。
そして、翌日には、またおばあちゃんに会いに行く。
そんな毎日が、私の毎日。
 
ところが…ある日、おばあちゃんの家に行ったら、いつも縁側で待っていてくれるおばあちゃんの姿がない。
私は、「おばあちゃん~!」と何度も呼んでみた。
 
すると、またあの白いやつに、吠え掛かられた。
全く、嫌なやつ!
 
家の中から、若い夫婦が出てきた。
 
「ああ、野良猫ね。お母さんは、亡くなったから、あんたに御飯をあげる人は居ないよ。シッシッ!」
 
おばあちゃんの娘は、私に向かって、あっちへ行けとばかりに手のひらをひらひらと振った。
こうして、私は、長年おばあちゃんと日向ぼっこをして過ごした縁側から追い出された。
 
「おばあちゃん、もう居ないんだ…。おばあちゃん…」私は、どうしようもない寂しさに襲われて、その日は、一日中塀の上からおばあちゃんの縁側を眺めて過ごした。
 
夜になり、私は心にぽっかり穴があいたまま、寝床に戻るしか無かった。
私は、寂しかった。
 
翌日から、私は御飯にありつくために、少し離れた公園まで行った。
その公園には、地域猫と呼ばれる猫達が数匹いて、毎日御飯を貰っている。
私は、地域猫達の隙を見て、その残りを急いで胃袋に納めると、走って逃げた。
何故なら時々、縄張りを守るボス猫に見つかって追い払われて、怖い思いをするから。そんな日は、悲しい心のまま、空腹を抱えたまま寝るしかなかったから。

おばあちゃんに会えない寂しさを抱えたまま、
数週間たった。
そんなある日、私は、あまりの寂しさから、もしかしたら、おばあちゃんが、居るかもしれないと、むなしい希望を抱き、またあの家に向かった。
何もしなくても、自然と、足が向いてしまうし…。
でも、
「やっぱり、おばあちゃんは居ないんだ…」
悲しい現実を味わうだけだった。
それでも、なんとなく離れがたくて塀の上から、懐かしい縁側を眺めていると…
「何か違う…」
そう、いつもとは何かが違うのだ。
そうか!人の気配が無いんだ。
ドアも、窓も閉まったまま、人の出入りもない。声もしない。
でも、庭では、あの嫌な白いやつが、小屋の中で蹲っている。
 
「また、吠え掛かられるかな。あいつ、嫌なやつだから」と思いながらも、
そ~っと小屋に近づいた。
 
中を覗くと…
 
あいつがうずくまっている。
 
私は今まで吠え掛かられていた事を思い出して、少し嫌味でも言ってやろうと、
「ねえ、あんたどうしたの?いつものように、吠え掛かって私を追い払わないの?」
と声をかけた。
 
あいつは、少し頭をこちらに向けた。
あれっ?明らかに痩せて元気が無い。
水のお皿も、ご飯のお皿もからっぽだった。
よく見ると、中の毛布も湿っているようで、あいつは小刻みに震えながら、何かに耐えていた。
 
「ちょっと、あんたどうしたの?あんたの飼い主はどうしたの?」」
 
すると、あいつは
「俺 は捨てられた。置いていかれたんだ。俺はこうして、死を待つしかないんだ。家族は引っ越した。俺は、何日も家族が迎えに来てくれるのを待っていた。だっ て、家族なんだから。俺だけ置いてきぼりなんてありえないと思ったから…。でも、もうご主人は帰って来ないんだ。俺を置き去りにして、引っ越してしまっ た…俺は家族じゃなかったんだ」
そう言うと、また蹲った。
 
人間は、なんて身勝手なんだろう!
改めて、悲しみと寂しさが込み上げて来た。
 
繋いだまま置き去りなんて…
 
それにしても、犬ってやつは、ご主人様が居ないと、こんなにも、弱弱しい生き物なの?
 
私は、急いでゴミ箱を漁ると、鶏肉を見つけた。
そして、あいつに持って行った。
 
「食べなさいよ。食べないと死んでしまうよ」
 
でも、あいつはうずくまったままだ。
 
「ねえ!このまま死んで良いの?もっとあんたの事を大切に思ってくれる人間が現れるかも知れないじゃない!生きなくちゃ!食べなさいよ!」
 
すると、あいつは暫く私を見つめた後、鶏肉の匂いを嗅いだ。
そして、鼻先で肉をつつくと、一口で飲み込んだ。
 
ゴクリ
 
痩せた喉を肉が通るのが見えた。
 
あいつは、空を見上げて
 
「ありがとう…」
そう言った。
 
翌日から、私は、あいつの為に、何か食べられそうな物を探しては、持っていってやった。
 
ある日、私は大きな肉の塊を見つけた。急いでシロに持って行き、二人で分けた。
久しぶりのご馳走を飲み込んだ後、あいつがぽつりと言った
「ありがとう、俺、そい言えば、シロって名前だったんだな。長らく呼ばれていなかったら、忘れてた(苦笑)」
「シロね~。良くある名前ね。あんた真っ白だもんね」
「あんただって、タマって言うんだろう?猫に良くある名前じゃないか」
お互いに憎まれ口をきいた後、私たちは、久しぶりに笑いあった。
そして、その日から、私はシロの小屋で一緒に寝る事にした。
2匹でいると、暖かくて安心出来た。
 
数日たったある日、私が、かまぼこを加えて、庭の塀の上を歩いていると、庭の中を1人の女の人が覗き込んでいた。
 
「此処かな?置き去りになっている犬が繋がれているって通報が有った場所は?」
そう言いながら、女性は、門から大きく体を乗り出した。
「あっ!犬が居る!大変!」そういうと、女性はどこかへ走って行ってしまった。
 
暫くすると、女性は数人の人間と一緒に戻って来た。
そして
「大家さん、あそこです!このままだと死んでしまいます」と言いながら、庭に入ってきた。
シロは人間が大好きだから、やせ細った足腰でよろめきながらも立ち上がり、尻尾を振った。
 
「あああ!可哀想に!こんなに痩せて!よく今まで生きてこられたわね」
 
そして、シロはすぐに大きなケージに入れられて、どこかへ運ばれて行った。
ワンワンとシロの弱弱しく吠える声が、どんどん小さくなり、やがて聞こえなくなった。
私は、一人、庭の塀の上に残された。
その夜、シロは戻って来なかった。
 
あくる日も、その翌日も、私は鶏肉やちくわを見つけて、シロが帰って来ているかもしれないと思って、小屋に持ち帰った。
しかし、シロは居なかった。
 
「また、一人になってしまったのね…」
私は、おばあちゃんがいなくなった時と同じくらい、寂しかった。
 
寂しさで押しつぶされそうになりながら、私は相変わらず、毎日シロの匂いが染みつた小屋で寝ていた。匂いが有る、それだけで、少し寂しさがまぎれた。
 
更に数日が過ぎ、数ヶ月が過ぎた。
私は歳を取ったのか、体が思うように動かない日が続いた。
シロのボロボロの小屋で、寝ている時間が増えた。
 
「ワンワン!」
 
遠くに、聞き覚えのある、何故か懐かしい声が聞こえる。
 
「ワンワン!」
その声は段々と大きくなった。
 
「ワンワン!ワンワン!」
 
犬の声?シロ?シロなの?
私は、だるい体を起こして、小屋の外を見た。
 
シロ!?シロなの!!
 
そこには、懐かしい、私が何日も何日も待ち続けたシロが居た!
シロは、見るからに健康そうで、肉つきも良く見違えるくらい元気だった。
 
「俺、やっと来られた!あの日から、タマの事が心配で心配で。でも、なかなか抜け出せなくて。ごめんね!タマ!」
そういうと、私の顔をペロペロと舐めた。
 
「シロ!止めてったら。くすぐったいから」
久しぶりに笑った。
 
すると「シロ丸!シロ丸!どこなの?どこ??」
人間の女性が、何かを探している声がした。
そして、その女性は門から庭を覗き込んだ
「あっ!シロ丸!やっぱり、ココに来ていたの!探したのよ!」
そういいながら、小屋に近づいて来た。
そして、シロの首輪に繋がった紐を掴んだ。
 
その時、私と女性の目が合った。
「あらっ?猫?えっ?どうしたの?」
 
シロは、私を舐めながら、尻尾を振っている
 
「もしかして…。獣医さんが言っていたけど、シロ丸があれだけ生きていられたのは、何か食べていられたからだって。繋がれていたシロ丸が、どうして何かを食べられたのか、謎だったのだけど、そうか!仲間が居たのね。この猫さんがそうなのよね?」
女性は、小屋の周囲に散らばって干からびている、食べ物の残骸を見ながらそう呟いた。
 
シロは「ワンワン」と嬉しそうに鳴いている。
 
「分かった!シロ丸、あなたの恩人なら、家族にならなきゃね!ねえ、猫さん、あなた人間が怖い?」
 
シロは、私を見ながら言った
「タマ、この人間は大丈夫。優しい人間だから、怖がらないで大丈夫なんだよ。さぁ、一緒に帰ろう!」
 
その人間は、私の頭をそっと撫でた。
そして、ゆっくりと私を抱かかえ、着ていたカーディガンで包んだ。
「可哀想に。こんなに痩せて。私がもっと早く気づいていれば…。あなたとシロは家族だったのね。ごめんなさい。ごめんね。寂しかったね。辛かったね。ごめんね」

その女性の言葉は、私の寂しさで固まった心に響いた。
暖かい…。そして、優しい…。目から熱い物が流れた。
シロは、私の涙を舐めている。
私は、そのまま、じっとしていた。
 
女性は、私を抱えたまま、「ごめんね、ごめんね」と謝りながら歩いた。そして、一軒の家に着いた。
シロは「此処が家だよ。ここでまた一緒に暮らせるんだ」と言った。
 
その日から、私はシロと一緒に、御飯を食べ、シロと一緒に寝ている。
食べ物を探す必要も、寂しさに震える事もない。
大好きなシロといつも一緒だ。
そう、あの小屋で暮らしていた昔と同じように。

「シロ丸とタマは、本当に仲良しね。まるで兄弟みたいね」
女性は、私たちに御飯を出しながら、そういうと優しく笑った。
 
「そういえば、シロ、あんた、ここでもシロって名前なんだね」
「タマだって、また同じ「タマ」って名前だ」
私たちは、数ヶ月ぶりに、同じ話題で笑いあった。
何も変わらない笑顔と、一緒にいる幸せも変わらない。
変わったのは、私たちは家族になった事。
 
そして、今も、私はシロと暮らしている。
 
私の体は、シロと同じくらい白くて綺麗な小さい箱に入れられ、私の居場所は、シロの寝床の横に有る箪笥の上になったが、今でも私はシロと暮らしている。

「あら?シロ、またタマの写真眺めているの?大丈夫よ、タマはずっと此処にいるからね。家族なんだから、ずっと一緒よ…」
 
今でも一緒に。
これからもずっと一緒に…

***終わり***


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