「暖かい闇の中で」※このお話はフィクションですが、とても考えさせられます
私は、三毛猫です。
十数年、飼い猫として、優しい飼い主と暮らしていました。
私は、凄く歳を取りました。
目はだんだんと見えにくくなり、歯は、硬いドライフードが食べられなくなりました。
鼻も聞きにくく、関節も硬くなって来ました。
でも、私は毎日柔らかい御飯と、綺麗なお水、温かい座布団の上で、日向ぼっこをして過ごしていました。
抱っこが大好きな私を、飼い主は時間さえあれば抱っこして撫でてくれました。
ある日、私の飼い主は「散歩に行ってくるね」と言って出掛け、帰って来た時には、小さい仔猫を抱いていました。
「タマ~、フラッと立ち寄ったペットショップで、余りにも可愛いから買っちゃった。面倒を見てあげてね」
そういうと、小さい仔猫を部屋に放しました。
仔猫は可愛いのですが、私が寝ていても、体がだるくても、関節が痛くて静かに歩いていても、とても元気にじゃれて来ます。
体当たりや、まだ加減の分からない力で噛み付いて来ます。
走り回り、はしゃいでいます。
私は、だんだんと仔猫が煩わしくなり、部屋の隅に有るテレビの裏で静かにしている時間が増えました。
飼い主は、どんどん成長する仔猫をとても可愛がっていました。
時々、私が抱っこをせがみに行っても、飼い主の膝には仔猫が居ました。
すごすごと、テレビの裏に戻る私の姿は、飼い主の目には見えていないようでした。
ところが、数日後「タマ~」
久しぶりに、飼い主に呼ばれ、喜んで声のする方へ歩いて行くと、私を抱っこしてくれました。
私は、嬉しくて、ゴロゴロと喉を鳴らしました。
しかし、私はキャリーに入れられました。
そして、私の入ったキャリーバックを抱えて、外に出ました。
「何処へ行くの?」
私の声は届いていないようです。
暫く歩き、知らない公園に着きました。
「タマ。ここなら誰か拾ってくれると思うから。歯が抜けて、臭いも凄いし、仔猫で手一杯になっちゃったから。早く誰かに拾われるんだよ」
そういうと、私の首輪を外し、私を地面に置いて、帰ってしまいました。
私は、走って追いかける事が出来ませんでした。
何故なら、目が良く見えないので、飼い主がどちらの方向へ帰ったのか、此処が何処なのか見ることが出来なかったからです。
必死に、利き難くなった鼻で臭いを探り、聞こえにくくなった耳で音を探り、硬い地面を歩くことが無かった肉球に痛みを感じながらも、歩きはじめました。
時々、人間の声が聞こえ、私は「ここは何処ですか?私は家に帰りたいのです」と言っても、
「病気の猫かもしれないから、触っちゃダメよ」
「付いて来ちゃうから、触らないの!」と聞こえるだけで、誰も私を抱き上げてはくれません。
私は、自分の力で帰るしかないようでした。
そして、私は知らないうちに、道路に出てしまっていたようです。
ブッブー!
車のクラクションが鳴りますが、私は今何処をどう歩いているのかさえ、分かりません。
とにかく、歩くしかありません。
久しぶりに天気の良い日曜日と有って、車も人の往来も多い中、母と一緒に買い物に出た玉枝は、車で帰宅する途中だった。
「ねぇ、お母さん、前の車急に速度落としたけど、何か落ちているのかしら?」
「さぁ~?公園の近くだから、子供のボールが転がって来たとか?」
運転していた母は、さして気にも留めず、適当に返事を返した。
その時、数台前を走っていた車が、急に大きく右に逸れ、何かを避けた。
「危ない!!動物でも轢かれているのかな?」
「えっ??」
玉枝は目を凝らして、先の道路を見つめた。
「んんん?何か居る!狸?かな?お母さん!速度落として!」
玉枝の目に映ったのは、交通量の激しい通りを、よろよろと横断する猫の姿だった。
「危ない!車停めて!このままだと、あの猫轢かれてしまう!」
そう言うと、車から降りて、よろける猫の元へ走り出した。
「玉枝!危ない!」
キキーッ!
1台の車が急ブレーキをかけた。
「危ないぞ!」
「すみません!猫が!」
玉枝は、ドライバーに頭を下げると急いで猫を抱かかえ、車に戻った。
そして、シートに体を埋め、我に返り、「あっ!猫暴れるかな?」と、腕に力を入れようとした。
しかし、玉枝の腕の中で、ヨロヨロと歩いていた猫はゴロゴロと嬉しそうに喉を鳴らしていた。
「ええ?この子、ぜんぜん暴れないし、何か喜んでいる。飼い猫かな?首輪の跡は有るみたいだけど…あっ!目が真っ白!見えていないんだ!瞳が真っ白!」
車の往来の激しい通りを、よろけながら歩いていた意味を理解した玉枝の目から、大粒の涙が溢れ出した。
「お母さん、このまま獣医さんに行こう。この子、怪我とかしていたら大変だし。見えない目で、何処へ行こうとしていたのかな?この子どれだけ怖い思いをしながら歩いていたのかな?」
母は、車を病院へ向けた。
つづく
◆ねこけん里親会◆
日時 2月10日(日)午後1時~午後5時
場所 東京都板橋区志村1-32-25
交通 都営三田線 志村坂上駅下車 徒歩約5分
スーパーサントクの前( コインパーキングあり)
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※里親さんへのお願い
下記URLより、条件・契約書をご確認ください。
①終生飼育 ②完全室内飼養 ③不妊・去勢手術 ④医療費の負担 などの条件や、里親さんになっていただく手順などを記載しています。
http://ameblo.jp/naoofjapan/theme-10043762276.html
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