幸せな最期~第二章~ | NPO法人ねこけん Official Blog

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2011年9月22日に立ち上げた新猫ボランティア団体『NPO法人ねこけん』の公式ブログ

※昨日のブログをご存じない方は下記をご一読下さい。


下記のお話を書いてくれた多国籍さん は、マキちゃん(男の子です)の転院をお手伝い下さり、私と一緒にマキちゃんへ花を手向けて下さったメンバーの1人です。

以下より多国籍さん目線で書かれたマキちゃんのお話。

~多国籍さんからブログを転載させて頂きます~

(※ブログの途中で顎のない子猫の写真が出てきます。見たくない方はご注意ください。)


~~~~~~~~~~~~~~~~~

無邪気な仔猫が事故に遭った…


助けを求めて必死に鳴きました。
砕けた下あごから血液が流れていた。それでも仔猫は鳴き続けた。
女性が一人通りかかる。その女性は仔猫を見て、心を痛めます。
どうしても気になり、引き返してそのまま獣医さんへ駆け込みました。

「僕は、痛かった…体のどこかが痛かった。だけど、何が自分に起きているかは分からなかったんだ。
ただただ、痛くて、お腹が空いて…ひたすらお母さんを呼んだ…
でもね、誰も来てくれなかったんだ。
でも、女の人が通りかかって、僕を見た。でも、行っちゃった。
僕、暑いし苦しいし、元気がなくなってきて…もう寝てしまおうと思った。
寝てしまえば、何か楽になる気がしたから。
でもね、その女の人は戻ってきて、僕を抱えて籠に入れてお医者さんという所に連れて行ったんだ。
僕はね、痛いよりも、お腹が空いて、心細かったから、女の人が優しく話しかけてくれて嬉かった。」


獣医さんの診断結果は、安楽死
砕けた下あごの状態はかなり深刻。
舌もだらりと出ていて、目も白濁していたそうです。
それでも、女性はあきらめませんでした。

そして、答えるかのように、仔猫は、砕けた下あごの骨の破片を落としながらも、生きていました。
女性は点滴だけで、仔猫が死ぬのを待っているような状態に耐え切れず、ボランティアを探して、Mさんにたどり着きました。そして、仔猫の事を相談しました。

Mさんはスタッフを連れてすぐに動きました。
保護主の女性は、悲惨な状態の仔猫でも、治療が出来るなら、治療をして、家に家族として迎えたいと願っていました。
高額の入院費を払いながら、治療が出来るまで経過観察していては、仔猫の命が危ぶまれるし、そう長くは持たない、それなら積極的な治療にかけたいと思う、その保護主さんの心に答えたかったし、仔猫を救いたかった。
相談の結果、信頼できる病院を紹介し、転院させて、積極的な治療をする事になりました。

「あのね、新しいお医者さんと、おじさんやおばさん、お姉さんやお兄さんに、一杯撫でて貰ったんだ~。抱っこして貰ったし、可愛い可愛い、頑張れ、早く良くなるように!って、励ましてもらったんだ!超~元気出ちゃう!でもさ、僕のお口は何で動かないのかな?時々ズキズキするから、手でガシ!ってやると白い硬いものがパラパラ落ちるの…!イッタ~イ~。でも、みんが僕を撫でてくれる。超気分いいから肩に上っちゃう~!」

多国籍の犬猫な毎日(おティんクな気分で)-201207291214001.jpg

見た目は元気な仔猫。でも、足も腫れている箇所が有り、少しびっこをひいています。
細かく調べてみると、砕けた顎の骨が喉の奥まで入り、喉をふさいでいるような状態。更には、数日そのままになっていたので、壊死が始まり首の下まで進行している。更には、舌が裂けて、今にも落ちそうで有った事が判明。
強烈な腐敗臭を放つ、仔猫を救うべく、緊急手術で顎の壊死を取り除き、顎の砕けた骨を除去する事になりました。

「僕ね、みんなから頑張れ!手術したら、家族が出来るよ!頑張るんだよって、励まされた。僕さぁ~、何が起こっているのか、良く分からないんだけど?でも、みんなが撫でてくれるから嬉しい~、撫でて貰うと超ハイテンションになっちゃう!肩まで上っちゃうね」

その場に居たみんなが、仔猫が元気に走り回る姿を、家族に迎えられて幸せそうにご飯を食べる姿を信じていました。

多国籍の犬猫な毎日(おティんクな気分で)-201207291214000.jpg


しかし…空の上から、ずっと仔猫を見守っていた、一人の女性が居ました。
虹の橋を渡ろうと思った時、仔猫の声を聞きました。
女性は、そのまま虹の橋を渡ろうと足を踏み出しましたが、しばらく仔猫の声に耳を傾け、その足を戻しました。
女性は、仔猫を発見した女の人が戻ってきて仔猫を抱き上げてから、仔猫の手術が始まるまで、ずっと寄り添い見守り続けていました。

仔猫は、その場に居る誰もが気付かない、「その女性」が近づいて来るのを感じていました。近くにいるのを感じていました。
「お姉さん、だ~れ?僕はね、今手術を受けているの。フワフワして何も分からないけど、痛くないし、お腹も空いていないよ。お姉さん、僕の事撫でてくれるの?」
お姉さんは、仔猫の頭を撫でました。そして、仔猫を抱き上げて、「一緒に行きましょう」と言いました。

「僕、お姉さんと行く~楽しそうだモン。それに、僕ね、沢山の人に抱っこして貰って、撫でて貰ったから、超ハイテンションなの。僕を助けてくれた女の人に、ありがとうって言わなくちゃ。いっぱいいっぱいありがとうね。僕さ、お姉さんと行くね。また逢えるから待っててね。いつかきっとね~」

手術は終わりました。仔猫は逝ってしまいました。
手術は上手くいき、あとは麻酔から目覚めるだけだったのに、無邪気な仔猫は無邪気なまま、お姉さんの腕に包まれながら、無邪気な笑顔で、無邪気なハイテンションのまま、自分の怪我の事を一切気が付かないまま…。仔猫は、無邪気にはしゃいで麻酔から醒める体力を残していなかったのかも知れません。人間の手の温もりを感じるだけで精一杯な状態だったのかも知れませんが、そんな状態でも仔猫は無邪気にグルーミングをしていました。

多国籍の犬猫な毎日(おティんクな気分で)-201207291503002.jpg

仔猫が、どんな事故に遭って、あのような大怪我をしたのか?
仔猫が、最後まで、甘えて無邪気に振舞っていたのは何故か?
何故、仔猫は逝ってしまったのか?
何故、仔猫の腐敗臭いが離れないのか…


保護主の女性は、優しくて暖かい方です。
仔猫の名前も決めて、待っていました。
強烈な腐敗臭を漂わせる、顎の砕けた仔猫を家族に迎えようと申し出る、暖かい優しい方です。


保護主さん、ボラ、獣医師のみんなの「仔猫を救いたい」と願う気持ちが、仔猫を数日この世に留まらせてくれたのかも知れません。
仔猫は、最後に暖かい心に包まれて旅立ちました。仔猫が生まれ変わるときに、また優しさに包まれて生まれてくるように。


怪我をしている動物を見かけたら、そのまま通り過ぎないで下さい。
怪我を負いながらも、その命は生きることを諦めていません。
人間の優しい心で、勇気を振り絞り、保護してあげて下さい。

お願いします。

「僕ね、お姉さんと一緒に橋を渡ったんだ。今ね、沢山の猫のお兄ちゃんや、お姉ちゃんと遊んでいるの。僕ね、人間の女の人にも男の人にもたくさぁ~ん撫でて貰っているんだよ。僕のゴロゴロが、あの助けてくれた女の人にも聞こえるかな~?」

多国籍の犬猫な毎日(おティんクな気分で)-201207291213000.jpg



仔猫の名前はマキアートのマキちゃんでした。
マキちゃんのご冥福をお祈り申し上げます。


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多国籍さん、いつもありがとうございます<m(__)m>


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