前回の記事をご存じない方は下記をご一読下さい。
疥癬の照美ちゃんからお手紙が届きましたので、ご紹介させて頂きます。
多国籍さん からのブログ転載となります☆
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拝啓
あなたは、日に日に酷くなる痒みと痛みに苦しみに耐えた事はありますか?
例えば…裸で体中蚊に刺されたとして、その痒みがどんどん酷くなり、掻き毟っても血が滲んでも、掻きすぎて皮膚が黒ずみガサガサになり剥がれ落ちても…消えることも薄れることも無い、痒みと痛み。
あなたは、たった一人で耐えられますか?
私は、気が遠くなる程の時間を、痒みに耐えながら、出口の見えない地獄を味わいながら1人で生きていました。
今の私の容貌は、酷いものです。毛は抜け落ち、まぶたは腫れ、皮膚がボロボロになり、黒ずんでいます。「気持ち悪い」と言われた事も有りますが、本当にそうかも知れません。
昔から、こんな酷い毛並みでは有りませんでした。
若々しい肌に、真っ白な毛と、黒い毛のコントラストが、とても美しく、毛並みの良さは私の自慢でした。
白い顔に、マスクを被ったような黒い毛が特徴の、白黒猫でした。
最初は、ほんの少しの痒みでした。
それが日に日に痒みが増してきて、私はいつも体を掻き毟っていました。
どんどん強くなる痒みと戦いながらも、私はいつもご飯をくれる人間なら、この痒みを消してくれるのではないかと、人間に訴えました。
「体中が痒いのです。痒くて痒くて、おかしくなりそうです。助けて下さい」
しかし、その人はご飯はくれても「毛が抜けて来たね」「いつも体を掻いているね」「皮膚病みたいね」と言いながらも、痒みを消してはくれませんでした。
舐めても、掻いても、消えない強烈な痒み。
私はいつしか、痒みに耐えることしか頭になくなってしまい、草の上での昼寝も、ガレージの上での日向ぼっこも、仲間とのグルーミングも、何もかもが「無」に思えて、ただひたすら体中を掻き毟り続けました。いつ消えるのか分からない、そしていつ抜け出せるのか分からない、苦しみのトンネルの中で救いを求め彷徨うような毎日を過ごしていました。
ある日の夜、いつもとは違う人間が2人、籠のような物を持って現れました。
私は注意深く、そして彼女らに見つからないように、観察をする事にしました。
2人の女性は、なにやら怪我をしている猫を捕獲して治療しようと話しているようでした。
籠の中に、凄く良い香りのご飯を入れて、彼女達はその場を離れて行きました。
私は、籠の中の匂いに釣られましたが、油断をしないように暫く様子を見ていました。
彼女達は、辺りをウロウロとしながら、怪我の猫を探していました。
数時間はたったでしょうか?
私は、人間の手が届かないガレージの屋根に上がり、その様子を見張っていました。
あの人間達は猫を助けようとしている…。悪い人間ではないようね…
すると、2人のうちの、おばさんの方が、私に気が付いて屋根の下まで来て、話しかけて来ました。
「あら!どうしたの~?ん?あなた、疥癬になっていない?痒いでしょう?目は見えているの?暗くてよく見えないけど、疥癬みたいだよね?ねえ、大丈夫?」
私は、その時、少しだけ希望が見えた気がしました。この出口の見えない、苦しみから抜け出せる出口が出来るかもしれない…
「はい。とても痒い。毎日地獄の苦しみに耐えています」
私の声はかすれて、失われかけていました。
おばさんは、急いでもう一人の若い女性を呼んで来ました。
若い女性も私を見て即!「暗くてよく見えないけど、疥癬っぽい…。間違いないと思う。保護しましょう!」と言いました
私は、彼女達が私を苦しみから救ってくれる人間だと確信しました。
そして、彼女達は籠の中のご飯を変えてその場を、また離れようとしました。
私は、それには見向きもせず、急いで彼女達を追いかけました。すこし離れた場所で2人の女性は何か話をしています。
私は、その横の自転車置き場の台の上に上がり、視界に入る位置に座りながら会話を聞いていました。
彼女達は怪我の猫をどうやって保護するか、疥癬の猫を保護したあと、治療してどうするか等話し合っていました。
そして…、彼女達は私に気が付き、おばさんがまた、近寄って来ました。
少し明るいその場所で、顔を近づけてまじまじと私を観察し、そっと指を出して来ました。
私は、そのおばさんの指先に鼻を近づけて挨拶をしました。
「痒いのです。お願いします。お薬を下さい。でも、私に触れてはいけません。痒みが移るかも知れない。この苦しみは私1人で充分です」
しかし、おばさんは、なおも私に近づきました。若い方の女性が言いました。「保護しましょう!ネットでいけるかも!」
私は、この人達が私を救ってくれる、この苦しみから救ってくれる。ならば、生きなくては!と思い、おばさんが手に持って差し出した容器から夢中でご飯を食べました。
その瞬間、若い女性が持っていたネットが私の体を包みました。
えっ!と思いながらも、私は叫びました
「私に触らないで!あなたにこの苦しみが移ってしまう!手を離して!私に触らないで!」
私は、優しいこの人間達に、地獄の苦しみは味合わせたくなかった。夢中で逃げようとしました。
しかし、若い女性は、ネットの入り口の手をしっかりと握り、離すことは無かったのです。
それは、絶対助ける!という彼女の気持ちの現れだったと思います。
そして、私の体をケージに押し込みました。
「疥癬は治る!すぐに治るから!」と言われ、私は迷惑をかける事を承知で、助けて貰う道を選びました。「お願いします」
もう日付が変わろうとしていました。
私は、病院に運ばれ、注射を打たれました。
「2週間後にもう1回注射だよ。それと他の子と隔離して。お風呂場が良いと思う」と獣医さんに言われました。
今私は、若い女性の家のバスルームの中のケージで生活しています。
何の不満も不自由も有りません。
若い女性は、時間が有る度に、私の様子を見に来てくれます。
そして、話しかけ遊んでくれます。
清潔なトイレに柔らかいベッド。
何よりも、薄紙を剥ぐように、あの長年の苦しみが薄れて行くのです。
今までは、痒みで死んだ皮膚が剥がれ落ちていましたが、今は痒みが剥がれ落ちて行く。
私は、生きている喜びを何年ぶりに体中に感じながら、毎日新たに生まれてくる皮膚と希望に喜びすら感じています。
ありがとう。助けてくれてありがとう。
1ヶ月もしたら、私は元のようになれるようです。
名前も貰いました。
この先の私の猫生に太陽が照るように、美しさを取り戻すように…
「照美」
1ヵ月後、またお手紙を書きます。
次にお会いする時は、元の姿の照美で会いましょう。
敬具
あなたの住んでいる地球には、沢山の猫が居ます。動物も地球上で生きています。
毎日見かける猫。ご飯を食べに来る猫。近所に住んでいる猫。
彼らが、怪我をしたり、病気になっていたら、見てみぬ振りをする前に、区役所やボランテイァに相談してみて下さい。
苦しむ動物を見捨てるより、助けるきっかけを作って下さい。
「責任を取らされるかも」「猫を押し付けられるかも」「沢山お金がかかるかも」そんな心配をするより、まずは相談です。解決へのきっかけを作るハードルを自分で高くしないでください。
命は大切。動物にも優しい街って、優しい人が住んでいる、安心して住める街ですよね。
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現在の照美ちゃんは日に日に元気を取り戻しており、今では声も出せるようになりました☆
私は人懐っこくて性格の良い照美ちゃんが大好きです。
照美ちゃんと出会わせてくれた神様に感謝します
照美ちゃん、今まで大変だった分いっぱいいっぱい幸せになろ~ね
多国籍さん、素敵なブログを書いて下さり、ありがとうございました<m(__)m>
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