雨の日は窓の向こうに | 肖像写真〜歳を重ねても美しい人へ〜
朝起きると微かに感じる雨の気配。
カーテンを開けるまでは
わからないほどの
静かな雨の日。
パジャマ姿のままで
脚立に上って
フワリと広がる
今日だけの空を
吸い込んでみる。
遠くの方まで見渡して
毎日、違う空。
それから、
毎日違うはずの自分。
私の日常。
私の写真。
伝えたいのは
「写真」じゃないし
「景色」でも無い。
そこに宿る、
私と、
「あなた」の感じた透明な何かだ。
そこにあった
「刻の一齣」
私が気付かなければ
流れて消えてしまうような
この「雨のような」もの。
だから、
窓を開けてみよう。
向こう側に何があるのかは
それまでは誰にも分からない。