役所広司主演PERFECT DAYSの映画監督ヴィム・ヴェンダース

最新映画を見てきた。

アンゼルム”傷ついた世界”の芸術家
 
戦後ドイツを代表する芸術家であるアンゼルム・キーファーの生涯と、
その現在を追ったドキュメンタリー。
アンゼルム・キーファーという人を私は知らなかった。
キーファーヴェンダースと同じ1945年生まれ。
ナチスや戦争、神話などをテーマに、絵画、彫刻、建築など多彩な表現で
壮大な世界を創造する戦後ドイツを代表する芸術家とのこと。
7月中旬まで青山のギャラリーで展覧会があり、映画を見る前に見に行こうか
と思っていたのだが、連日の猛暑で行きそびれた絶望
来年、京都・二条城で大規模展覧会が開催されるらしい。
 

3D映画なので、IMAXで使うメガネサングラスを持参し、チケット売場で
このメガネサングラスで大丈夫か?と聞くと、対応してないかもしれないと。
尋ねた映画館スタッフの方が、他のスタッフさんに聞いてくれたが、
その方は「あ~、合わないって方がいらっしゃった。」と仰るので
メガネ代100円をケチって、折角の映像が台無しになっては、と
メガネ付きチケットにした。
 
結果、やはり買って良かったIMAXので見たが、3Dでなく、
ぼや~っとした映像になっていた滝汗
しかしやたら3Dメガネサングラスが家に溜まっていく。
私は見てないが、私以外の家族3人がジュラシックワールドを見に行った時の3本が別にある。
これってどんどんメガネは進化してるのかな?
ならば、潔く捨てるべきね。
 
さて肝心の映画の感想。
上の写真のようなドレスドレスが野外にたくさん置かれ、女性のささやき声で
謎めいた詩が音楽と共に流れるシーンから始まった。
3D映像の美しさと幻想的な音声に「おお~っ!とそれだけで感動。
 
その後はキーファーの作品制作風景。
工場を買い取ってアトリエにしたという広大な敷地内を自転車自転車で移動し、
材料を集めたり、巨大な作品を移動させたりし、新たな作品をアシスタント(それとも弟子?)達と制作。
そしてキーファーの子供時代から現在までのストーリーをヴェンダースの孫甥とキーファーの息子が演じる。
 

こちらは一番最後のシーン
 
最初は感動したけれど、あとはなんというか、美しいという他は
特に楽しいとか悲しいとかいう感情はなし。
ただ、キーファーの過去と現在を見るのみ。
基本ドキュメンタリーだしね。
ヴェンダースの映画ってこういう感じが多いかな!?
PARFECT DAYSはそれなりに楽しかったが。
パリ・テキサスは好きな映画だ)
 
昔、ヴェンダース監督の「ベルリン天使の詩」カンヌ国際映画祭
賞をとったから、どうしても見たいと思った。
それで先輩に「面白いから見に行きましょう。」と誘った。
先輩はメジャーな映画が好きな人だったから
終了した後、ものすごく気まずくなった。
私自身も面白いと思えなかったし。
でも優しい先輩だったから「なんか、難しかったね〜」と微笑んで(苦笑い?)くれた。
賞をとったからといって万人受けする映画ではないのだと当時若かった私は初めて知った。
 
今回、友達を誘って見に行った。
見終えた後「ベルリン天使の詩」の時の二の舞になるかと焦った。
でも友達は3D映画を初めて見たので、それだけで感動してたし
いつもあちこちの美術館へ行き、昔は絵を習ってた人で
芸術的なものは好きな人。
「誘ってくれてありがとう。」と言ってくれ、ほっとした。
 
キーファーは戦後ナチスの暗い歴史に目を背けようとする世論に反し、
ナチス式の敬礼を揶揄する作品を制作するなど、タブーに挑戦する作家として
美術界の反発を生みながらも注目を浴びる存在となったそうだ。
そんな彼はナチス・ドイツに迫害されたユダヤ人の国イスラエルパレスチナ人に対する仕打ちをどう思ってるのか。
その思いを表す作品を制作するだろうか?
 
来年の二条城での展覧会が気になってきている。