玉ノ井親方の

視点

「流れは琴櫻のものだったが、ちょっとした判断ミスが明暗を分けた」


<大相撲名古屋場所12日目>

豊昇龍(右)は首投げで

琴櫻を下す


<大相撲名古屋場所>

◇十二日目◇


○豊昇龍

(首投げ)

琴櫻


(2024年7月25日)

ドルフィンズアリーナ


 

   相撲の流れは完全に琴櫻のものだった。


 だが、ちょっとした判断ミスが勝負の明暗を分けることになった。


 結論から言えば琴櫻は左が入ったところで、そちら側に出ていくべきだった。しかし右も入っていたため、真っ正直に正面に出ていってしまった。


 豊昇龍の右からの投げはある程度予想されたこと。相手の腕がちょうど自分の首に掛かってしまい、投げられてしまった。差した左側に出ていれば、その投げも食わなかっただろう。もしくは、差した左で相手を横に振っていれば展開も変わっていたはずだ。


 ただ、あの場面は勝負どころ。攻め急いだという見方もできるが、がむしゃらに前に出ていくことは決して悪いことではない。最後は豊昇龍のしぶとさがまさった。相手の粘り勝ちということだろう。


 これでトップの照ノ富士とは3差に開いた。しかし、まだ場所が終わったわけではない。残り3日、何が起きるか分からないのが相撲。大関として優勝争いに絡むことはもちろん大事だが、負けて覚えることも多い。このまま次につながる相撲を取ってほしい。

 

(元大関・栃東



照ノ富士 

阿炎を寄り切り13日目Vの可能性浮上 

貴景勝に勝ち、3敗勢が総崩れなら

大相撲名古屋場所
12日目
照ノ富士(左)は
阿炎を寄り切る


横綱・照ノ富士(32=伊勢ケ浜部屋)が関脇・阿炎(30=錣山部屋)を寄り切り、11勝目を挙げて13日目にも通算10度目の優勝が決まる可能性が出てきた。

 照ノ富士が大関・貴景勝(27=常磐山部屋)に勝って1敗をキープし、3敗で追う大関・豊昇龍(25=立浪部屋)、平幕・隆の勝(29=常磐山部屋)、美ノ海(31=木瀬部屋)がいずれも敗れると、場所を2日残して、15年初場所の白鵬(現宮城野親方)以来9年ぶりの13日目優勝が決まる