【玉ノ井親方の目】 

大関・琴櫻が若元春に辛勝 「優勝を意識しているのか動きが悪い。

キーマンは豊昇龍」

<大相撲夏場所12日目>

若元春(右)を

すくい投げで敗る琴櫻



 ◇大相撲夏場所12日目

2024年5月23日 両国国技館



 2敗でトップに立っていた湘南乃海が阿炎に敗れ、賜杯争いは3敗に4人、4敗に7人が並ぶ大混戦の様相を呈してきた。


 その中で番付が一番上の琴櫻が、優勝に最も近いポジションにいるように思えるが、相撲内容は心もとない。


 若元春戦も危なかった。当たってすぐに相手得意の左四つを許し、一気に土俵際まで追い込まれた。そこで何とか我慢して、投げの打ち合いに持ち込んだものの、流れは悪かった。結果的に若元春が自分で体勢を崩し、自滅のような形で勝ち星を拾った。

 優勝を意識して体が硬くなっているのか、動きが悪い。若元春が土俵際で消極的にならずに最後まで押し切る覚悟で寄っていたら結果は変わっていただろう。


 琴櫻にはまだ豊昇龍戦も残っている。ここからの3日間をどうしのいでいくか、正念場だ。

 一方、ここにきて調子を上げているのが豊昇龍だ。御嶽海戦も当たってすぐに右で上手を引いて胸を合わせ、優勝経験のある元大関に何もさせずにそのまま寄り切った。

 

 立ち合いで少しずれて当たったり、大の里戦のように右差しを狙ったりと相手に応じて取り口を変えており、そのための細かい動きもしっかりとできている。

 賜杯のゆくえを左右する

キーマンになりそうだ。


(元大関・栃東


2敗の湘南乃海敗れる 


3敗で

琴櫻、

大の里、

欧勝馬

と並び優勝争い大混戦! 


大関・豊昇龍は勝ち越し決める


大相撲夏場所は23日、東京・両国国技館で12日目の取組が行われ、大関・豊昇龍(25=立浪部屋)が西前頭7枚目・御嶽海(31=出羽海部屋)を寄り切り、8勝4敗で勝ち越しを決めた。

 

大関・琴櫻は関脇・若元春と対戦。軍配は琴櫻に上がったが、物言いがついた。しかし、軍配通りとなって琴櫻はすくい投げで勝ち。3敗を守った。

 2敗で優勝候補筆頭の湘南乃海は、西関脇・阿炎に押し出され、3敗目を喫した。湘南乃海が首位から陥落、優勝争いはし烈を極めることとなった。


 3敗の西前頭筆頭・大栄翔は、西前頭5枚目・明生に勝ち越され、4敗に後退した。

 対して、同じく3敗の西前頭14枚目・欧勝馬は西前頭9枚目・正代をはたき込み、4連勝。まげを掴んでいたか協議する場面があったが、掴んでいないとの判断が下された。


 注目の優勝候補対決となった西前頭16枚目・宝富士と西小結・大の里の一戦は、大の里が押し出しで勝利。9勝目をマークした。大の里は明日、6連敗中の西前頭4枚目・宇良と対戦する。

 復帰4日目の高安は、連勝の勢いをそのままに西前頭3枚目・翔猿をはたき込みで下し、6勝目を挙げた。


 12日目を終え、

首位は9勝3敗の

琴櫻、

大の里、

湘南乃海、

欧勝馬

の4力士となった。


 今場所は3年ぶり三役復帰の朝乃山と春場所で110年ぶりの新入幕優勝を成し遂げた尊富士が初日から休場。2日目から横綱・照ノ富士と大関・貴景勝、3日目から高安、7日目には大関・霧島と関脇・若元春が休場し、三役以上9人のうち5人が不在の異常事態となった。高安は9日目の20日から再出場するも、11日目からは再入幕の水戸龍の休場が発表された。




ஐ*°~ஐ*°~ஐ*°~ஐ…





5月26日(日)
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