【玉ノ井親方 視点】

全く良いところなし…先行き不安な照ノ富士 

大の里は出足良かった


【玉ノ井親方 視点】全く良いところなし…先行き不安な照ノ富士 大の里は出足良かった

<大相撲夏場所初日>
すくい投げで大の里(右)に
敗れた照ノ富士

◇大相撲夏場所
初日
(2024年5月12日
両国国技館)



初日は誰でも動きが硬くなるものだが、照ノ富士の相撲は全く良いところがなかった。ぶっつけ本番の状態だったとはいえ、先行きに不安を感じさせる内容。大の里にもろ差しを許し、下がりながら小手に振って起死回生を狙ったが、両足で踏ん張ることができず、あっさり寄り切られた。古傷の膝の状態が思わしくない様子で、取組後に右膝を伸ばす動きを繰り返していたのが気になった。


砂だらけの体で
土俵を後にする照ノ富士

 受けて立つ立場の横綱とは対照的に、挑戦者の大の里は思い切って当たれる分、出足も良かった。場所前に未成年の弟弟子と飲酒し、協会から処分を受ける不名誉な出来事もあった。それだけに土俵上で結果を出そうという気持ちは強かったはず。横綱戦の初白星は大きな自信になる。ただ、場所はまだ始まったばかり。喜びすぎず、気を引き締めて取ることが大事だ。


(元大関・栃東