【玉ノ井親方 視点】
全く良いところなし…先行き不安な照ノ富士
大の里は出足良かった
初日は誰でも動きが硬くなるものだが、照ノ富士の相撲は全く良いところがなかった。ぶっつけ本番の状態だったとはいえ、先行きに不安を感じさせる内容。大の里にもろ差しを許し、下がりながら小手に振って起死回生を狙ったが、両足で踏ん張ることができず、あっさり寄り切られた。古傷の膝の状態が思わしくない様子で、取組後に右膝を伸ばす動きを繰り返していたのが気になった。
土俵を後にする照ノ富士
受けて立つ立場の横綱とは対照的に、挑戦者の大の里は思い切って当たれる分、出足も良かった。場所前に未成年の弟弟子と飲酒し、協会から処分を受ける不名誉な出来事もあった。それだけに土俵上で結果を出そうという気持ちは強かったはず。横綱戦の初白星は大きな自信になる。ただ、場所はまだ始まったばかり。喜びすぎず、気を引き締めて取ることが大事だ。
(元大関・栃東)
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