令和６年大相撲初場所千穐楽



【玉ノ井親方・視点】

琴ノ若は昇進確実も
油断禁物　
すぐ追い越されるぞ


 ＜大相撲初場所千秋楽＞

琴ノ若（右）を寄り切りで下し
優勝を決めた照ノ富士　

◇大相撲初場所千秋楽

2024年１月２８日　
東京・両国国技館


　見事な照ノ富士の優勝だった。決定戦では琴ノ若にもろ差しを許したが、左から振って相手の意識をそちら側に向けさせ、逆側の右を素早く巻き返した。こうなれば横綱の形。最後はもろ差しになって勝負を決めた。一枚も二枚も横綱が上と感じさせる内容だった。

　今場所の序盤は３場所連続休場からの回復途上で相撲勘が戻らず、危なっかしい動きも見られた。本人は勝負できると思って出場してきたのだろうが、よくぞここまで取り切ったと頭の下がる思いだ。

　一方の琴ノ若は善戦した。本割と決定戦で横綱の強さを肌で感じ、改めて倒してやろうという闘志が湧いてきたのではないか。これで来場所の大関昇進は確実。ただ本当の勝負はこれからだ。

大関は常に優勝争いに絡む成績が求められる。熱海富士や大の里ら力のある若手も出てきている。油断しているとすぐに追い越されると肝に銘じて精進することだ。

（元大関・栃東）


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