【玉ノ井親方 視点】照が宇良にあれだけの相撲が取れたということは、順調に仕上がって戻ってきた証拠


 
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玉ノ井親方評論 

照ノ富士は敗れはしたが、下半身に力を入れて取れていた
<大相撲初場所・2日目>
照ノ富士(左)を
寄り切りで破った若元春
(撮影・藤山 由理)

大相撲初場所2日目

○若元春
(寄り切り)
  ●照ノ富士

( 2024年1月15日   
 両国国技館 )

 照ノ富士は敗れはしたが、下半身に力を入れて相撲を取ることができているように見えた。

 もちろん番付上は、格下の相手には勝たなければならない。ただ、休場の原因になった腰や膝の状態は、それなりに良くなっている印象を受けた。

 若元春との幕内の対戦成績はこれまで2戦2勝。いずれもまわしを取って勝負を決めている。

 そのためこの日も四つに組みにった。しかし、差し手の左で相手のまわしを引きつけることができず、右のかいなも若元春にうまく肘を張られ、まわしに手が届かなかった。

 最後はスタミナも切れ、上体を起こされ寄り切られた。流れを変えられなかったのは、3場所ぶりの本場所の土俵ということで、相撲勘がにぶっていた影響もあるだろう。

 だが、それ以上に若元春が横綱に力を出させないように、うまく取ったともいえる。照ノ富士は組めば何とかなると思ってまわしを取りにいったのだろうが、若元春が横綱の自由にさせなかった。

 若元春にとってはこれが初金星。休場明けの横綱とはいえ、がっぷり四つに組んで勝てたのは自信になるはずだ。

(元大関・栃東