第74回NHK紅白歌合戦 12/31(日)19:20~ | naonaochiharuのブログ

    『第74回NHK紅白歌合戦』出場歌手・曲目・曲順発表




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    松山千春がコンサートで本音を吐露
    「NHKとして、これが紅白に相応しい顔ぶれだと思っているのか」



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    フォークシンガーの松山千春(68)の秋のコンサートツアーが、12月23日の札幌カナモトホールでファイナルを迎えた。そこで披露された今年の「NHK紅白」に対する歯に衣着せぬ物言いが話題を呼んでいる。

    まず、今年の出場メンバーについて。個人的な意見としながらも「ほとんどの出場歌手が俺には分からない。名前すらも読めないようなのがいる」とし、知っている歌手について問われると「3分の1ぐらいだろうな、知っている歌手は……。ま、今の歌手の曲を全て聴いてるわけじゃないけどな。それでも、どこかで耳に入ってくるものだろう。にもかかわらず聴いたこともない曲がいっぱいあるんだ」と切り出す。さらに「NHKとして、これが『紅白』の出場者として相応しい顔ぶれだと本当に思っているのか」と千春節が炸裂した。

    「実はNHKからは、毎年『今年の目玉で…』と誘われたりするけど、間違わんでくれよ俺は“目玉オヤジ”じゃないからな」

    と。苦笑い。かつて母から「『千春、一回でいいから紅白に出て歌ってくれないか。それが母さんの夢なんだよ』」と懇願されたことがあったことも明かす。「(昔の話だけど)村田英雄さんが出場している時だったな『(「紅白」に出て)村田さんと歌ってくれ』なんて言われたこともあった」と振り返った。

    しかし、そんな母親に、

    「ごめんな、母さん。俺は、あの土俵では歌うことが出来ないんだよ。フォークシンガーとして歌っていかなければならないからな」

     と答えたという。

    「これだけは自分が決めたこと」

     千春のデビューは1977年1月25日。その頃の音楽業界は歌謡曲が全盛で、テレビも歌謡番組であふれ返っていた。そうした中、千春はラジオ番組とライブをホームグラウンドとし、「旅立ち」や「季節の中で」、さらには「大空と大地の中で」「時のいたずら」「長い夜」など次々に名曲を生んできた。

    「歌謡系歌手と対峙してきたのが俺たちフォークシンガーだったからな。もう、時代の中でフォークなんて死語になりつつあるけど、しかし、俺は、これからもフォークシンガーとして歌い続けていく」

     と言い切る。

    「これだけは自分が決めたことだから」。

    デビュー当時に自ら課した思いで、紅白出場を願う母親を納得させたと言う(ちなみに、母親の松山ミヨさんは21年1月16日に100歳を前に亡くなった)。

    ファンは出てほしい?

     もっとも「紅白」出場に否定的な理由はそれだけではない。

    北海道にこだわる千春の力強い思いもある。

     だが、「紅白」への出場を望むファンの声も多いことは確か。先ごろの東京公演(11月17日の東京国際フォーラム)で、千春がファンに拍手を求めて意見を問うたところ、若干だが「出場を顧望する」拍手が多かったような気がした。時代は変わったのかもしれない。

    「(『紅白』に出てほしいというファンには)確かに寂しい思いをさせてしまっているかもしれない」としながらも「もし、俺がくたばった時『紅白への出場はなし』って書かれたり言われてもしれない。だけど、俺自身はそれでも構わない」と現在の心情を語る一方で「でもな『あの人だけは出たことがなかったんだ』って言われた方が格好いいだろう」とも言う。

     自ら貫き通すスタイルに後悔はしていない様子だった。

     ライブではジャニーズ問題についても言及があった。「東山(紀之)も大変だよな。奴は俺をジャニーズの先輩だと思っているんだよ」と笑わせると「個人的には心配しているけど、でも、その前に俺には(鈴木)宗男さんもいるからな」

     デビュー47年。今春、通算83枚目シングルの新曲「慕情」を発売した。今回のコンサートツアーでは「話が長くなり過ぎて、歌の曲数が少なくなってしまった会場もあった」と言い「来てくれたファンには申し訳なかった」とも振り返る。

     千春にとって、春と秋には必ずコンサートを行い、ファンと同じ時間を共有するというデビュー以来のスタンスは今後も変わることがないようだ。

    渡邉裕二(わたなべ・ゆうじ)
    芸能ジャーナリスト

    デイリー新潮編集部