【玉ノ井親方 視点】


綱獲りへ痛い黒星の貴景勝 苦しんで苦しんで取っていかないと流れは変えられない


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【玉ノ井親方 視点】綱獲りへ痛い黒星の貴景勝 苦しんで苦しんで取っていかないと流れは変えられない
<大相撲九州場所4日目>
貴景勝(左)を寄り切りで破る明生


◇大相撲九州場所
4日目
●貴景勝
 寄り切り
 明生○
(2023年11月15日
 福岡国際センター)

綱獲りを狙う貴景勝にとって、序盤の黒星は痛い。何より相撲内容が良くなかったのが、今後に向けて気になるところだ。
立ち合いで当たってから、いったんは土俵際まで押し込んだ。だが、消極的になって自分から引いてしまい、相手に反撃の隙を与えてしまった。いなされて態勢を崩し、足がそろって最後は押されて土俵を割った。
相手をよく見ながら取るのは、それはそれで悪くはない。ただ、押す圧力にいつもの力強さがなかった。土俵際まで押し込んだ時に、そのまま押し切ることができないと思ったのだろう。引いて態勢を崩し、墓穴を掘った。
負け方が良くないため、引きずると悪循環に陥る。それを修正するには、苦しくても最後まで自分のスタイルで相撲を取り切ることだ。苦しんで、苦しんで相撲を取っていかないと、流れは簡単には戻ってこない。楽をして勝とうとするのではなく、押し切れないと思っても我慢して、押し続けなければならない。
押し込みながら相手にいなされて、それで負けたとしても、次につながる。引いて態勢を崩して負けると、次の相撲も考え込むようになる。辛抱して取れば活路は開ける。
(元大関・栃東)


○玉ノ井部屋𝕝𝕟𝕤𝕥𝕒𝕘𝕣𝕒𝕞