【玉ノ井親方 視点】


熱海富士 

仕切りから動き硬かった


貴景勝(左)にはたき込みで敗れた熱海富士(撮影・木村 揚輔)


◇大相撲秋場所千秋楽
2023年9月24日
両国国技館

 優勝決定戦貴景勝には、大関らしく真っ正面から当たってほしかったという意見もあるかもしれないが、立ち合いの駆け引きも勝負のうち。熱海富士は仕切りの時から動きが硬かった。それを見て、立ち合いで左に変わり気味に当たったのだろう。それだけ落ち着いていて、余裕があったということだ。

ただ、体力的にはいっぱい、いっぱいだったと思う。本割の大栄翔戦は一歩も引かずに押し切った。だがあれで力を使い切って、余力は残っていなかったのではないか。今場所は100%の体調ではなかったと思うが、それでも悪いなりに結果を出せたのは、綱獲りとなる来場所の自信につながるはずだ。