【玉ノ井親方 視点】


熱海富士“悪癖”消えた 

相手が攻めてきても差し手が残って押し返す力ある



金峰山(左)を寄り切りで破る熱海富士(撮影・木村 揚輔) 

 ◇大相撲秋場所9日目
2023年9月18日 
両国国技館


熱海富士が勝ち越しが懸かった一番で素晴らしい相撲を見せた。低い姿勢で当たって頭をつけると、すぐに前まわしを引いて一気に前に出た。給金相撲でこういう取口ができるのは最高だ。金峰山も今場所は力強い攻めが目立っていたが、隙を与えなかった。それだけ力をつけた証拠だ。 幕内で初めての勝ち越し。今までは下からおっつけられたり横からいなされると、どうしても胸を出してしまう悪癖が出ていた。しかし今場所はそういうことが全くない。相手が攻めてきても、差し手が残って押し返す力がある。相撲が変わってきた印象だ。 右肩を痛めているが、今のように前に出る相撲を取っていれば影響はない。まだ21歳。伸びしろは大きい。10日目は高安との1敗対決。頭で当たって右を差し、上手を取る形になれば、元大関も慌てるはずだ。

(元大関・栃東




元大関・
栃東スポニチ評論家
 



9月18日
突然の雨のあと…