終戦記念日の今日、ギリギリ間に合い観てきました。https://youtu.be/YVVxe_EFGhk?si=TQy0LruHtmEvs9kf

1986年公開のイギリス映画『風が吹くとき』のリバイバル上映です。
原作、脚本はレイモンド・ブリッグズ。絵本「Snowman」でお馴染みの方で、絵柄も ほんわかしています。

監督はジミー・T・ムラカミ。戦時中はアメリカで捕虜として扱われ、親戚の方が長崎で被爆されているようです。

音楽をピンク・フロイドのジミー・ウォーターズ、主題歌をデヴィッド・ボウイが歌っています。https://youtu.be/6WMQYERIQqk?si=ZhVZklG67EvdvqmO

昔の公開時にもデヴィッド・ボウイが主題歌を歌い、日本語版監督を大島渚、声を森繁久彌と加藤治子 ということで評判になりました。

確か、私のすんでた近くでは上映がなかったので、元になる絵本を読みました。本屋での立ち読み。泣いてました😢

 絵本は、つい泣いてしまうものも多いので油断できません。

「100万回生きた猫」とか、ティラノサウルスシリーズとか…

 つい最近「お前うまそうだな」の最終章を立ち読みしてしまって、涙がでました。ハナも😭マスクがあって助かった😢

 

脱線しましたが、ほのぼのした雰囲気の絵柄とは対照的にエグい内容❗️と評判の映画だったのです。

当時の私はボブ・ディランの「風に吹かれて」と勘違いしてて、デヴィッド・ボウイはなんでそんなお気楽そうなSONGを歌うんだ❓️って思ってました。

ご免なさい💦誤解でした🙇‍♀️💦💦


そして、今回初鑑賞。

覚悟して行きました。

第二次世界大戦も乗り越えてきた初老の夫婦。

定年後でゆったりした人生を送っています。

美味しそうなイギリス料理も。紅茶も登場☕️


同じイギリス映画の『ゴヤの名画と優しい泥棒』『ハロルドフライのまさかの旅立ち』の夫婦のよう。キレイ好きな妻と話好きの夫。

ジムは政府発行のガイドブックを読んで、核戦争に備えてシェルターを作り始めるのですが……お粗末な。


それじゃ無理でしよう、と私たちは知ってるけれど、当時(1980年代だと思うのですが…)のイギリスの庶民まで浸透していたのかどうか。

放射線避けに窓をペンキで白く塗ったり。

※実際にこの年代に核戦争に備えて、とイギリス政府が発行していたものはこの程度の内容だったようです。

いざという時の為に食料、水、薬や生理用品なども備蓄する必要がある、というのには進んでいたんだな、と思いましたが。

妻のヒルダは割りと呑気です。前の世界大戦も乗りきってきたのだから、今回も大丈夫だろう、と。いつもどおりの生活を、望みます。

野菜を育てて、紅茶をのんで、整った部屋でくつろぐ生活。


しかし、それは一瞬で終わります。

あと3分で核兵器が落ちてきます❗️とラジオ放送があり。


凄い爆風🚀

あっという間に全てのものを奪っていきます。

街も草原も破壊。

なんとか生き延びた夫婦。

そして、辛いのはここから。

後にこの夫婦は「焦げ臭い」「誰かがバーベキューでもやってるのさ」みたいな事を言っていますが、ホントの事を考えると恐ろしい((((;゜Д゜)))
なんか焦げた子供❓️赤ちゃんのような炭の映像もあったりして。
…それでも生き延びたこの夫婦は前向きに捕らえてて、「そのうち郵便やさんが来る」とか、「政府の人たちが救出してくれる」と思っているのです。
当然水も電気も使えないし。
雨水を貯めて、それを生活水としても使っていくのですが、「黒い雨」を知ってる私たちとしては…
でも、実際に他に水や食料がなければ、在るものを食べていくしかなくて、この夫婦の判断は仕方ないと思います。
たとえ、それが汚染されたものだとしても。
これは実際に旧ソ連でのチェルノブイリ原発事故の後、「放射能の雨」、といわれても、近隣ではそれしか食べるものがなければ、食べざるを得なかった、と言われています。


この夫婦は本当に普通の幸せな夫婦なんです。
善良な。
政府のいうことだから、間違いない、と信じるジム。
夫を支えながら、平穏で安定した生活を望むヒルダ。
2人とも、先の世界大戦を経験済みですが、それでもその思い出を楽しそうに語ったりもします。
大変な時代ではあったけれども、人間らしい生活はできていたのかと。

しかし、核兵器は違います。
一瞬で、人間だけではなく、その他 動物の命も奪い、水や大気までも汚染します。
もう、このあたりで原爆の後遺症を知っている広島の映画館では、泣いてる人が…
わかってるから。
血が出たり、腫れ物がでてきたり、食欲がなく、吐き気がして、だるくなる。そして髪が抜ける。
それでも政府を信じている夫婦、というか夫。そして夫を信じている妻に涙😢
なんで❗️❓️って。

政府自体、機能していないのかもしれない、そして周囲は皆死んでしまったのかもしれない。
それでも、他になんか打つ手はなかったのか❓️

後半に知ったのですが、実はこの家には地下室があったみたい。ビルが湿っぽくてリウマチがでるから、と使用しなかったようですが…
そっちの方がまだ生き延びられたのでは❗️❓️と思ってしまいました。
妄信的に政府情報を信じてしまったから😓

でも、広島や長崎に落とされた原爆の影響など、庶民は知る由もなかったのかと思うと不憫でなりません。
今でも知らない人もいるのかも。

『オッペンハイマー』の監督、クリストファー・ノーランは本作を観ていたようです。
今日はこの後『オッペンハイマー』を観ようかとも思っていたのですが、腹立ちそうで止めました。
また次回に。(広島ではまだ上映されています)

核の脅威にさらされている今日、改めて核兵器は人間的なものを全て奪ってしまうものだと認識しました。