イタリアの景色や本屋さん、といった好きな要素が多く観てみたかった映画です。
思ったよりあっさりしてましたが…😅それもまた良いかと。上映時間も84分だし。
風光明媚な、チヴィテッラ・デル・トロントというイタリア中部の村が舞台。美しいです。
古本屋さんと そこに売りに来たり買いに来たりする人との交流を描いています。
メインとなるのは移民の少年との交流ですが、他も面白かった。📘古本屋を営むのはリベロというおじさん。(レモ・ジローネ)
"リベロ"はイタリア語で"自由Libero"を表します。なので子供からは変な名前のおじさん、とい感じです。私はなんだか山崎努さんを思い出しました。
📕本屋の隣のカフェで働くニコラ(コッラード・フォルトゥーナ)が好きになりました。後にリベロが彼のことを良いヤツ、急カーブが少ない(カーブが緩やか、つまりわかり易い)みたいな事を言ってましたが、裏表なく素直で親切で善良です。
見るからに賢そうな男の子。そして美しい。ツタンカーメンとかこんなお顔だったのでは❓️なんて思ってしまった。
将来は医者になりたいみたい。
演じるディディーくんはイタリア語とブルガリア語のバイリンガルで空手の黒帯を取得しているって。歩き方がキレイ。
この彼にリベロが本を貸していきます。
最初はコミック(漫画)、そして児童書、そして伝記など。
「ミッキーマウス」から「ピノッキオの冒険」「イソップ寓話集」「星の王子さま」「白鯨」「密林の医師」「アンクル・トムの小屋」「白い牙」「ロビンソン・クルーソー」「ドン・キホーテ」そして…
もっともっと本のやり取りやエシエンの感想を聞きたかった。
彼はどう感じたのか❓️何を思ったのか❓️何を考えたの❓️と。
エシエンは本か好きでどんどん吸収していくようだ。学校から帰って直ぐに本と向き合うよう。
そんなエシエンにリベロは外で遊ぶこともすすめる。ここも重要🌟
リベロは「本は二度味わうんだよ。最初は理解するため、二度目は考えるためだ。」とゆっくり注意深く読むように言う。
この映画は移民であろうエシエンの苦労だとか、リベロおじさんの私生活とかは述べない。どちらも家族が出てこない。ただただ、本屋での二人を描く。そこがいい✨
📖他にも興味深い客たちがいろいろ。
📘「友達が…」と どうみても自分の話なのに過激なSM本を探す女性も上手くあしらう。
📗発禁本コーナーをみて、「これだけは読んでない❗️」という神父。
発禁本コーナーは売り物ではない。と進展しようとしたが、神父さんは読んだら返す、と借りていった。
ま、発禁本=エロではなく、その時その時代の政治家や、それこそ教会に発禁にされてきた本たちなのだ。
発禁本コーナーを置くリベロはまさに自由の士✨「本屋の務めです。」みたいなことも言っていたな。
このコーナーの本はパンフレットによると
ボッカチオの「デカメロン」、エラスムス「痴愚神礼讃」、マキャベリ「君主論」、ラブレー「ガルガンチュアとパンダグリュエル」ガレリオ「天文対話」、カント「純粋理性批判」、ダーウィン「種の起源」などのものから、「ボヴァリー夫人」「ドリアン・グレイの肖像」「チャタレイ夫人の恋人」「怒りの葡萄」「ロリータ」とか。
「ドクトル・ジバゴ」「アラバマ物語」とかなんで発禁❓️的な本も。
ちなみに神父が借りていったのは「さびしさの泉」でした。
📘他、初版本を買っていったおじ様やなぞなぞ好きのおじさん(監督らしい)、自分の出版した本を探し求めている教授(この人なんか好き❤️)やゴミ箱をあさって本を売りに来る移民のボジャンなど登場。
彼等に対するリベロの誠実でユーモアがあり、押し付けがましくない態度は学ぶものがある✨
📗後ろの席のオジサンが結構な号泣してたのが今回いちばん印象に残った😭