行かなきゃ行かなきゃと思いつつ…
やっと行ってきましたよー
ノートルダムは大好きな作品なのですが、見終わった後、しばらく心の中にどすんと残り続けるのでなかなか…
心に澱が残るような、それでいて洗われるような。
感情もぐちゃぐちゃにかき乱されて、観るのに気合いがいる作品です
そして今回のカジモドはー
飯田達郎さん
やっとお会いできました飯田達郎さん
達郎さんのカジモドはめちゃくちゃファンが多い
絶賛している方が多い
一度は拝見したいと思いつつ、この作品はキャストを見てチケットを取ることはしないので、なかなか当たらず…
ちなみに私が見た過去のノートルダムの鐘、全て違う方がカジモドを演じられています。
こんな偶然もなかなかなくないですか
初見が田中彰孝さん。
次が寺元健一郎さん。
その次が金本泰潤さん。
そして今回の飯田達郎さん
こうしてみるとわかりますが、カジモドは実力派の方しかやりません
なので、誰に当たっても安心してみることができます
皆さんそれぞれ違った魅力があり、
「ハズレ」だった人は1人もいません
そして大人気の飯田達郎さんカジモド。
なぜそんなに人気なのだろう…
と不思議に思っていましたが、今回見てみてよくわかりました
飯田達郎さんのカジモド。
他のキャストさんが演じるカジモドより、
「障害」が重いです。
話し方、歩き方、目の動き、表情。
どれを取っても
「醜い」
「気持ち悪い」
「怪物」
と周囲から罵られ、迫害されるカジモドです。
特に表情。
目がぐるっと回って白目になったり、とにかくリアル。
自傷をする時の頭の叩き方などは、癇癪が酷かった頃の息子と重なり、胸がギュッと締め付けられました。
そんな中での歌唱シーン。
美しい声での力強い歌唱。
とにかく歌が上手い。
声も綺麗。
カジモドのぎこちない話し方から、清らかな歌声とのギャップが凄いです。
このギャップにやられますね
特に、カジモドの話し方から歌唱に移るシーンって、切り替えが上手くないと不自然でおかしいんです。
さっきまで、潰れた声でぎこちなく話していたのに、歌唱に移った瞬間に美声になると、違和感が半端ないのですが、飯田達郎さんはその切替と繋ぎ方が上手い
違和感なくスッと歌に入っていきます。
目に力が宿り、自信がみなぎるカジモドの美しさといったら。
外見ももちろんありますが、いかに「立ち振る舞い」が重要なのかを思い知らされます。
これは確かにハマるなあ…と思うカジモドでした
そしてエスメラルダは山崎遥香さん。
正直、お名前が印象になく…
初めましてかな
アンサンブルでお会いしたことがあるかな
過去のキャスト表を漁ったところ、パリのアメリカ人のアンサンブルでお見かけしたことがあるようです。
なるほど。パリアメか…
山崎さん、まずはルックスが良い
「人間と怪物、どこに違いがあるのだろう」
と歌うくらい
「見た目に左右されるのは愚かなこと」
だという作品のメッセージに逆行しますが、エスメラルダと言えば、フィーバス、カジモド、フロローをダンスひとつで虜にする魔性の女。
ダンスや性格ももちろんですが、やはりルックスが良くないと、いまいち世界観にハマれません。
その点、山崎さんは正統派美人。
エスメラルダのイメージとはまた少し違うかもしれませんが、間違いなく美しいです。
エスメラルダも毎回違うキャストで見ている気がしますが、山崎さんのエスメラルダも素敵でした
歌声も綺麗でした
そして
道口フロロー
ファンの方には怒られちゃうと思うのですが
道口瑞之さん、実は私、そんなにハマった事がなくて
夢から醒めた夢の夢の配達人役はハマっていたと思いますが、ライオンキングのスカーは、少し憎めない部分があったり（わたし的にスカーはとことん悪役であってほしい）、アラジンのジーニーは…ランプの魔人というより、妖精だなあ…と思ったり。
今まであまりハマっていなかったのです。
しかし
凄かった
めちゃくちゃフロロー
司祭としての権力を振りかざし、カジモドの面倒を見つつも愛さない
そう
道口フロローからはカジモドへの愛を感じなかった
愛する弟の息子でありながらも、ジプシーの息子でもあり、醜く生まれたカジモドを愛していない。
保護の対象でありながらも見下している感じがよく伝わってきました。
さらに、ジプシーであるエスメラルダを愛する矛盾と葛藤の表現がすごい
これは凄い
権力者で聖職者であるのに、ジプシーを愛してしまった屈折感が凄い。
本当に凄かったです。
いやぁ、良いもん見たわあ…と思うくらいの迫力でした。
道口さん、やはり実力派です。
お見事でした…
あとですね
アンサンブルの松本菜緒さん
本当に素晴らしいのです
もともと大好きなので、キャスト表でお見かけした時から胸が高鳴りましたが、舞台に出てきた瞬間からわかります
石像としての彼女は、カジモドへの慈愛に満ちていて、ジプシーや街の人としての彼女は、カジモドへの憎悪を隠さなくて。
表情がコロコロ変わり、目が離せなかったです
もちろん歌声も健在ですよ
最高
今回も本当にキャストが良かった
ノートルダムの鐘でキャストを外したことはありませんが（実力派しかいないから）
もう、本当に良かった
まだまだ語り尽くせませんが、ここまでにしておきます
これは絶対、子供にも見て欲しい作品なのですが、息子がこれを理解して受け止めることができるのは何歳くらいかなあ。
今はまだ早い気がします。
時代背景や差別、偏見、国ごとの考え方の違いなどを理解してからの方が、より心に迫ってくると思うのですよね。
ぜひまた定期的に再演を
劇団四季さん、お待ちしています
鳴り止まない拍手と終わらないカーテンコールも最高でした