少子高齢化、低賃金、円安、物価高…。この先いったいどうなるんだろうと自分の将来を案じている方も多いのではないでしょうか。ある調査によると日本国民の8割が自分の老後に不安を抱えているそうです。そんな将来に備えるため、今回はメットライフ生命の「ウェルスデザインII」という保険について調べてみました。

  ウェルスデザインの概要

「ウェルスデザイン」とは、2020年にメットライフ生命より発売された、介護保障と資産形成機能を兼ね備えた米ドル建ての一時払い終身保険商品です。2022年に顧客の選択の幅を広げるために、契約時の基準利率保証期間が10年の商品に加えて、30年の新商品を追加し、「ウェルスデザインII」として発売されました。

 

 ウェルスデザインIIは、契約から3年経過以後に任意のタイミングで円建ての終身保険に移行できる特約を新設し、相対的に金利の高い基軸通貨米ドル建てで運用しながら、市況に応じて円建てで保障を確保する選択肢があります。円建ての終身保険に移行後は、死亡保障だけでなく介護保障も継続できます。

 なお、告知項目を「公的介護保険制度における要介護・要支援認定の申請歴」「認知症または軽度認知障害の診断」の有無のみとし、既往症のある方や健康に不安のある方にもお申込みしやすくなっています。

 

  ウェルスデザインの主な特徴

 

 ウェルスデザインIIは、介護保障を確保しながら米ドル建で資産をふやすことができる、「そなえる(介護ニーズ)」「ふやす(貯蓄ニーズ)」「のこす(相続ニーズ)」を実現する、米ドル建の一時払終身保険です。

・所定の場合に介護保険金または死亡保険金が支払われます。
・介護保険金の支払いがなかった場合、死亡保険金として家族に残すことが可能です。
・積立金は所定の基準利率で運用され、将来に向けての資産形成を行うことができます。
・契約時の基準利率保証期間は10年または30年から選択できます。
・告知は、介護・認知症に関する2項目で、いずれも該当しなければ申し込み可能です。

 

  ウェルスデザインのしくみ

 

※イメージ図は、将来の基準利率・解約返戻金などの推移を保証するものではありません。

 

  ウェルスデザインの給付内容

〈主契約のみの場合〉
【保険金・給付金名】死亡保険金
【支払事由】死亡したとき
【支払割合】次のいずれか大きい金額 ①積立金相当額 ②解約返戻金相当額

【保険金・給付金名】介護保険金
【支払事由】責任開始時以後初めて、公的介護保険制度による要介護 2以上の状態に該当していると認定されたとき
【支払割合】次のいずれか大きい金額
(第1保険期間中または第3保険期間中)
 ①支払事由該当日の積立金相当額 ②支払事由該当日の解約返戻金相当額
(第2保険期間中)
 ①基本介護保険金額(※) ②支払事由該当日の積立金相当額 ③支払事由該当日の解約返戻金相当額
 ※保険契約締結の際に計算される第2保険期間満了時の積立金相当額


・解約返戻金は、積立金に対して、市場価格調整と解約控除(契約日から 10 年未満)を行うため変動します。
・この保険で受取る保険金は米ドル建となります。為替相場の変動により、この保険の介護保険金だけでは円で活用する場合に必要な介護資金に満たないリスクがあります。

 

  ウェルスデザインの付加できる特約

ウェルスデザインでは、下記の特約を付加できます。

・保険料円入金特約
・円支払特約
・年金移行特約
・円建終身保険移行特約(介護保障型)
・外貨入金特約
・年金支払特約
・介護保険金の指定代理請求に関する特則

 

  ウェルスデザインの取り扱いについて

〇契約者の年齢範囲:0歳~満100歳(申込日における満年齢)
〇被保険者の契約年齢範囲
・契約時の基準利率保証期間が10年の場合:満40歳~満85歳(契約日における満年齢)
・契約時の基準利率保証期間が30年の場合:満40歳~満80歳(契約日における満年齢)
〇保険期間
・第1保険期間:契約日からその日を含めて3年後の契約応当日の前日までの期間
・第2保険期間:第1保険期間満了日の翌日からその直後に到来する基準利率計算基準日の前日までの期間
・第3保険期間:第2保険期間満了日の翌日以後の期間(終身)
〇基準利率保証期間 ・契約時:10年または30年から選択
・更改時:10年
〇一時払保険料(基本保険金額)
・最低金額:3万USドル(100USドル単位)
・最高金額:(1契約あたり)3億円相当額・(当保険の通算)3億円相当額
※メットライフ生命所定の通算為替レートを用いて円換算します(別途、通算限度があります)。
※金額は変更となる場合があります。
〇運用通貨:USドル
〇健康に関する告知:告知書扱
〇配当金:なし
〇解約返戻金:あり
※取り扱いの範囲などは、契約内容により異なりますのでご注意ください。

 

  ウェルスデザインのリスク

 

ウェルスデザインには、円建の元本が保証されず、損失が生じるリスクがあります。
損失が生ずるリスクの内容は以下のとおりです。

【為替変動リスク】保険金・解約返戻金は為替レートの変動による影響を受けます。
・保険金などの受取時の円換算額が、契約時の為替レートによる一時払保険料や保険金などの円換算額を下回ることがあります。
・為替レートが契約時から変動しなかった場合でも、為替手数料の負担は生じます。

【金利変動リスク】解約返戻金は市場価格調整により、市場金利の変動の影響を受けます。
この商品は、債券などで運用して積立金額を増やす仕組みとなっています。債券は市場金利が上昇すると価値が減少します。解約返戻金の計算には、この債券などの価値の変動を反映させるために、市場価格調整を導入しています。

【解約時の元本割れリスク】解約返戻金は、USドルベースでも一時払保険料を下回ることがあります。
 

 

 ウェルスデザインについてのまとめ

 

ここまでウェルスデザインの特徴やデメリットを紹介してきました。
資産形成と同時に老後の介護にも備えられる商品ですが、ドル建が特徴的であると同時にリスクもあるため、加入には保険のプロに相談したり、十分に知識を付けてから契約の判断をしましょう。