夕方イケメン先生がいらした。

傷口をみるという。

昨夜ちょっと出血してたようで、看護師さんが、その部分を

マジックで書いていたことを伝えた。


腹筋がないので、おなかをみることはできない。

ガーゼのようなのをおなか全体にガムテープのような大きな

テープで貼っていたみたいで、ベリベリはがす。

ちょっと痛い。

そして、このときに剃毛しててよかった、と心から思った。


「もうガスもでました」

ガスが出たら食事、とマニュアルに書いてあったので、

食事ができるアピール。


腹筋が使えないのだが、おなかが減っていて余計に力が

でない。

早く何か食べたい。

だけど、水の許可は出ず…


あとで分かるが全身麻酔の場合は、食事は2日目昼から

のようだった。





着替えるとき、看護師さんが足に空気圧をかける器具を

片付けていた。

改めてベッドをみると、背中の所に点で支えるマットのよ

うなのがあった。これが段になってて、腰が痛かったのだ。


「このマットもはずしていただいていいですか?」

「そうだね。もう要らないものはどんどん片付けよう」

よかった。

「その代り、今日私の声が聞こえたり、姿が見えたりしたら

足首をグルグル回したり、上下に動かしたりして、血栓が

出来ないよう動いてね。やっと治ったのに血栓ができる人

多いから」


そうなのか。

こういうとこ、まじめな性格のワタシなので、それ以降、

気づけば足首を動かしていた。


その後シャンプーもしてもらい、さらにすっきり。


点滴のせいで、3時間おきに、きっちりトイレ。

夜中も同じく。

お腹に力が入らず、手の力で起き、体をずらすように、

ベッドから立ち上がる。そのたびにお腹が痛い。

腹筋の大事さがわかる。

3日間は、トイレに行くのも看護師さんが付き添ってくだ

さった。

頭がさがる。


イケメン先生のあと、たまごちゃんと看護師さんがやって

きた。

「歩きますよ~」

え?もう?

トイレまで歩けたら、おしっこの管がとれるとのこと。

ゆっくり上体を起こし、横を向いて、足を床に下ろす。

おなか、激痛。


両側からたまごちゃんと看護師さんが支えてくれている。

ゆっくりと足をおろして、立とうとしたら、力が入らない。

一回目はふにゃ~っと倒れる。

弾性ストッキングが白いので、まるでクララのよう。


まずおなかに力をいれないと。

今度はゆっくりゆっくりおなかに力を入れて、両足をふん

ばる。

立てた!

そして、点滴の棒をもち、両腕を支えられながら一歩

一歩進む。

今までで一番おなかが痛い!

燃えているような感じ。

よろよろトイレまで歩けた。


おしっこの管を抜き、T字帯をはずしてもらう。

すっきり!

部屋に戻り、パンツをはく前に、あったかいタオルで体を

拭いてもらった。

パジャマに着替え、すっきり!


何度か酸素のマスクの管がとれてそのたびにナースコール

を押していたが、めんどくさくなり、マスクを外していた。


看護師さんがチェックにきたとき、

「とっちゃったの?」と笑った。

「管が外れたので」

血中の酸素濃度をはかると98%。

マスクはしなくてよくなった。


そのかわり、背中が痛くなってきた。

どんどん痛みが増してくる。

麻酔のボタンを押しても、痛みは変わらない。

寝がえりをうちたいけど、動けない。

看護師さんにみてもらうと、背中ではなくて、腰だった。

ベッドの角度をちょっとつけてもらうと楽になった。


手術の後は、看護師さんのチェックもあり、眠れそうで、眠

れない。エアコンも12時に止まるので、暑くなる。

腰も痛くて、熟睡できないまま、ようやく朝。

エアコンがかかり、快適な温度になり、気持ちよく眠って

いたら、イケメン先生が朝の診察にやってきた。

傷口をチェックし、「今日は、起きて歩いて下さいね」とクー

ルな顔でキビシイことを言う。

腰が痛いので、ベッドの角度をあげて座った状態にしても

らう。楽になった。

こんな状況で歩けるのか?





何時間かおきに、看護師さんが体温や血圧の測定、点滴な

どのチェックに来てくれる。

熱は38度台。この体温が2日くらい続いた。


母が帰り、もう一度自分の状況をみた。

両手の甲に点滴の管。

あれ?右手はなにもつながってない。


チェックにきた看護師さんにとるようにお願いしてみた。

「NAOMIさんは、出血が多くて自己血をもどしたので、もし

かしたら、明日輸血するかもしれないので」

そうなの?悲しそうな顔をしたら、

「いいか。輸血するなら、そのときにまたしたら」

と、はずしてくれた。


動くことができず、時間がわからないが、夜中にちょっと

痛みが増してきた。

といっても、十分体験したことがある程度の痛み。

すりむいたときのような種類の痛さ。

ヒリヒリっていうのかな。

胸のポケットに、麻酔のボタンをいれてくれていて、痛かっ

たら押すように言われている。

正直この麻酔、私にはよくわからず…

押しても痛みが変わらない。