遥か昔のことですが、ましてや数年勤務の私ですが、年始の航空機事故は他人事ではなく、流れてくる動画をみて、乗務員の声に胸が苦しくなりました。

何十年も前のことではありますが、今でもはっきり覚えているほど条件反射になるぐらいエマージョエンシー訓練を何種類も何度も受けました。

機体の停止を確認→担当ドアの窓から炎が見えないかを確認→指差し確認しながらドアの開放→お客様の誘導の声出し→協力者への指示→逃げ遅れた人がいないか確認後自分も脱出→スライダー下でお客様を風上へ誘導

掛け声は「ベルトを外してこっちへ」「荷物は持たないで」「ヒールは脱いで」「飛んで滑って」要はスライダーが破れる様な尖ったものは着脱させるわけです。

私の勤務は数年でしたが、退職したその夜、飛行機事故が起こる夢を見るほど私にとっては毎日緊張した職業でしたし、何もなければ接客業に見えるけれど、保安要員であることを洗脳された訓練だった思います。

しかしながら今回はもちろん、機内に火が回る前に全員が脱出できた事は訓練通りに動けた事例だと思いますし、乗客の協力でパニックが思う以上に起こらなかったからこそだと思いますし、誰かが間違って火が出ている扉を開けてしまっていたらこういう結果にはならなかったと思います。私はちょうど、日航機御巣鷹山事故の時に、正に新人教育を受けていたので、訓練も緊張感がありましたし、責任感や危機感は埋め込まれていた様な気がします。

機長やチーフとのコンタクトをスムーズにできていなかった様なので…個人の判断に任せられる重責だったと思いますが、それだけの訓練は受けている人たちでしょうし、日頃の勤務にも機体の異音や異臭を報告する業務もありますので日々、保安要員としての自覚は擦り込まれていると思います。

あらためて、すり減る職業だなと思いました。


年始から不穏なニュースばかりで過呼吸になってしまい、気持ちの整理のために書き連ねてしまいました。