今日9月17日は聖ヒルデガルト・フォン・ビンゲンの祝日です。
かつてオランダの中世音楽のアンサンブル「スーパーリーブルム」で、初めて共演したときに初めて聖ヒルデガルトの「Laus trinitati」に出逢いました。
旋法音楽である聖歌は全く違和感なく日本人の私にも馴染み身体を通して表現できる喜びの一つとなりました。
フランドルの音楽やグレゴリオ聖歌など沢山歌って数十年が経った今、ドイツよりのフローニンゲン根拠地とするあのアンサンブルとの活動をふと思い出しました。
数年前よりヒルデガルトを愛する方々に背中を押されて続けてきた聖歌集「天の啓示によるシンフォニア」77全曲を歌うを緩やかな目標として、2種類の写本を手掛かりに歌っていく取り組みをしています。
ネウマ譜というより歌の表現を思わせるかたちを3Dにして、言葉のスピリットを入魂したものが空間の中に浮かび上がる、、みたいな感覚で捉えています。
ネウマも彼女独特のネウマですが、ザンクト・ガレンのネウマなどを参考に解釈しています。
しかしながら古楽全般に言えることでありますが、演奏する者によって全く違う音楽が現れます。まるで違う曲のように。
ヒルデガルトの演奏も例外でなく、アレンジ次第でロックにさえなってしまう素質を持っています。
歌い手の声や発声が大きく関わります。900年前のヒルデガルトの修道院でどう歌われていたかは誰にも分かりません。ただどんな場所でどんな目的で歌われていたかなどのポイントは考慮したいことだと思います。アレンジされた別の芸術作品に発展するのも素敵なことです。
来年1月23日4時千葉県立美術館前のさや堂にてコンサートを予定しています。
天の都 Jerusalemというタイトルで、
聖歌集最長の名曲「O Jerusalem」 を主軸に、ヒルデガルトにとって縁のある各聖人を讃える歌や、「Ave generosa 」など独特の美しさをもつ名曲を演奏します。
「Columba aspexit 」は鳩🕊️(=精霊)が格子の窓から見つめている、と始まりさまざまな動物が登場するのが見どころ!(笑)です。
当時まだ実際には見たことがなかったであろう象🐘が出てきますが、想像上の動物ユニコーンと一緒に描かれていた写本などがもっと後に見られてたりします。
にも関わらず、ヒルデガルトは書物「フィジカ」の中で、象についても詳しく解説しています。ちなみに象について、太陽の熱を持ち、悪意なく楽園の気配を求める清らかな動物だとしています。
succum terrae paradisi naribus odorat
「楽園の大地の汁を、鼻で嗅ぎ取る」
会場のさや堂は来年春にリニューアル改装工事のため、残念ながらしばらく閉鎖になるそうです。
外観はネオ・ルネサンス様式の美しい建物で、日本では珍しく石の響きを思わせる空間です。
私達が声を響かせるとき、この空間は楽器で言えばサウンドボードのように
声帯から発する音が身体から空間に広がり音が振動します。
言ってみれば
空間全体が大きな楽器です。
歌うときにその事を常に観じながら
聖ヒルデガルトに心を合わせて歌わせていただきたいと思っています。
類稀な音楽や叡智を
のこしてくれてありがとうございます。
読んでいただきありがとうございます。

