出島を観光した続きのお話
(前回のお話:出島。鎖国時代にショートトリップ。)
出島で
オランダの商館員さんはどんなお部屋で暮らしていたのか?
靴を脱いで畳のお部屋に入ります。
こちらはダイニング。
結構狭くて
お部屋いっぱいにテーブルが1つ。
日本人は見たこともなかったはずの
西洋の食器が並びます。
横に視線を移すと
見入っちゃうような美しい書棚が。
実際に使われてたものなのか
同年代のものなのかは不明だけど
この年月によってでしか生み出せない風格と品位。
綺麗だなあ
ここは書記の方のお部屋です。(たしか)
椅子とテーブルに窓からの光がさして
優雅でゆっくりな時間が流れて
見てるこちらまで
ゆっくりな空気が流れました。
商館長さんの寝室。
ここに天蓋のベッドを置いたそう。
そしてすぐ横には
9畳くらいのお部屋が。
ここ、出島を出入りできた唯一の女性たち
遊女さんたちのお部屋です。
商館長さんのお部屋の真横。
近いなぁ...。
商館長や商員さん、
こうやって遊女さんと恋に落ち
夫婦となって子どもができたりもしています。
お部屋の写真たちの一部を見ても分かるように
商員さんたちのお部屋の特徴の1つは
「壁と天井」です。
家自体は日本家屋なんだけど
商館員さんたちは
内装を自分たちの好みでアレンジしてもらっていて
壁や天井に唐紙という紙を貼っています。
(当時の日本ではそれはすごく珍しいことだった)
これがまた
西洋の香りが漂うデザインで...。
襖はこう。
壁と天井はこんな風です。
壁は松の模様です。
この奇抜な壁と天井。
西洋から来た人たちは
出島の外には原則出られない生活。
彼らにとっては狭かったであろうお家で暮らし、
オランダの船が来る2〜3ヶ月以外はすごく暇。
少しでも
居心地のいい空間にしたしたかったんだろうなあ。
という気持ちはすごく理解できるものの、
日本の家の造りは知らない彼らが
故郷の自分たちの家と結びついた感覚を
丸ごと上から被せた大胆なデザインです。
文化とかデザインって
こうやって交わって融合しながら生み出されるのかも。
まっさらな広い畳には
光が斜めに差し込んで
こういう光景を見た時の
この平穏な気持ち。
平穏で、ずっとずっと心の奥で求めている何かに
たどりつけそうで
ずっと遠くにある感じ...。
何もない壁と床の上、
夕方の時間が
静かに穏やかに流れていました。
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出島
アクセス:
長崎駅前から路面電車で「崇福寺行き」乗車、「出島」で下車。徒歩すぐ。