1997年 | 川島なお美オフィシャルブログ「『なおはん』のほっこり日和」by Ameba

1997年

連載自叙伝
今日は19回目


私が一番熱い
「女の夏」を過ごした
1997年です







この写真は
この年の暮れにだした
篠山紀信さん撮影の写真集「鍵」より





カフェでアサイーボウルと
キッシュの朝ごはん食べながら
思い出していきましょう







先日
故 渡辺淳一先生の
お墓参りに行かせていただきました





手を合わせて
ふと見あげると
満開の桜が
舞い散りだし





土も空も
桜色に染まるのを
しばし見とれていました







先生の秘書だったS女史と




「桜の季節に
俺を思い出してくれ」
と言ってるみたいねと
話ながら




失楽園のヒロインのお話をいただいたのは



2月~3月
名古屋の御園座~大阪新歌舞伎座で
「ドラキュラin Japan」に
出演中のことでした




郷ひろみさんが
ドラキュラで
戦国時代に迷い混み



私が演じる
細川ガラシャと
禁断の恋に落ちる
戦国ラブストーリー




引田天功さんの
イリュージョンを使い




ドラキュラが
宙に浮いたり飛んだり





見応えたっぷりのものでした







事故は起こりました





イリュージョンの機械が壊れ
ドラキュラの郷さんが




3メートル下
まっ逆さまに
転落してしまったのです


ドスン!という
鈍い音とともに
「暗転!暗転!」

叫ぶスタッフさんの声





舞台袖で出番を待っていた私には
どうすることもできません





途中で幕が降り
昼公演は中止





苦しそうな郷さん




それでも
テーピングを施し
夜公演をやりおえ




やっと精密検査したら
手首など
数ヶ所骨折していらっしゃいました




でも
いっさい休演しないまま
2ヶ月公演をやりとげました





いつも舞台袖で
将来のビジョンを
何やら書きつづって
常に夢を追いかけていた郷さん





真の
プロフェッショナルだなと
思いました




そんな舞台中
当時の事務所社長には
失楽園をやることは反対され




何度もミーティングを
重ねました




結局やらせていただくことに
なりましたが




テレビで
あの官能の世界を
表現できるわけはないとも
世間では言われていたようです





忘れもしません


スタジオ収録初日
残すところは
ヒロイン凛子の
シャワーシーン





女性スタッフたちと
ベージュの水着を用意して
どんな風に撮るのかしらねと
体の隠し方を相談していた矢先





「では川島さん
全裸になって下さい」
と監督に言われました




え?
テレビですけど



思いきって
やらせていただけるのでしょうか?




何かが
吹っ切れた
瞬間でした





古谷一行さん
十朱幸代さん
加賀まりこさん
南田洋子さん



共演の大先輩がたに
緊張しながらも
思いっきり
凛子を生き抜く
覚悟ができました



古谷さんは
大人の
包み込むような色気のある役者さんで




心底
惚れることができました




あんなラブシーン
惚れてなかったら
うそ臭くて
やれるわけありません




印象に残るシーンは
数々あれど





劇中劇で
阿部定さんを
やらせていただいたときは



定さんの魂が
降りてきてくれた
ようでした





スタジオ見学にいらしていた
渡辺先生が
絶賛して下さった
シーンでもあります





愛する男を
永遠に自分のものにしたい



失楽園のヒロインは
平成の阿部定でしたから



そして毎週
高視聴率を叩きだし
社会現象も起きるくらい


番組終了後も
毎週こぞって
週刊誌にとりあげられ



ずいぶん
バッシングもされたようですか
そんな記事
見る暇もないくらい


取材
番組出演
死ぬほど
忙しかった




前年に撮った
「鍵」も
全国ロードショー




12年ぶりに
新曲を出したり




異常な忙しさ




表で
晴れやかな表情で
取材に応じたりするのと裏腹に




体のケアは
不十分、ボロボロでした(笑)




唯一の息抜きが
ワイン




仕事が終わって
空腹に流し込んであげる




その一杯のワインの
美味しかったこと




身体中
ワインが駆け巡り
暖かさにつつまれると




あー
私の疲れた体が
ワインで癒されていく
私の体は
ワインでできている



素直に
そう思えたのです




何かの番組で
それを話したら




「川島なお美
私の体はワインでできている」と
大々的に
報道されてしまい




末代まで
語られることと
なりました(笑)




とにかく
いい汗を流した
女の夏





(写真集・鍵より)





まだまだ語り足らないけど
1998年も
さらに濃いので




続きはまた次回!