私は旅に出た。
日本から遠く離れた南の島。

夕食をしに行ったオープンテラスのレストランで、同じく一人旅をしていた2人と出会った。

一人は、カメラが大好きで笑顔が優しい中国系の男性。
もう一人は、小柄でとっても可愛らしい行動派なインドネシアの女性。

3人でしばらく話す内に意気投合し、数日間、行動を共にすることにした。

その数日の間ではあったが、中国系の男性がインドネシアの女性にどんどん心が惹かれていくのがわかった。

とても良い雰囲気だと感じた私は、その中国系の男性に可愛らしいインドネシアの女性のことを写真に撮ってみてはと勧めた。

始めは、僕にはそんな腕はないよと少し恥ずかしがっていたが、私達は景色が綺麗な海辺へと向かった。

浜辺に着いた頃には、朝陽が昇り始めていて、だんだんと夜が薄くなっていた。

目の前に広がる大きな空と海。
少しずつ朝陽の光が増していく。
薄紫色の空が海面にも映り、時折見える小さな波が赤紫色に見えて、なんだか地球上ではないような、幻想的な空間だった。

それを見ていたインドネシアの女性を中国系の男性が撮り始めた。

とても素敵な時間だった。

空が完全に青色に染まった頃、私達は部屋へと戻った。

次の日の朝食の時に、さっそく現像して来た写真を見せてもらった。
体の奥から熱いものが込み上げて来るほど、本当に、本当に、美しい写真だった。

彼女を好きな彼が見た彼女。
どの写真も美しく、自然と涙が零れていた。
同じくインドネシアの女性も、嬉しそうにその自分の写真を見て涙を流していた。

そこに「愛」があることで、物事はこんなにも違ってくるのだ。

私は、零れた涙を拭いながら、記念に何枚か貰えないかとお願いした。

相変わらずの優しい笑顔で、快く写真を何枚か渡してくれた。

そして朝食を済ませた後、私はまた旅に出た。




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今朝見た夢のお話。
すごく印象に残った夢だったので、文字で残してみました。